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【知らないと損!】クラウドコストを自動で最適化。IBM Turbonomicの「パーキング機能」とは?

Last updated at Posted at 2025-10-06

「クラウドの請求額が思ったより高い…」「開発環境のサーバー、夜間や休日は誰も使っていないのにもったいない…」

多くの企業がクラウド活用を進める中で、このようなコストに関する悩みは尽きません。特に、常時稼働させる必要のない開発・テスト環境などのリソースは、大きなコスト削減のポテンシャルを秘めています。

今回は、そんなクラウドの”無駄”を自動的に削減し、コスト最適化を実現するIBM Turbonomicの便利な機能、**「パーキング(Parking)機能」**について、わかりやすくご紹介します。

そもそも「パーキング機能」って何? 🚗
IBM Turbonomicのパーキング機能とは、一言でいうと**「使っていないクラウドリソースを、スケジュールに基づいて自動的に停止・再開してくれる機能」**です。

週末に車を使わないとき、駐車場に停めておきますよね。それと同じように、開発者が使っていない夜間や週末に、開発用の仮想マシン(VM)やデータベースを自動的に"駐車"(停止)させておく。そして、業務開始時間になったら自動で"出庫"(起動)させる。このイメージが「パーキング機能」です。

この機能により、リソースが不要な時間帯の課金を止めることができ、クラウドコストを大幅に削減できます。

Park一覧.jpg!

主な対象リソース
仮想マシン (AWS EC2, Azure VM, Google Cloud VM)

データベース (Amazon RDS, Azure SQLなど)

コンテナプラットフォームのクラスタ (AKSなど)

なぜ便利?パーキング機能の3つのメリット
パーキング機能がもたらすメリットは、単なるコスト削減だけではありません。

メリット1:劇的なコスト削減効果 💰
最大のメリットは、やはりコスト削減です。例えば、平日の業務時間(9時〜18時)のみ稼働させ、夜間や土日祝日は完全に停止させたとします。これだけで、対象リソースの稼働時間は約70%も削減され、利用料金もそれに比例して大きく下がります。実際に、多くの企業がこの機能を使ってクラウド費用を30%以上削減したという事例もあります。

メリット2:運用の自動化とヒューマンエラー防止 🤖
「手動でやればいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、毎日の停止・起動作業は手間がかかり、何より「消し忘れ」が発生しがちです。パーキング機能を使えば、一度スケジュールを設定するだけで、あとはTurbonomicが全自動で実行してくれます。これにより、運用担当者の負担を軽減し、人為的なミスを防ぐことができます。

メリット3:ガバナンス強化と環境への配慮 🌱
組織全体で「開発環境は夜間停止する」といったルールをポリシーとして設定し、自動的に適用できます。これにより、個々のチームの判断に任せることなく、統一されたコスト意識とガバナンスを徹底できます。また、不要なコンピューティングリソースを停止することは、消費電力の削減にもつながり、企業のサステナビリティ目標にも貢献します。

こんなシーンで大活躍!具体的な活用シナリオ
パーキング機能は、特に以下のような環境でその真価を発揮します。

開発・テスト・ステージング環境
シナリオ: 平日の業務時間外や土日・祝日は利用されないことが多い。

活用法: 業務時間(例:月〜金曜の午前9時から午後7時まで)のみ稼働するようにスケジュールを設定。

特定のプロジェクト用の一時的な環境
シナリオ: プロジェクトが一時中断している、あるいは特定の曜日しか使わない。

活用法: プロジェクトがアクティブな期間や曜日だけリソースを起動する。

需要の変動が激しい分析環境など
シナリオ: 夜間にバッチ処理を実行するためだけに利用する。

活用法: 必要な時間帯だけピンポイントで起動するスケジュールを設定。

設定はとてもシンプル
Turbonomicの管理画面から、直感的な操作でパーキングのポリシーとスケジュールを設定できます。ここでは設定の流れを簡単にご紹介します。

  1. 新規パーキングポリシーの作成
    まず、ポリシーにわかりやすい名前を付けます。

  2. ポリシーを適用する範囲(レベル)の選択
    どの範囲のリソースにポリシーを適用するかを決めます。「アカウント」レベルを選択し、対象のアカウントにチェックを入れます。

  3. 対象ワークロードのフィルタリング
    次に、パーキングさせたいリソースを具体的に指定します。ここでは例として「インスタンス・タイプ」が「Standard_B1s」のものだけを対象にしています。タグなど、様々な条件で柔軟にフィルタリングが可能です。

  4. パーク・スケジュールの設定
    最後に、リソースを稼働させるスケジュール(実行中にしておく時間)を設定します。カレンダーUIで直感的に時間を選択できます。この例では「平日の9時〜18時」を稼働時間として設定しています。

また、「本番環境の重要なサーバーは絶対に停止させない」といった除外ポリシーも簡単に設定できるため、安心して自動化を導入できます。

Parkスケジュール.jpg

まとめ
IBM Turbonomicのパーキング機能は、クラウドのコスト最適化において非常に強力なツールです。

使わない時間は止めて、賢くコストを削減

面倒な手作業から解放され、運用を自動化

全社的なルールとしてガバナンスを効かせる

もし、あなたの会社でクラウドリソースが24時間365日稼働し続けているなら、そこには大きなコスト削減のチャンスが眠っているかもしれません。

IBM Turbonomicのパーキング機能を活用し、クラウド運用のスマートなコスト管理を始めてみてはいかがでしょうか。

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