最低賃金が全国平均1,177円になった2026年10月|給与計算の手作業リスクを今すぐ点検する6つの確認点
本記事は、株式会社DnD(https://dnd-inc.jp)のコラムを一部編集して掲載しています。
初出: https://dnd-inc.jp/blog/minimum-wage-payroll-system-review.html
厚生労働省は2026年9月3日、令和8年度の地域別最低賃金の改定額が全47都道府県で答申されたと公表しました。全国加重平均は前年度の1,121円から56円(+5.0%)増の1,177円となり、各都道府県で10月1日から12月2日の間に順次発効します。2022年度以降、最低賃金は毎年3〜5%超の引き上げが続いており、日本総研の試算では2026年度の影響率が42.5%に達するとされています。こうした改定のたびに課題になるのが、Excelや紙の集計表で給与計算をしている会社の「更新漏れ」リスクです。本稿は原因や詳細の推測を含まず、改定の公式情報を起点に、自社の給与計算フローを今日から点検できる方法を整理します。
この記事の要点
- 令和8年度最低賃金は全国加重平均1,177円(前年+56円)。都道府県ごとに改定額と発効日が異なり、複数拠点を持つ会社は個別に確認が必要。
- Excelや手計算で給与を管理している会社は、改定のたびに「時給テーブルの更新漏れ」「残業単価の計算ズレ」「複数拠点の差額見落とし」という3つのリスクが生じやすい。
- 手作業リスクを根本から減らすには、勤怠データの集計と給与計算を連動させる仕組みが有効。自社の計算ロジックが複雑な場合は、カスタム開発という選択肢もある。
令和8年度最低賃金改定——公式発表の範囲で整理する
厚生労働省は2026年9月3日、令和8年度の地域別最低賃金の改定額について全47都道府県の答申が出揃ったことを公表しました。主な数字は次のとおりです。
- 全国加重平均: 1,177円(前年度1,121円から56円・5.0%増)
- 最高額: 東京都 1,280円
- 最低額: 宮崎県 1,085円(全都道府県で1,000円超)
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発効時期: 各都道府県により2026年10月1日〜12月2日の間に順次発効
2022年度以降、毎年の引き上げ幅は3〜5%超が続いています。各都道府県の改定額と発効年月日の詳細は、厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」でご確認ください。
最低賃金改定が中小企業に及ぼす3つの影響
最低賃金の引き上げは、単なる「支払額の増加」だけではありません。給与計算の仕組み自体に影響します。
影響1:時給テーブルの更新が必要になる
パートタイムやアルバイトを時給制で雇用している場合、時給額が最低賃金を下回っていないか確認が必要です。Excelのセルや帳票に時給が固定値として入力されていると、改定後にその値を手動で更新し直さなければなりません。更新を失念した場合、実際の支払額が最低賃金を下回る可能性があり、労働基準法違反(賃金不払い)につながります。
影響2:残業・割増賃金の計算基礎が変わる
残業代は「基礎賃金×割増率」で計算されます。時給や月給の基礎額が引き上がれば、残業・深夜・休日の割増賃金も連動して変わります。給与計算のどこかに旧単価が残っていると、計算結果が正しくありません。月次でExcelを組んでいる会社では、参照しているセルの値を見直す必要があります。
影響3:複数拠点・複数雇用形態が混在する会社はリスクが高い
都道府県によって改定額と発効日が異なるため、複数拠点を持つ会社は拠点ごとに確認が必要です。また、正社員・パート・日雇い・業務委託が混在する会社では、雇用形態ごとに適用ルールが異なり、一括管理が難しくなります。管理が複雑なほど、手作業では「どこかに漏れが出る」リスクが高まります。
自社で今すぐ確認できる6つのポイント
エンジニアでなくても、担当者に確認すれば把握できる項目です。
**1〜3に「いいえ」が1つでもあれば、今月の給与支払いまでに確認が必要です。**4〜6は中長期的に整えるべき仕組みの課題です。
手作業の限界と、自動化で解決できること
上の6つのポイントを毎年改定のたびに手動で確認し続けることは、担当者の負担が大きく、ミスが生じやすい構造です。解決の方向性は3段階で考えられます。
- 計算ルールの可視化: まず現在の給与計算フロー(誰が・何を・どこで計算しているか)を文書化します。「担当者しか分からない」状態を解消するだけで、引き継ぎミスと更新漏れを大幅に減らせます。
- 勤怠と給与の連動: 勤怠打刻のデータを給与計算シートに自動で取り込む仕組みを作ることで、転記ミスと集計漏れをなくします。クラウド勤怠ツールと給与ソフトの連携で対応できる場合と、自社独自の計算ルールが多くてカスタム開発が必要な場合があります。
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最低賃金の自動チェック: 最低賃金の改定データを取り込み、支払い前に時給・単価が基準を下回っていないかを自動で警告する仕組みです。担当者が「手で確認する」ステップをなくせるため、改定のたびに発生するチェック工数が不要になります。
汎用クラウドサービスでは対応しきれないケース——例えば、歩合制・現場手当・複数の雇用形態が混在する業種、独自の出来高計算がある会社——では、自社の計算ロジックをそのまま組み込んだ業務システムの受託開発が、長期的に最もメンテナンスコストを抑えられます。
自社の給与計算フローをどう整えるか、一度相談してみませんか。
ご相談・お見積りは無料です。「今のExcel管理の何が問題か分からない」という段階からお受けしています。
よくある質問
最低賃金改定のたびにExcelを修正するのは問題ですか?
問題になりうるのは「修正を忘れた場合」と「修正が不完全だった場合」です。時給テーブルや残業計算の基礎単価が旧額のままだと、実際の支払いが新しい最低賃金を下回る可能性があります。毎年改定が続く現状では、更新作業そのものを仕組みで自動化・チェックできるようにすることが、ミスを減らす根本的な対策です。
複数の都道府県に拠点がある場合、どう対応すればよいですか?
各都道府県の改定額と発効日を個別に確認する必要があります。都道府県ごとに金額と発効日が異なるため、一括で管理できる仕組みがないとミスが起きやすくなります。勤務地ごとに適用される最低賃金を自動で参照・計算できるシステムを用意するか、少なくとも対象拠点の改定情報を一覧で管理するチェックシートを設けることをおすすめします。
給与計算のシステム化はいくらくらいかかりますか?
汎用クラウドサービスの導入から自社の計算ロジックに合わせたカスタム開発まで、幅があります。まず「どの部分が手作業になっているか」「どこでミスが起きやすいか」を棚卸しして、改善が必要な箇所を特定することから始めます。ご相談・お見積りは無料ですので、現在の状況をお聞かせいただければ、自社に合った進め方を一緒に検討します。
令和8年度最低賃金の都道府県別の金額はどこで確認できますか?
厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」ページに、都道府県別の改定額と発効年月日が掲載されています。URLは https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html です。複数拠点がある場合は、各都道府県の労働局の公示も合わせてご確認ください。
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