CircleCI では、AI エージェント向けの公式スキル群を CircleCI-Public/skills として公開しました。これは Claude Code などのコーディングエージェントに CircleCI のベストプラクティスを持ち込むためのプラグインで、CircleCI環境のセットアップや.circleci/config.yml の診断・最適化・CIエラーの調査などをエージェントに指示させる際に利用します。
本記事では、この公式スキルのうち「CI設定の診断と最適化」について Claude Code
へインストールして診断と修正提案、そして PR にするまでを紹介します。
本記事は 2026 年 7 月時点のリポジトリ内容にもとづく速報です。収録スキルやインストール方法は今後変わる可能性があります。最新の状態は CircleCI-Public/skills を確認してください。
Claude Code に CircleCI 公式プラグインを導入する
プラグインのインストールはコーディングエージェント側で実装します。Claude Codeの場合、3つのコマンドを実行することになります。
まず/plugin marketplace add でカタログを登録してください。
❯ /plugin marketplace add CircleCI-Public/skills
⎿ Successfully added marketplace: circleci-public-skills
その次に/plugin install でプラグインを入れます。
❯ /plugin install circleci@circleci-public-skills
⎿ ✓ Installed circleci. Run /reload-plugins to apply.
最後に/reload-plugins で有効化してください。
❯ /reload-plugins
⎿ Reloaded: 2 plugins · 0 skills · 6 agents · 1 hook · 3 plugin MCP servers · 0 plugin LSP servers
インストールが完了したかどうかは、/plugin list で確認できます。
❯ /plugin list
⎿ Installed plugins:
• circleci@circleci-public-skills (v1.0.0, project) ✔ enabled
/plugin list の出力で circleci@circleci-public-skills が enabled になっていれば、導入は完了です。
/reload-plugins を実行しないと、インストール直後はスキルが有効化されず /circleci:config を呼び出せません。インストール後は必ず再読み込みしてください。
.circleci/config.yml を診断させる
有効化できたら、/circleci:config に診断を依頼してみましょう。今回は「レビューと修正提案を」とだけ指示しました。
config スキルは、依頼に対して決まった 4 部構成で回答します。1 つ目が Baseline bottleneck summary(現状のボトルネックの要約)、2 つ目が Proposed changes(根拠つきの変更提案)、3 つ目が Expected impact(想定される効果)、4 つ目が Validation & rollback(検証手順と切り戻し方法)です。
今回の対象は、8 個のテストファイルからなるテストスイートです。/circleci:config の出力(抜粋)は次のような内容でした。
❯ /circleci:config レビューと修正提案を
Searched for 3 patterns, read 6 files, ran 2 shell commands
Baseline bottleneck summary
8 test files, dominated by one artificial 8.8s file (heavy.test.ts, a sleep 8s).
All other 7 files run in well under 1s.
┌───────────────────┬──────────┬─────────────┬─────────────────────────────────────┐
│ Run │ duration │ parallelism │ credits (medium, ≈10/min/container) │
├───────────────────┼──────────┼─────────────┼─────────────────────────────────────┤
│ No split (serial) │ 14.8s │ 1 │ ≈2.5 │
├───────────────────┼──────────┼─────────────┼─────────────────────────────────────┤
│ Split, timings │ 14.3s │ 4 │ ≈9.6 │
└───────────────────┴──────────┴─────────────┴─────────────────────────────────────┘
This is the core finding: parallelism=4 buys essentially zero wall-clock
improvement (14.8s → 14.3s) while spending ~4x the credits. Root cause is
structural — file-level splitting can never beat the runtime of the single
slowest file, and here one file (heavy.test.ts, 8.8s) is ~69% of total suite time.
Proposed changes
1. Drop parallelism from 4 to 2 in .circleci/config.yml.
Expected impact
- Wall-clock: roughly unchanged (~14–15s), since the heavy file is still the ceiling.
- Credits: roughly half of the current ~9.6/run (≈4.8).
Validation & rollback
- Validate by triggering the pipeline and comparing against the ≈14.3s baseline.
- Rollback: revert parallelism: 2 → parallelism: 4; one-line change.
英語で生成されていますが、内容を要約すると「過剰なパラレル実行を発見し、並列数の削減を提案する」出力となっています。
テストをファイル単位で分割する方式では、コンテナをいくら増やしても、最も遅い 1 ファイル(heavy.test.ts、約 8.8 秒=スイート全体の約 69%)の実行時間より速くはなりません。並列数を 4 にしても実行時間が 14.8 秒から 14.3 秒へほとんど変わらないという結果が出たため、並列数を削減する提案を出すことを判断した様子です。これは、config スキルのガードレール「実証されたボトルネックだけを並列化する(Parallelize only proven bottlenecks)」に沿ったものです。並列数という設定値ではなく、単一ファイルという構造がボトルネックである以上、コンテナを増やしても効果は頭打ちになる、という判断です。
config スキルは入力として「最も遅いジョブ」「リトライ頻度」などのベースラインメトリクスを集めることを前提にしています。そのためCircleCI CLIなどを事前に設定し、スキル自体が CircleCI からライブでメトリクスを取得する仕組みを用意することで、データに基づいた分析が行えます。もし計測を行う準備がないリポジトリを対象とする場合は、config.yml の静的解析を重点的に行います。
診断から修正 PR まで任せる
config スキルのレビュー結果から続けて「修正の PR を作ってください」と依頼することもできます。
❯ はい。gh cliを使ってprを作ってください。
Ran 1 shell command
⏺ Update(.circleci/config.yml)
Added 1 line, removed 1 line
docker:
- image: cimg/node:22.14
resource_class: medium
parallelism: 4
parallelism: 2
steps:
- checkout
- node/install-packages:
Ran 1 shell command
Committed 2fbd2ac, pushed to reduce-parallelism-2, created PR #2
変更は parallelism: 4 を parallelism: 2 に置き換える 1 行だけで、診断で示された結論がそのまま diff に反映されています。ブランチ名(reduce-parallelism-2)で変更意図がわかるようになっており、レビューして問題なければマージできる状態で PR が作られました。
ここまでを通すと、診断・提案・適用・PR 作成までを一連の依頼でエージェントに任せられることがわかります。ただし PR はあくまで提案です。前述のとおり診断は手元の実測に依存するため、適用してよいかどうかの最終判断は人が行い、レビューのうえでマージしてください。
まとめ
CircleCI の公式スキルを Claude Code に導入すると、/circleci:config に .circleci/config.yml を渡すだけで、ボトルネックの要約から根拠つきの変更提案、想定効果、検証・切り戻し手順までを 4 部構成で受け取れます。今回の例では、並列数を増やしても速くならない構造を指摘し、parallelism を 4 から 2 へ下げる提案から PR 作成までを任せられました。
このようにCircleCIのスキルやCLIなどを活用することで、AIエージェントにCIの設定や現状について相談しやすくなります。実際のデータに基づいた分析なども、CircleCIが用意している CLI / APIなどでエージェントが収集可能ですので、ぜひ単発の分析ではなく、定期的な診断タスク化までご検討ください。
次のステップ
- Claude Code で
/plugin marketplace add CircleCI-Public/skillsを実行してマーケットプレイスを登録する -
/plugin install circleci@circleci-public-skillsでプラグインをインストールし、/reload-pluginsで有効化する -
/circleci:configに自分の.circleci/config.ymlの診断を依頼する - 提案の根拠を確認し、必要なら PR 作成まで依頼する
- 公式スキルのリポジトリ: CircleCI-Public/skills
- Claude Code のプラグイン導入方法: Discover and install prebuilt plugins