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Google Cloud 全冠達成!新卒二年目が全試験一発合格できた学習戦略

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はじめに

新卒3年目のインフラ領域のSEのAkimotoです。

私は新卒で入社して2年目でGoogle Cloud 認定資格の全冠を達成しました! そして、全ての試験に一発合格することができました。

本記事では、私がどのようにしてGoogle Cloudを学習し、一発合格を勝ち取ったのか、その具体的な学習戦略、おすすめの受験順番、普遍的な学習法、全冠になって得たものをお伝えします。

「Google Cloud の資格取得に興味があるけど、何から手をつけていいかわからない」「効率的な学習戦略を知りたい」「一発合格を目指したい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください!

Google Cloud 認定資格について

Google Cloud の認定資格は、「Foundation」「Associate」「Professional」の3つのレベルのがあり、記事執筆時点(2025年7月)でそれぞれ順番に2個、3個、8個の計13個の一般公開されている認定資格があります。()内は略称。(公式の略称とは異なる可能性があります)

Foundation

  • Cloud Digital Leader (CDL)
  • Generative AI Leader (GAL)

Associate

  • Cloud Engineer (ACE)
  • Google Workspace Administrator (AGWA)
  • Data Practitioner (GDP)

Professional

  • Cloud Architect (PCA)
  • Cloud Database Engineer (PCDBE)
  • Cloud Developer (PCD)
  • Data Engineer (PDE)
  • Cloud DevOps Engineer (PCDE)
  • Cloud Security Engineer (PSCE)
  • Cloud Network Engineer (PCNE)
  • Machine Learning Engineer (PMLE)

各試験の詳細はGoogle Cloud公式サイトをご覧ください。

学習戦略

Google Cloudの資格は上記の13個と数が多いです。加えて、日本語対応しておらず英語で受験する必要のある試験が一部あります。また、不合格になると再受験ポリシーにより一定期間受験できなかったり、回数の制限があったりします。試験時間もプロフェッショナルは2時間と長く、費用だけでなく疲労も溜まるため、一発で合格するのが効率的です。

すべての試験を一発で合格するために戦略を練ることをおすすめします。

そこで、私のおすすめする学習戦略をお伝えします。

1.資格をブロックにわけて各ブロックを短期間で回す
2.英語の試験は後回しにする
3.自身の得意/経験領域に近い所からやる

以上です。
詳しく解説します。

1.資格をブロックにわけて各ブロックを短期間で回す

これは13の資格を出題範囲の近接性でいくつかのブロックにわけます。
例えば、以下のように4つにわけます。

【基礎基盤ブロック】

  • Cloud Digital Leader (CDL)
  • Cloud Engineer (ACE)
  • Cloud Architect (PCA)

【AI/ML、データ領域ブロック】 

  • Data Engineer (PDE)
  • Data Practitioner (GDP)
  • Cloud Database Engineer (PCDBE)
  • Machine Learning Engineer (PMLE)
  • Generative AI Leader (GAL)

【その他プロフェッショナルブロック】 

  • Cloud Security Engineer (PSCE)
  • Cloud Network Engineer (PCNE)
  • Cloud DevOps Engineer (PCDE)
  • Cloud Developer (PCD)

【一匹狼Google Workspaceブロック】

  • Google Workspace Administrator (AGWA)

ブロックの簡単な説明をします。

【基礎基盤ブロック】 はGoogle Cloudを学ぶ上で基礎基盤となるCDL、ACE、PCAの3つの試験を通じて各サービスや用語を広く学習するブロックです。

AI/ML、データ領域ブロック】 はAI、ML、データベース、データエンジニアリング、生成AIの分野を学習するブロックです。

【その他プロフェッショナルブロック】 は文字通りその他のプロフェッショナルレベルのセキュリティ、ネットワークのインフラ分野と開発よりのDeveloper、開発とインフラ領域の間のDevOpsを学習するブロックです。

【一匹狼Google Workspaceブロック】 は他とは少し毛色の異なる試験でGoogle Workspaceを学習するブロックです。

このようにわけたら各ブロックを短期間で受験します。
短期間で受験するメリットは、各ブロック内で学習範囲の重複があり、知識が忘れにくくなることです。
業務で関連する領域は問題ないかもしれませんが、関連しない領域に関しては知識が抜けやすいため、忘れる前に受験するほうが効率的です。たとえば、インフラ領域の人はAI,ML領域のサービスに触れる機会はあまり多くないと思います。

また、Google Cloudは新サービスの発表やサービスのアップデートもあり、試験内容や範囲も更新される場合があります。
短期間に受験することでその影響を抑えられる可能性があります。

加えて、受験は意外と疲れます。プロフェッショナル試験は試験時間が2時間もあり、特に英語版の試験の場合は知らない単語がでてきてもその場で調べられないため文章の流れで意味を把握する必要があります。そういった背景から13個の試験をすべてクリアするにはやる気の維持も肝要です。

モチベーションの観点からも短期間で受験することは効果的です。
期間の目安ですが、各試験を1週間~2週間で回すとよいと思います。

2.英語の試験は後回しにする

記事執筆時点(2025年7月)で13ある認定試験のうち、以下の3つは日本語対応していないため、英語で受験する必要があります。

  • Generative AI Leader (GAL)
  • Cloud Database Engineer (PCDBE)
  • Data Practitioner (GDP)

これらは各ブロック内の順番として後回しにすることをおすすめします。

英語の試験で使われている文法、単語は一部を除きそこまで難しいものはありません。高校程度の英語力があれば読み解くのは問題ないと思います。

そのため、まず日本語で受けられる試験を勉強して周辺知識を定着させた後に、サービスの用語の英語表記を追加して覚えることで効率的に合格を狙えます。

なお、英語に自信がある方は全試験英語で受けるほうが効率的かもしれません。

また、Google Cloudの試験は日本語対応される可能性があります。そのため後に回すことで日本語版を受験できる可能性がほんの少しだけ……上がるかもしれません。(日本語版がリリースされるスケジュールなどは公開されていないため、あまり期待はしない方が良いと思います。)

実際に直近では2025/6/30に以下2つの試験の日本語版がリリースされました。

Machine Learning Engineer (PMLE)
Google Workspace Administrator (AGWA)

(余談ですが、私はPMLEの日本語版がリリースされる前に英語版で受験しましたが、文章も長く、知らない英単語が多く、かなり難しかった思い出があります。普段からML領域に触れていない方にとっては全冠最後の壁になると思いますが、日本語版が出たことで多少合格しやすくなったかと思います。)

3.自身の得意/経験領域に近い所からやる

これは自身の経験したことある領域や得意領域の試験から順番で受けていく方が効率的だからです。Google Cloudの全資格を受験するとなると普段触れない領域もあります。自身の知識領域を徐々に広げていき、苦手な領域を潰していくことをお勧めします。

受験の順番

戦略を踏まえて、私のおすすめの順番をインフラ領域、アプリ領域、AI領域の方を想定して紹介します。
どれも【基礎基盤ブロック】のCDL、ACE、PCAを最初に受験してGoogle Cloud の知識の土台を作ります。その後に【一匹狼Google Workspaceブロック】のAGWAがありますが、こちらは最後に回しても問題ないです。

インフラ領域の方

順番
1 Cloud Digital Leader (CDL)
2 Cloud Engineer (ACE)
3 Cloud Architect (PCA)
4 Google Workspace Administrator (AGWA)
5 Cloud Security Engineer (PSCE)
6 Cloud Network Engineer (PCNE)
7 Cloud DevOps Engineer (PCDE)
8 Cloud Developer (PCD)
9 Data Engineer (PDE)
10 Data Practitioner (GDP)
11 Cloud Database Engineer (PCDBE)
12 Machine Learning Engineer (PMLE)
13 Generative AI Leader (GAL)

アプリ領域の方

順番
1 Cloud Digital Leader (CDL)
2 Cloud Engineer (ACE)
3 Cloud Architect (PCA)
4 Google Workspace Administrator (AGWA)
5 Cloud Developer (PCD)
6 Cloud DevOps Engineer (PCDE)
7 Cloud Network Engineer (PCNE)
8 Cloud Security Engineer (PSCE)
9 Data Engineer (PDE)
10 Data Practitioner (GDP)
11 Cloud Database Engineer (PCDBE)
12 Machine Learning Engineer (PMLE)
13 Generative AI Leader (GAL)

AI領域の方

順番
1 Cloud Digital Leader (CDL)
2 Cloud Engineer (ACE)
3 Cloud Architect (PCA)
4 Google Workspace Administrator (AGWA)
5 Machine Learning Engineer (PMLE)
6 Data Engineer (PDE)
7 Data Practitioner (GDP)
8 Cloud Database Engineer (PCDBE)
9 Generative AI Leader (GAL)
10 Cloud Developer (PCD)
11 Cloud DevOps Engineer (PCDE)
12 Cloud Network Engineer (PCNE)
13 Cloud Security Engineer (PSCE)

こちらを参考にしてご自身に合った順番を考えてみてください。

私の取得スケジュール

実際の私の取得スケジュールはこちらです。
おおむね前述した学習戦略に従っていると思います。

試験 合格日
Cloud Digital Leader (CDL) 2023/10/5
Cloud Engineer (ACE) 2023/12/7
Cloud Architect (PCA) 2024/3/14
Google Workspace Administrator (PGWA) 2024/6/20
Cloud Security Engineer (PSCE) 2024/11/29
Cloud Network Engineer (PCNE) 2024/12/12
Cloud DevOps Engineer (PCDE) 2024/12/19
Cloud Developer (PCD) 2024/12/26
Data Engineer (PDE) 2025/2/13
Data Practitioner (GDP) 英語版 2025/2/22
Cloud Database Engineer (PCDBE) 英語版 2025/2/26
Machine Learning Engineer (PMLE) 英語版 2025/3/11
全冠達成 2025/3/11
Generative AI Leader (GAL) 英語版 2025/7/15

CDL、ACE、PCA、PGWAの取得間隔が長いですね。このときに取得間隔が長いと知識が抜けやすく、再度知識を頭に入れる必要があるため非効率だと感じました。
Google Workspace Administrator (PGWA)はGoogle Workspace Administrator (AGWA)の前身の認定資格です。以前はプロフェッショナルレベルでした。
PSCE~PCDとPDE~PMLEはプライベートも含めて学習時間が確保しやすいタイミングを狙い集中的に受験し、約1週間間隔で取得しました。
GALは2025/5に一般公開されたので離れた時期に取得しています。
そのため、PMLEに合格した 2025/3/11 で全冠を達成し、GALに合格した2025/7/15で再度全冠?になった形です。

普遍的な試験対策

大局的な学習戦略を立てた後は各試験対策が必要です。
しかしながら、Google Cloudの試験は更新されたり、新設されるものがあったりと個別具体的な対策を立てることが難しい傾向にあります。
また、この記事ですべての試験の対策を一つずつ紹介すると分量が多くなることもあり、各試験対策は今後別の記事で紹介できればと思います。

そこでここでは普遍的な試験対策をCDLを例に紹介します。

①受験する試験を決めた後は、まず各試験概要を確認する

公式サイトを見て試験時間、対応言語、設問数を確認します。

標準試験ガイドを読む

わからない言葉はGeminiに質問して理解しましょう。
たとえば、クラウド テクノロジーと従来の(オンプレミス)テクノロジーの違いを比較して教えてくれます。

比較項目 クラウド テクノロジー 従来の(オンプレミス)テクノロジー
初期投資 非常に少ない、または不要 サーバー、ソフトウェア、ネットワーク機器などに多額の初期投資が必要
スケーラビリティ 必要に応じて瞬時にスケールアップ/ダウンが可能 ハードウェアの追加・設定に時間とコストがかかる
運用・保守 クラウドプロバイダーが担当するため、運用負担が軽減 自社で専門のITスタッフを雇用し、すべてを管理する必要がある
コストモデル 使用した分だけを支払う従量課金制(OpEx) 設備投資費用(CapEx)が中心
俊敏性 (Agility) 迅速に新しいサービスを立ち上げ、試行錯誤が可能 企画から導入までに時間がかかり、ビジネスの変化に対応しにくい

このGeminiで比較表を出力する方法はサービスの特徴やユースケースを学ぶ際に役に立ちます。
特にユースケースは、Google Cloudの試験がユースケースを問うものが多いため、頭の中を整理するのにとても有益です。

下の表はGeminiに「Google Cloudの試験対策のためにデータベースサービスのユースケースを比較してください」と聞いたものです。

データベース名 種類 種類 ユースケース
Cloud SQL リレーショナル(RDB) フルマネージドなMySQL, PostgreSQL, SQL Serverのインスタンスを提供。単一リージョンでの利用が基本。 Webアプリケーションのバックエンド、CRM、ECサイト、基幹システムなど、伝統的なリレーショナルデータベースが必要なシステム。
Cloud Spanner リレーショナル(RDB) グローバル分散型の強力な一貫性を持つリレーショナルデータベース。高い可用性とスケーラビリティが特徴。 金融取引、グローバルなゲーム、ミッションクリティカルなシステムなど、世界規模での高い一貫性と可用性が求められるシステム。
Cloud Firestore NoSQL(ドキュメント) モバイル/ウェブアプリケーション開発に特化した、柔軟でリアルタイム同期が可能なドキュメントデータベース。 ユーザープロファイル管理、ゲームのスコアボード、チャットアプリケーション、IoTデバイスのデータ収集など、リアルタイム性が求められるアプリケーション。
Cloud Bigtable NoSQL(ワイドカラム) ペタバイト級のデータに対応する、高スループット、低レイテンシのNoSQLデータベース IoTデバイスからの時系列データ、大規模な不正検知、金融取引の履歴、リアルタイムアナリティクスなど、膨大なデータを高速で読み書きするシステム。
BigQuery データウェアハウス サーバーレスでペタバイト級のデータを高速に分析できるデータウェアハウス。分析に特化しており、トランザクション処理には向かない。 企業のビジネスインテリジェンス(BI)、データ分析、マーケティング分析、ログ分析など、大量のデータをSQLで分析する用途。

このようにして試験ガイドに載っている用語やサービスを理解します。

③模擬試験を受ける
次に公式サイトにある模擬試験を受験します。ここでは正答率よりもどのような問題がどのような形式で出題されるのかを把握してください。
解説を読んでわからない箇所はGeminiに聞きましょう。

④合格体験記や各サービスの解説記事、公式ドキュメントを読む
試験の全体像をある程度抑えて各サービスの知識を頭に入れた後は、有志の方が書いてくださっている各サービスの解説記事や合格体験記(なるべく最新のもの)、Google Cloud の公式ドキュメントを読みます。

このタイミングで目を通すと基礎ができている分、ドキュメントが読みやすくなっているはずです。

なお、なかなか理解できないサービスや機能はハンズオンを行いましょう。コンソールに入ってどんな機能があるかを見るだけでもサービスが理解しやすくなります

⑤再度模擬試験を受ける
一度目の模擬試験から数日経ったタイミングでもう一度模擬試験を受けます。(更新等がなければ)同じ問題なので一度目のときより正答率が上がっていると思います。間違えた問題はよく調べてすべての設問を理解してください。

⑥再度標準試験ガイドを読む
ここで再度標準試験ガイドを読み、自分がガイドに載っていることを理解しているかのチェックをします。
理解が浅いものや知識の抜けがあれば調べて理解し、ガイドに記載されているものはすべて理解しましょう。

⑦試験を申し込み、受験する
しっかりと試験範囲を理解できたら試験を申し込んで受験します。
なお、締め切り効果を狙う方は最初に申し込んでもよいと思います。
受験直前には模擬試験で不正解になった設問や苦手な箇所をさらっと読み、知識を補強することをお勧めします。

全冠達成で得られたもの

上記の学習戦略と試験対策を実践し、Google Cloud の認定資格を全冠したことで私が得られたものは大きく2つあります。

①体系的なクラウド知識
試験を通じてたくさんのサービスの概要を学んだことで、Google Cloud 全体の解像度が上がりました。
また、知識の土台ができている分、実務での調査がしやすくなっていると感じています。

②セルフブランディング
全冠というタグを自身に紐づけることでセルフブランディングの一つになっていると思います。

最後に

本記事では私がGoogle Cloud の資格試験を全冠する過程で得た知見をまとめて紹介させていただきました。参考となりましたら幸いです。

また、本記事は私がはじめてQiitaで書いたものとなります。今後もこちらのQiitaにて執筆していきますので、ぜひ読んでいただければと思います。

この記事が良かったと思っていただいた方はいいね(ハート)をしていただけると励みになります。

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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