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データ活用の進め方 ~稟議決裁編~

Last updated at Posted at 2023-01-19

「データ活用」をキーワードにネットで検索すると、導入したツールの成功事例の記事を
よく見かけますが、「これからデータ活用を進めようとしている方」にとっては、
「どうやって導入するまでに至ったのか?」も気になるのではないでしょうか?

そんな「これからデータ活用を進めようとしている方」に向けて
弊社におけるデータ活用を進めるまでの道のりを
 * 目的設定編
 * 稟議決裁編
 * 導入編
 * 運用体制構築編
の全4回に分けてご紹介します。

「上手くいったこと」もあれば、「上手くいかなかったこと」もあるので、
ざっくばらんに書きたいと思います。

全4回のうち、本記事は「稟議決裁編」として、プロジェクトの目的を設定した後に
Salesforceのライセンス追加+Tableauの新規購入の稟議を決裁してもらうまでの
経緯をご紹介したいと思います。

要約

稟議決裁という会社にとっての投資の許可を得るためには、
データ活用をすることで「会社の成長」につながるロジックを作ること
が重要だと感じました。
特にツールを新規に購入する場合は、投資に見合ったリターンを得られるのか?という
問いに対する答えをしっかり用意しておく必要があると思います。

いざ、稟議書作成

「目的設定編」でご紹介したように、このプロジェクトの目的は、お客様からの声を
踏まえて、

過去経緯を踏まえて、お客様の状況にあわせた回答・提案をできるようにして、
お客様の満足度の向上を図ること

としました。
この目的を軸に、
 * 検討の背景
 * As-Is
 * 現状の課題
 * SalesforceおよびTableauを使ったTo-Be
 * マスタスケジュール
 * プロジェクト体制
 * 費用対効果
を資料にまとめ、上司にレビューを求めに行きました。
当時の私は今よりももっと未熟だったため、それなりに自信をもって臨んだのですが、
結果はボロボロでした。
その時のやり取りはこんな感じだったと思います。

私 :今までスプレッドシートとかを使って必死にいろいろ加工してましたが、
   Salesforceにデータを集めてTableauで可視化することで、お客様のInsightを
   素早く得られるようになります!
上司:で?
私 :ちゃんと構築ができれば、お客様の満足度の向上につながります!
上司:で?
私 :今までのスプレッドシートとの格闘がなくなるので、生産性が上がります!
上司:で?
私 :で!?

重要なのは、会社の成長

データ活用に関するプロジェクトは「お客様の満足度向上」や「従業員の生産性向上」が
キーワードになることが多いと思います。
この2つのキーワードだけを切り取って、いろいろ端折って言い換えてみると、
「今までよりは人手をかけずに、お客様の離反を防ぐことができる」
になると思います。

前述の上司の「で?」には、以下の3つの意味が込められていました。
 1. お客様の離反を防ぐことも重要だが、それだけでは現状維持にしかならない。
 2. 生産性の向上も重要だが、その将来は極端に言うと人員削減が待っている。
 3. 上記2点を踏まえて、継続的な投資に見合った会社の持続可能な成長は見込めるのか?

「会社の成長」にはいろんな解釈があると思いますが、一番わかりやすいのは
「売上UP」です。

SalesforceとTableauを使ってデータ活用をすることで売上UPにつながるのでしょうか?
このロジックを考えることが承認してもらえる稟議書を作成する上で最も難しかったことで、
最も重要なことだったと思います。

アウトプットイメージは有ったほうが良い

「稟議書」は会社によっていろんなフォーマットがあると思いますが、
一般的なのは文字がずらっと並んでいる味気ない文書ではないでしょうか。

文字だけを使って、Tableauの良さを伝えることは難しいです。
また、稟議書を読む人たちにとっても、文字だけではTableauの良さを理解することは、
難しいと思います。

なので、補足資料が付けられるのであればデータ活用のアウトプットイメージを
添付することにしました。
Tableauの場合、Tableau PublicというTableauで作ったダッシュボードが
無料で公開されているサイトがあるので、私はここからヒントを得て、
アウトプットイメージを作りました。

ただ、このアウトプットイメージも使い方を間違えると逆効果になることがあります。
本来ダッシュボードには「伝えたいストーリー」に沿って作られているので、
ストーリーのないアウトプットイメージを載せてしまうと、また「で?」と言われます。
私は言われました。

まとめ

なんやかんやで無事に稟議書も作り上げることができ、承認ルートもなんとか走り切って、
決裁を得ることができました。

稟議決裁のことを振り返ってもそうですし、運用を始めている今も感じていることですが、
データ活用をすることで会社の成長につながるロジックを作ること
は難しいのですが、とても重要です。
「業務効率化」や「生産性向上」の先にある世界をイメージすることで、
データ活用の幅も広がると思います。

最後に

本編で、ようやくSalesforceをベースとしたTableauによるデータ活用をすることについて
会社の許可を得ることができました。
ここまで来るのに一苦労で燃え尽きそうになるのですが、スタートラインに立っただけです。
次回の「導入編」では、導入プロジェクトを進めるまでに準備しておいて良かったことや、
苦労したこととその対応方法について触れたいと思います。

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