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ZABBIX 8.0 alpha1 を構築してみた (Rocky Linux 10 + PostgreSQL 18)

Last updated at Posted at 2025-12-01

0. はじめに

  • Qiita Advent Calendar 2025 ZABBIX-JP 参加記事であること
  • 今回のゴール:Zabbix 8.0 alpha1 の Web UI にログインできるところまで
  • 使用する構成
    • VirtualBox 7.2.4
    • Rocky Linux 10
    • PostgreSQL18
    • Apache2.4 (OS同梱)
    • PHP8.3 (OS同梱)
  • alpha 版のため変更される可能性がある旨の注意書き
  • 情報源(Zabbix 公式、PostgreSQL コミュニティ手順に準拠)

1. VirtualBoxでRockyLinux10を動かす際の落とし穴

1-1. VirtualBox 7.1.8 で発生したトラブル

  • x86-64-v3をサポートしていない?!
    20251116_163656_Zabbix_8.0_alpha1_[実行中]_-_Oracle_VirtualBox.png

  • x86-64-v3とは
    Intelのサイトで調べてみてもx86-64-v3という文言は出てこない。
    いろいろ調べてみたら、x86-64マイクロアーキテクチャレベル分類らしい。(ただし非公式の名称・・・え?)

  • x86-64-v3 に必須なフラグ
    x86-64-v3に対応しているか確認するにはどうしたらいいのかChatGPTに聞いてみたところ、次のCPUフラグが揃っていればx86-64-v3をサポートしているCPUとのこと。

    必須フラグ 意味
    avx2 256bit SIMD命令
    bmi1 ビット操作命令
    bmi2 高度なビット操作
    fma Fused Multiply Add
    movbe メモリのビッグエンディアン転送

    ※ 上記に加えてx86-64-v2の必須フラグ(sse3, sse4.1, sse4.2 等)は前提として含まれていること

  • HWiNF64で調べてみた
    20251116_172618_HWiNFO®_64_v8.34-5870_@_HP_HP_ProDesk_400_G6_Deskt.png
    ※ 画像にはbmi1とmovbeは表示されていないが、レポート画面をみるとちゃんとサポートしていた

1-2. x86-64-v3をサポートしているCPUなのになぜERROR?

GitHubのissuesに同じ事象が載っていた。(https://github.com/VirtualBox/virtualbox/issues/36)
なるほど、Hyper-Vが有効だとだめなのね。

20251116_174919_Windows_の機能.png

でも、無効化しても症状は変わらず…

VirtualBoxのチェンジログを眺めていると、
20251116_175822_Changelog-7.1_–Oracle_VirtualBox-_Brave.png
7.1.12で対応したのね。

また、7.2.0で修正もされているようだったので、思い切って最新版にアップデートしました。

1-2. VirtualBox 7.2 へのアップデートで解決

実はVirtualBoxのアップデートはよく失敗するんです、いろんなことが原因で。
最近、学びました。アンインストールしてからクリーンインストールすることを。

Extention Packをインストールしている場合には、予めアンインストールしてから本体をアンインストールします。ここで、Windowsのアプリからアンインストールするのではなく、VirtualBoxのインストーラーを使用してRemoveするほうがきれいにアンインストールできるみたいです。

あとは、いったんOS再起動してから、新しいバージョンをインストールします。これで無用なトラブルが発生することはほとんどなくなりました。

2. Rocky Linux 10 のセットアップ

2-1. 仮想マシンのスペック

項目 設定値
CPU 1コア (EFI: 有効)
メモリ 2GB
ストレージ 20GB
ネステッドVT-x/AMD-V 無効
オーディオ 無効
ネットワークアダプター1 NAT
ネットワークアダプター2 ホストオンリーアダプター
USB 無効

2-2. OSのインストールオプション

項目 設定値
ソフトウェア 最小限のインストール + 標準
KDUMP 無効
ネットワーク DHCP (IPv4, IPv6ともに)
root 有効 (SSH: 許可)
user 適宜 (wheel: 無効, パスワード: 要求)

2-3. セキュリティ設定

項目
Firewall 無効
SELinux 無効
  • テスト環境なのでファイアウォールとSELinuxは無効化する

    #ファイアーウォールの無効化
    systemctl disable --now firewalld.service
    #SELinuxの無効化
    grubby --update-kernel ALL --args selinux=0
    #OS再起動
    reboot
    

2-4. その他

  • OSアップグレードの実施

    dnf -y upgrade
    

3. PostgreSQL 18 のインストール

PostgreSQLでOSやバージョン、アーキテクチャを選択してセットアップスクリプトを表示します。最新のリポジトリでパッケージをインストールすることができます。

3-1. リポジトリ登録

  • コミュニティ版のPostgreSQLをインストールするためリポジトリを追加する

    dnf install -y https://download.postgresql.org/pub/repos/yum/reporpms/EL-10-x86_64/pgdg-redhat-repo-latest.noarch.rpm
    

3-2. パッケージインストール

RockyLinux10からDNF5を使用するため、modularityが廃止されている。そのため、OS同梱のモジュールの無効化は不要になっている。

  • postgresql18-serverのインストール

    dnf -y install postgresql18-server
    

3-3. 初期化

  • DBを初期化する

    /usr/pgsql-18/bin/postgresql-18-setup initdb
    

3-4. サービス起動

  • 自動起動の設定とサービスの起動

    systemctl enable --now postgresql-18
    

4. Zabbix 8.0 alpha1 のインストール

Zabbixで、プラットフォームを選択すると最適なセットアップスクリプトが表示されるのでこれを使用する。

20251116_163541_ダウンロード_8.0_PRE-RELEASE_for_Rocky_Linux_10_(amd64,_.png

4-1. リポジトリ登録

  • zabbix 8.0 のリポジトリをインストールする

    rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/8.0/release/rocky/10/noarch/zabbix-release-latest-8.0.el10.noarch.rpm
    

4-2. パッケージインストール

  • サーバー、Webインターフェース、Agent2のインストール

    依存関係でhttpd, phpなど必要なパッケージはインストールされる

    dnf install -y zabbix-server-pgsql zabbix-web-pgsql zabbix-apache-conf zabbix-sql-scripts zabbix-selinux-policy zabbix-agent2
    

     

  • 日本語言語パッケージの追加

    dnf install -y zabbix-web-japanese
    

zabbix-get, zabbix-sender, zabbix-web-serviceなどもちゃんと提供されている

4-3. DB作成

  • Zabbix用のDBを作成する

    #ユーザーの作成とパスワードの設定
    sudo -u postgres createuser --pwprompt zabbix
    #DBの作成
    sudo -u postgres createdb -O zabbix zabbix
    #初期設定
    zcat /usr/share/zabbix/sql-scripts/postgresql/server.sql.gz | sudo -u zabbix psql zabbix
    

4-4. zabbix_server.confの設定

  • DBのパスワードを設定する

    vi /etc/zabbix/zabbix_server.conf
    
    DBPassword=password
    

    "password" は、4-3で設定したパスワードに置き換えてください

4-5. サービス起動

  • 自動起動の設定とサービスの起動

    systemctl enable --now zabbix-server zabbix-agent2 httpd php-fpm
    

5. Webインターフェースの初期セットアップ

  • Webインターフェース http://IP-address/zabbix にアクセス

    20251116_213356_インストール_-_Brave.png

  • 前提条件のチェックですべてOKになっていること

    20251116_213620_インストール_-_Brave.png

  • データベース接続設定でパスワードを入力し、TLS暗号化は解除する

    20251116_213746_インストール_-_Brave.png

  • 設定でZabbixサーバー名を入力する

    20251116_213922_インストール_-_Brave.png

  • 設定パラメータの確認

    image.png

  • セットアップの完了

    image.png

  • ログイン確認 (ユーザー名: Admin, パスワード: zabbix)

    image.png

  • ダッシュボードの表示

    image.png

無事にインストールが完了しました。
ゲージ(メーター)はカッコいいですよねぇ。
時計はデジタルもいいですが、自分はアナログのほうが好きです。
インストール方法は全く変わっていないので簡単ですが、それよりも仮想環境やOS、MWのエラー対応のほうが大変ですね。

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