この業界ではDB(データベース)のことを「デービー」と言いますね。1
たまに「ディービー」と正しく発音するのを聞くと、「あ、染まってない人だ」と認識します。
なぜかと若人に聞かれて答えられませんでした。
眠れなくなりそうなので、少しだけ考えてみました。
英文内や製品名にも出てきますので、まずは「DB」自体が和製英語ということはなさそうです。
「データベース」の略だからだろうか。
これは聞かれて最初に答えかけました。
が、だったら「デーベー」だよね、とすぐに気づきました。
昔、ある国際企業のグループ会社にお邪魔すると、皆が「インターフェイス」を「インターフェイス」(前にアクセント)と正しく発音していました。
さすがと感心しつつも、気恥ずかしくて郷に従うことはできませんでした。
では「インターネット」は?
気になったのですが、そこは普通に「インターネット」でした。
――余談です。
これも昔、「ディ」が発音できなくて「デズニーランド」というおじさん(今はおじいさん)がいました。
それを揶揄したのか、「デゼニランド」というゲームもありました。
業界黎明期の人たちにとって「ディービー」が言いづらかったのでしょうか。
でも、時代で言うとTV(ティービー)の方が古いと思うんですよね。
「テレビジョン」ですが、「テービー」とは略しません。
あるいは、電話とかで間違えないように「Delta の D」と言ったり、「7月(しちがつ)」を「なながつ」と言ったりする、あの気遣いが歓迎されて定着したのでしょうか。
ただ…
- CD(シーディー)
- DVD(ディーブイディー)
- DDL(ディーディーエル)
- DLL(ディーエルエル)
- DCOM(ディーコム)
- DX(ディーエックス)
どれも「ディー」なんですよね。
なぜ「デービー」だけが特権的地位を得たのでしょうか。2
わからないで終わらせたくないので、仮にでも結論づけます。
進化論に「適者生存」という考え方があります。
キリンの首が長いのは、高いところにある木の葉を食べるのに都合がよかったから。
って、誰かに教わったことありませんか?
実はこれ、ちょっと違うらしいんです。
始まりは突然変異だとして、一世代であんなに伸びたわけはありません。
段階があったわけですが、少しくらい首が長くても木の葉を独占することはできないでしょう。
さらに、心臓と脳に高低差があると、充分な血流が行き届かずに脳貧血を起こす危険性が高まるため、それ自体は生存競争に有利というより、むしろ淘汰される要因になるそうです。
ところが、キリンの後頭部にはワンダーネットと呼ばれる網目状の毛細血管があり、それが脳貧血を防ぐ役割を果たします。
このワンダーネット、首が長くなってから備わったものではありません。
キリンと共通の祖先を持つオカピにもあるのです。
つまり、たまたま運がよかったわけですね。
「適者生存」だけでは説明できません。
「幸者生存」という機構も働いているのです。3
戻りましょう。
- 誰かが「デービー」と言い始めた(突然変異)4
- 「データ」が広く使われていたため、違和感なく受け入れられた(幸者生存)
- 使ってみると語呂がよかった(適者生存)
いかがでしょう。
こじつけの感は否めませんが、あながち外れてもいない気がします。
書いてたら0時回ってしまいました。
頭使ったので結局眠れそうにありません。
連休中もお仕事頑張る方にお茶請けとして…。
続報です。
dBは、高校や大学の先生などは「デシベル」と読むようですが、無線屋さんは「デービー」と読みます。
こっちが先かもしれませんね。