ファクター投資
マーケットのファクター(要因)を見つけ出し,そのファクターが大きい銘柄に投資することで適当に投資するよりも多くの利益を得ることを考えるのがファクター投資です.
株価のチャートなどで投資判断を決定するテクニカル分析よりも,長期的な投資決定に利用します.
アノマリーとファクターの違い
市場では9~10月株安,サザエさん効果,ジブリ法則など多くのアノマリーがあります.アノマリーとファクターの違いは,それらに「持続性」「普遍性」「安定性」が存在するかです.(ファクター投資入門より)
有名なファクター
有名なファクターモデルにはFama・Frenchの3ファクターモデルがあります.
3ファクターモデルでは,マーケットインデックス,サイズファクター,バリューファクターを用いて解析しています.ここではサイズファクター,バリューファクターを見ていきます.
サイズファクター
サイズファクターは簡単に言うと小型株は大型株よりも大きい利益をもたらすのということです.リターンとリスクはトレードオフの関係にあるため,大きいリターンを得るにはそれなりのリスクを背負う必要があります.サイズファクターでは,小型企業は大企業と比べて潰れやすいです.その会社が潰れるというリスクに対する期待リターンの恩恵によってサイズファクターが効いてきます.
サイズファクターは小型株:Smallと大型株:BigからSMB(Small Minus Big)と書きます.
バリューファクター
割安株は割高株よりも大きい利益をもたらすのがバリューファクターです.バリューファクターはPBR(Price Book-value Ratio)の逆数で計算できます.つまり,1株あたりの純資産を株価で割ります.
実験
日本市場において実験してみます.
SMB
累積収益率をみても時期によってはプラスの期間やマイナスの期間が入れ替わるので,サイズファクターは日本市場では効かないのだと思います.
HML
HMLは日本市場ですごく効いていることが分かります.バリュー株を選択するのとしないのとで,10年間で2倍近く変わります.
まとめ
アメリカの市場と比べて日本市場においては3ファクターが効きづらいと言われていますが,バリューファクターは日本市場でも役に立つことが分かりました.
明日はMaruyamaくんによる「Kent Beckの"Test-Driven Development by Example"を読んだので要約する」です。