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QA学園: 見つけるつもりがないのに、不具合を見つけてしまう話

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見つけるつもりがないのに、不具合を見つけてしまう(ユウタ回)

QA学園は、テストや品質の考え方を「物語」と「実務」の両方で整理するための小さな実験場です。
登場人物は役割の比喩。ユウタは「つなげて試す」タイプで、なぜか日常でバグに遭遇します。

---ChatGPT Image 2025年10月31日 03_54_54.png

ユウタは、バグを探しに行くタイプじゃない。
むしろ、本人は普通に生きてるだけだ。

でも、なぜか見つける。

今日もそうだった。

自販機の前で、ユウタは小銭を入れてボタンを押した。
ガタン、と音がして、缶が落ちる。
……落ちたのに、取り出し口にない。

「え?」

ユウタは覗き込む。ない。
もう一回押す。反応なし。
返却レバーを引く。何も返ってこない。

隣のテラが言う。

「……運が悪いだけでは?」

ユウタは首を振った。

「いや、これ“運”じゃない。条件が揃ってる」


不具合を見つける人は、何を見ているか

ユウタが見ているのは「結果」じゃない。
前提条件だ。

  • いつ押したか(他の人の操作直後か)
  • 何を入れたか(硬貨の種類・枚数)
  • どのボタンを押したか(同列商品か)
  • 音はしたか(機械は動いたか)
  • 期待される状態遷移は何か

つまり、頭の中で勝手にこうなる。

いまこの機械は「支払い済み」状態になった
でも「排出完了」状態に遷移していない
なのに「受付不可」に見える
つまり状態が矛盾している


“バグに遭遇する人”の正体は、観測が細かい人

ユウタが怖いのは、ここからだ。

「たぶん、直前に誰かが同じ列のを買って、
排出センサーのイベントが遅延した」

テラが黙る。

ユウタは自販機の下を覗いて、缶が奥に引っかかっているのを見つける。
係の人を呼んで、取り出してもらう。

そのとき係の人が言う。

「たまにあるんですよねー」

ユウタは笑わない。

「“たまにある”は、条件があるってことです」


QAっぽく言い換えるなら

見つけるつもりがないのに見つけてしまう人は、だいたいこれをやっている。

  • 状態遷移を想像している
  • 観測点(音、表示、反応)を拾っている
  • 「たまに」を条件分解しようとする

そして一番大事なのはこれ。

それが“自分のせい”か“システムのせい”かを、すぐに決めない

まず矛盾を拾う。
次に条件を揃える。
最後に原因を推測する。

ChatGPT Image 2025年10月31日 03_54_54.png

まとめ

ユウタは、バグを探しに行かない。
ただ、世界を「状態」と「条件」で見てしまう。

だから、見つけるつもりがなくても見つけてしまう。

あなたの周りにもいませんか。
「なんでそれ気づくの?」と言われる人。

その人はたぶん、才能じゃなくて、
前提条件を見ているだけです。

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