>この「難解」なライセンスに秘められた、エンジニアでなければ設定できない「譲れない条件」については、次回の記事で。
前回の記事(https://qiita.com/Cente_mw/items/5646277edd1c912568ce )より
PoCライセンスのニュースリリース、読んでいただけましたでしょうか? 「わかるかなぁ?わかんねぇだろうなぁ?」(故・松鶴家千とせ)
正直に言うと、わかって欲しいです!!!
【プレスリリース】販売20周年を迎えたCenteミドルウェア、スモールスタートを支援する、新ライセンス形態「Cente PoCライセンス」提供を開始 – 組込み開発技術ブランド「Cente」(https://www.cente.jp/release/4669/ )
組込屋にとって、「評価」「お試し」の段階で譲れないのは、
① もしかしたらCPUの性能、足りないかも?
② (この半導体難のご時世)このCPU買えるのか?将来性大丈夫か?
③ 実開発環境と違って制限されて、評価できないなんてことないか?
④ 評価したいけど、サポートしない!なんて言われないか?
⑤ 価格は安いに越したことはない。開発予算で払える範囲って少ないぞ!
ではないでしょうか?
正直、これまで、例えばTCP/IPを80万円という「定価」で販売しております。「定価」を公表しているミドルウェアメーカーが無かった20年前から「定価」を公表して販売し続けて参りました。
https://www.cente.jp/product/cente-middle/tcpip/tcp-ipv4/tcpipv4/
↑ここに定価書いてます。
もちろん、この「定価販売」も継続いたします。っというか、既存の方にとっては「定価販売」の方が条件に見合うと思います。(後述)
PoCライセンスでは、この定価80万円のライセンス品が、月々2万円で試せます。そして、最低契約継続期間を3か月としています。
なせ2万円なんだ? なぜ3か月なんだ? それぞれ理由があります。TCP/IPとFileSystem、HTTPで3パッケージ。この3パッケージで組込Webサーバが構築できます。TCP/IPとMQTTで、IoT端末構成できます。TCP/IPとCompactSSLとHTTPで、HTTPS通信環境が構築できます。ざっと書きましたが、「コア」と思われる「評価したい」機能って、1パッケージではなく2~3パッケージ必要なんですね。そうなると、3パッケージだと(80万円定価だと)2万円×3=6万円で実現できます。これ、開発の「その他」予算で消化できるギリギリラインじゃないか?っとエンジニア目線で考えたんです。10万円の捻出は無理だろう、、という感覚です。数万円ならば「試せる」と。
ちなみに、80万円のパッケージの2万円/月 というのは「定価の20%」を半年で、、という売り方側の(大人の)事情との兼ね合いもあります。
3か月の理由ですが、評価の為に契約して手元に来て、自分の環境にポーティングして、サポートも受けて動かして、自分のモノとして報告書にできるまで、、3か月ぐらいかかるんじゃないかと思っています。ですから、3か月。経験則の3か月です。
ここでまず、⑤はクリアしたことにしてください。
PoCライセンスは、月2万円で、商用利用以外のすべての事ができます。全てです。サポートも手を抜きません。【フル】です。
期間もどんなに長くてもOKです。どこまで開発を進めてもOKです。期間を切りません。用途を限定しません。
(ただし、たくさんの製品をたくさんのエンジニアで同時進行的に開発するのだけは、勘弁してください。PoCライセンスを複数契約ください)
PoCライセンスではCPUを限定しません。複数のCPU環境(基板環境)で試せる権利を取得できます。これで①、②、③がクリアでしょうか?
最後に④もクリアします。定価販売と全く同じ、開発エンジニアによるMailサポート「ダイレクトサポート」がついています。Mailベースになりますが使い方だけではなく、ソースコードマージ時のトラブルの相談であったり、パラメータに関する質問、通信パケットの解析などのトラブル対応なども【フル】で対応いたします。続く製品開発フェーズと同様に製品化・商品化を企画しているエンジニアを100%バックアップします。
前の記事で「サブスク」という言葉を使いましたが、毎月の支払をミニマムにしながら、何ら制限がない開発行為ができる。
もちろん、ソースコードですので著作権そのものをお渡しするものではなく、契約期間中の「使用権」をお渡ししています。
残念ながらPoCの開発テーマが中止になったときや、ミドルウェアの性能、サポートが期待外れであった場合には、契約停止していただいて、「使用権」を停止していただきます。
つまり、ソースコードを回収または破棄していただきます。「使用権」の対価としてのサブスクです。
PoCの成果が出て、商品化まで進んだ場合、ライセンスの買い直し(PoCライセンスの捨て)ではなく、そのままライセンスのフェーズを進めていただきます。
PoCフェーズの唯一の制限である「商用」を可能とする「製品開発フェーズ」の使用権を購入いただきます。
初年度定価の60%を頂き、年度毎に20%のサブスク契約となります。(80万円定価のパッケージならば、初年度48万円、次年度以降16万円という価格になります。)
これで、商用を含むすべての行為が可能になります。
ですが、使用権の契約ですので、毎年の更新契約が必要です。契約を解約すると、「使用権」が停止されます、つまり、ソースコードを回収または破棄して頂くという条件となります。サブスクですので。
え、それじゃ、毎年更新し続ける、、、いつまでも払い続けるモデルなのかよ!! それはないだろう!っとなると思います。支払い停止したら、ソースコードを破棄?製品化しているのにそんなことできるわけないじゃん! 私もそう思います。で、エンジニアが考えたライセンスである理由はココです。
「ソースコードは破棄できない、手元に持っておきたい、何かあった時に再開発したい」という要望と、契約更新をし続けるというコストとの狭間で考えたのが「量産フェーズ」という次のフェーズです。量産フェーズに移行するときに20%の更新料を一度だけお支払いいただき、それ以後、更新料はかかりません。ソースコードもそのままお持ちいただけます。ソースコードを手元にもてる、、という安心感は製品を開発するエンジニアに絶対に必要ですよね?
バイナリーだけあれば安心ではないですよね?(前の記事にも書きました)
ただ、このPoCライセンスシリーズのポリシーとして「使用権」に対する対価をバーターしているので、量産フェーズでは、ソースコードを「改変する権利」を停止させていただきます。ソースコードを改変しなければならない場合には、再度「製品開発フェーズ」に移っていただきます。
ふぅ。。。。。ご理解いただけましたか? エンジニアでなければ発想できないのでは?っと自負する部分も多々あります。
既にたくさんの方から問い合わせが来ております。嬉しい限りです。よく言われる「業界初(自称)」とかは申しません。でも、前例はないと思います。現状はまだ産声を上げただけです。既存の初期一括購入型のライセンスは20年かけて熟成してきました。このPoCライセンスも今後20年かけて?変化をし熟成していくものと考えています。ご意見をお聞かせください。
このライセンス形態を思いついたのは、先の記事に書いた通り、「信頼できる、これならば使っても良いと思うミドルウェア」に【どう出会うか?】っという点において、難題があることに気づきました。
これまで「まずは買ってみ!」っというたかびーな態度であった ミドルウェア屋 としまして、大いに反省し、
「まずはお使ってみてください。サポートの質や性能、品質をみてくだい。使えそうだったら、そのまま使ってください」
というコンセプトを形にしたかったのです。
最後になりましたが、既存の「定価販売」と、「PoC」の違いはご理解頂けましたでしょうか?
PoCは、20%で始まり、60%で商用ができ、20%で生涯量産ができる。合算するとなんと定価と同じ100%ではないですか!
それも、初期導入費用が20%という破格の安さ! これでは初期一括購入型の「定価販売」が白旗上げてませんか?っと言われることがあります。
素直に説明します。「定価販売」と「PoC」は、販売している 対象(価値観) が違うのです。競合しません。お客様が望む方を選んでいただけます。
「定価販売」においては、ソースコードと使用権、改変権の生涯利用の権利をイニシャル型で購入いただいています。
「PoC」においては、それぞれのフェーズで必要な 権利 を必要な段階で購入いただいています。
端的な違いは、PoCにおいて、量産フェーズに至った場合、「改変権」はありません。
本当に製品が安定して量産のみになった場合に、定価販売では改変権を持ったままですが、必須でしょうか?
必須という考えの方もおられるでしょう。不要と考える方もおられるでしょう。もちろん、予期せぬ事態に対する救済策も準備しています。
PoCでは、製品開発フェーズに戻る契約に移行することで改変権を再取得できます。(ただしサブスク契約となります)
さて、どちらが御社の開発スタイルに合っていますか? っという点です。
PoCは、既存の定価販売の利点・メリットを生かしつつ、必要な権利を厳選して初期導入のコストを最小限にして、「まずは使っていただく」から、「量産までちゃんと続けられる」ライセンスを実現したものです。
買ってください、から,使ってみてください へ。小さな一歩、でも大きな変化になることを期待しています。
このミドルウェアで技術を埋めてみようか、、と思われたら、、どうぞお問い合わせを。
ミドルウェア屋でした。。。
■今日の閑話
私たち「組込屋(エンジニア)」はどこへ行く シリーズ、後半はCente PoCライセンスの紹介が主になりました。Qiitaに商品説明を書くことに迷いもあったのですが、これが「技術の空洞化」に対する我々ミドルウエア屋の答えの一つであり、策定に際しては常に「私(エンジニア)ならこうなっていてほしい」という軸足を守ったつもりです。ただ、全てのエンジニアにフィットしているとまでは考えておらず、是非エンジニアのみなさんからのフィードバックを受けたく、記事とさせていただいたものです。Cente:
https://www.cente.jp/
お問合せはこちら:
https://www.cente.jp/otoiawase/
■次回
私たち「組込屋(エンジニア)」はどこへ行く?(その5)展示会でリアルに会いましょう! サポートの「中の人」と技術交流しましょう。
https://qiita.com/Cente_mw/items/89da7aa0886889baa20d