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【Vibe Coding】ローカル環境不要!DataRobot Codespaces × OpenAI Codex CLIで始める爆速開発

Last updated at Posted at 2025-12-18

はじめに

「AIにコードを書かせる」——元TeslaのAI責任者 Andrej Karpathy氏が提唱した 「Vibe Coding(バイブコーディング)」 は、今や開発者の必須スキルとなりつつあります。

しかし、いざ実践しようとすると「ローカル環境にNode.jsを入れるのが面倒」「会社のPCで勝手にツールを入れられない」といった壁にぶつかることはありませんか?

実は、DataRobot Codespaces を使えば、ブラウザさえあれば環境構築なしで、最新の OpenAI Codex CLI を使ったVibe Codingを始められます。しかも、DataRobot LLM Gatewayを経由するため、セキュリティも万全です。

本記事では、DataRobotのCodespaces環境を使って、ターミナルからAIと対話し、アプリケーションを爆速開発する手順を解説します。

なぜ DataRobot Codespaces なのか?

Vibe Codingを行う環境として、VS CodeやCursorなどのローカル環境も人気ですが、企業利用においては DataRobot Codespaces が強力な選択肢になります。

  1. 環境構築が不要: ブラウザだけで完結し、VS Codeベースの慣れ親しんだインターフェースがすぐに利用できます。
  2. 永続性: ノートブックとは異なり、Codespacesはファイルシステムが永続化されるため、開発したアプリケーションや設定を維持できます。
  3. セキュリティ: DataRobot LLM Gatewayを経由することで、ガバナンスを効かせたAI利用が可能です。(詳細

1. セットアップ:DataRobot Codespacesでの準備

DataRobot Codespaces環境は便利ですが、sudo 権限がないため、通常のインストール手順とは少し異なる工夫が必要です。以下の手順でセットアップします。

Step 1: Codespace とターミナルの起動

DataRobot上で新しい Codespace を作成・起動し、下部のパネルから「ターミナル」を開きます。

Step 2: npmパッケージの保存先設定

管理者権限(sudo)なしで npm パッケージをインストールするため、ホームディレクトリ配下にグローバルインストール用のディレクトリを作成します。

以下をコピーしてターミナルに貼り付けて実行してください:

# グローバルインストール用のディレクトリ作成
mkdir -p ~/.npm-global
npm config set prefix '~/.npm-global'

# パスを通す(.bashrcに追記)
echo 'export PATH=~/.npm-global/bin:$PATH' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

Step 3: OpenAI Codex CLI のインストール

パスが通ったら、OpenAI公式のCodex CLIをインストールします。

npm install -g @openai/codex

Note: npm warn Unknown builtin config... という警告が表示される場合がありますが、インストールは正常に完了しています。無視して次のステップに進んでください。

Step 4: DataRobot LLM Gateway への接続設定

AIのリクエストをDataRobot経由で送るための設定ファイル ~/.codex/config.toml を作成します。

Codespaces環境では、DataRobotのAPIトークンが環境変数(DATAROBOT_API_TOKEN)に自動的に設定されています。これを利用して設定ファイルを生成します。

mkdir -p ~/.codex

# 設定ファイルを生成
cat <<'EOF' > ~/.codex/config.toml
[model_providers.dr]
name = "DataRobot LLM Gateway"
base_url = "https://app.datarobot.com/api/v2/genai/llmgw"
env_key = "DATAROBOT_API_TOKEN"
wire_api = "responses"

[shell_environment_policy]
inherit = "all"
EOF

ポイント:

  • model_providers.dr: DataRobot LLM Gatewayをカスタムプロバイダーとして登録します。
  • env_key: APIトークンの「値」ではなく、環境変数名 "DATAROBOT_API_TOKEN" を指定します(Codespacesにはこの変数がプリセットされています)。
  • wire_api: 最新のGPT-5モデル等を利用するために "responses" を設定します。

Step 5: エイリアスの設定

最後に、使いやすくするためのエイリアス drcodex を .bashrc に登録します。

# 推奨モデル(GPT-5 Codex)を指定したエイリアス
# SWE-bench 77.9% の精度を誇るコーディング特化モデルです
echo "alias drcodex='codex --config model_provider=dr --model azure/gpt-5-codex-2025-09-15'" >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

これで準備完了です!

2. 実践!Codespaces内でのVibe Coding

ターミナルで drcodex と入力して起動しましょう。

$ drcodex

初回起動時は以下のような画面が表示されます。
Vibe Coding1.png

ここでは 「1. Allow Codex to work in this folder without asking for approval」 を選択してEnterを押してください。これにより、Codexがファイルの編集やコマンドの実行を自動で行えるようになります。

Note: 「2. Require approval of edits and commands」を選ぶと、より安全ですが毎回確認が必要になります。開発効率を重視する場合は「1」を選択することをおすすめします。

選択後、以下のようにモデル情報とプロンプト > が表示されたら準備完了です。
Vibe Coding2.png

画面には使用中のモデル(azure/gpt-5-codex-2025-09-15)と作業ディレクトリが表示されます。また、/init、/status、/model などの便利なコマンドも確認できます。

さあ、プロンプトに指示を入力してVibe Codingを始めましょう!

シナリオA:DataRobot APIを使ったスクリプト作成

まずは「雰囲気(Vibe)」で指示を出して、Pythonスクリプトを作ってみます。

プロンプト例:

> DataRobotのAPIを使って、現在デプロイされているモデルの一覧を取得するPythonスクリプトを
作って。
> 結果はPandas DataFrameで見やすく表示したい。
> ファイル名は list_deployments.py で。

Codex CLIは以下のように動きます:

  1. 思考: 必要なライブラリ(datarobot, pandas)を特定。
  2. 生成: list_deployments.py を作成し、コードを記述。
  3. 確認: 実行してよいかユーザーに許可を求める(Suggestモード時)。

DataRobot CodespacesはVS Codeベースのエディタを備えているため、生成されたファイルは左側のファイルエクスプローラーに即座に表示され、GUIで確認・編集することも可能です。

# ターミナルで実行
python list_deployments.py

シナリオB:エラー修正とリファクタリング

実行してエラーが出た場合も、ターミナルに戻ってAIに修正させます。

プロンプト例:

> さっきのコード、デプロイメントIDも表示項目に追加して。
> あと、メイン処理を関数化して整理して。

/diff コマンドを使えば、AIがどの行を書き換えようとしているかが色付きで表示されるため、意図しない破壊的な変更を防げます。

シナリオC:Git連携(Codespacesの強み)

DataRobot CodespacesはGit統合機能を持っていますが、CLIからも操作可能です。

プロンプト例:

> 今の変更を 'feat: add deployment listing script' というコメントでコミットして。

これで、git add から git commit までが自動で行われます。開発の履歴管理も会話ベースで完結します。

3. 使いこなしのポイント

DataRobot環境でCodex CLIを快適に使うためのコツを紹介します。

モデルの選び方

DataRobot環境では以下のモデル設定が推奨されています。

  • azure/gpt-5-codex-2025-09-15 (推奨)

    • コーディングタスクに特化しており、精度が非常に高い(SWE-bench 77.9%)。
    • config.toml で wire_api = "responses" の設定が必要。
  • azure/gpt-4o-2024-11-20

    • マルチモーダル対応が必要な場合や、より一般的なタスク向け。

エイリアスの活用

Codespacesのターミナルを開くたびに設定を打つのは手間なので、.bashrc にエイリアスを登録しておく運用(Step 5)が鉄則です。用途に合わせて複数のエイリアスを用意するのもおすすめです。

alias drcodex='codex --config model_provider=dr --model azure/gpt-5-codex-2025-09-15' # コーディング用
alias drchat='codex --config model_provider=dr --model azure/gpt-4o-2024-11-20'       # 相談・チャット用

具体的な指示を出す(Vibe Codingのルール)

「いい感じにして」ではなく、「要件・機能・タスク」を意識して指示を出しましょう。

「天気のやつ作って」
⭕️ 「DataRobotの予測APIを叩く関数を作成して。引数は日付と地点コード、戻り値は降水確率のJSONで。」

まとめ

DataRobot CodespacesとOpenAI Codex CLIを組み合わせることで、「ブラウザを開くだけ」で、企業レベルのセキュリティと最新のAIモデルを備えた開発環境が手に入ります。

ローカル環境のメンテナンスに時間を取られるのはもう終わりです。drcodex エイリアスを設定して、DataRobot上で快適なVibe Codingライフを始めましょう。

セキュリティとコンプライアンスについて

DataRobot LLM Gatewayを経由する場合、インプットデータが学習に使われることがない契約 となっています。これにより、機密情報を扱う企業でも安心してLLMを利用できる基盤が整っています。

ただし、LLMやAIコーディングツール自体の利用が、貴社の社内コンプライアンス上問題ないかについては、必ずご自身で確認をお願いします。

参考文献

DataRobot Documentation: LLM Gateway
OpenAI Codex CLI Documentation

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