あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!
新年なので、せっかくなので今年のグローバルの通信業界どうなるかなというので気になるトピックと勝手にコメントをしたいと思います。
1.5G・5G Advanced・6G
2019年からグローバルで始まった5Gですが、11月に出たEricsonのMobility Reportでは1.6 Billion(16億)回線となったようで、日本も総務省の発表では全国の5G人口カバー率は96.6%で、統計を見ると結構普及したように見えます。一方でドコモのネットワークつながらない問題もありましたが含め日本でもどのオペレータも28GHz帯の基地局数1%以下だったり、韓国オペレータが皆28GHz帯のカバレッジ目標達成できず高周波数帯返却になり5Gの特性として謡われていた高周波数帯を使うことの難しさだったり複数バンド帯のマネジメントの難しさが露呈した年だったなぁと思います。 まだまだ5Gのユースケースは何だ!?SAが広まらないと真の5Gじゃない?どうやって収益を上げるのか!?みたいな議論が走ってる中で、今年は3月にいよいよ3GPPで5G Advancedの仕様が確定するのもあり、来年の商用目標に向けての前哨戦が始まりつつあります。グローバルで5G Advancedの先陣を切ったのは中華勢と中東Du(5Gも最速1Gbpsをそうそうに謳ってた)でRedCap(IOTネットワーク)の秋のトライアル発表で、同じく中東STCもNetwork Slicingを5.5Gと発表し、その後HuaweiがAIをオペレーションに適用させて5.5Gのラインナップをいくつか発表して今年の本格リリースをアナウンスしてます。何が5G Advancedなのかよくわからない感じですが、5.5G/5G Advancedのプレスリリースは今年は結構出てくるのではないでしょうか。 一方で日本のオペレータ陣は来年の大阪万博で何か来るかが楽しみですが、少なくともSoftbankは2026年以降とインタビューで答えているし今年は5GとIOWNに注力するかなーと私は思ってます(もしくはオペレーションにAI適用で5G Advancedとするかも?)。 続いてその先の6Gですが、2023年12月に3GPPの6Gの標準仕様化を宣言しましたが、われらが日本のARIBも連携することが発表されていてWhitepaper等のリリースが今年は楽しみですね。ただ、これからの日本の通信回りの政策や技術革新は基本6Gと歌ってくると思うのでどれが本当に6Gに入ってくるのか、、
2.Enterprise Monetization (Network Slicing/ Private 5G)
NTTの年頭説明でも非通信系のARPU伸ばします!と出ていますが、エンタプライズのサービス拡大は変わらず今年も一大事だと思います。一昨年はNetwork Slicingで各ベンダからトライアルが走りましたが、去年のSlicingの商用例は結構ユースケースが限定的で想定していたような複数のユースケースを束ねるプラットフォーム/エネイブラー的な感じではちょっとなかったなぁと思います。Private 5Gと感じが似通ってきた。。。 日本のオペレータだと秋に発表されたKDDIとSamsungがスライシングアライアンスで何をするのかなーと楽しみですが、グローバルでは①ミッションクリティカルの公共ネットワークのスライスと②イベントのスライスの2つの発表が多かったかなぁという印象です。台湾勢の中華電信が救急車ネットワークのスライスだったり、VerizonもPublic Safetyでのスライス、Teliaは海軍のスライス。イベントはUSのRedbullイベントでのスライスとかもありましたね!ちなみにDeveloper向けのエコシステムが超整ってるAT&TはSlicingのAPIもDeveloper向けに去年公開したのでAPI回りの動き流石だなーと思いました。 一方でPrivate 5Gの発表も特に年の後半多かったなぁと思って、こちらのほうがユースケースが広かった気がします。Siemensの工場向けPrivate 5Gソリューションの拡販、Teliaの郵便局サービス、アメリカの米軍基地ネットワーク、あとは物流・鉱山等々いろいろ。。 どっちがどっちだという使い分けがイマイチわかってないのですが、Private 5G/Network Slicingで言えるのは公共ネットワーク・公共団体系のネットワークと、その国の主要企業のDxを進める中で出てくるユースケース、イベント系のユースケースが全般に多いのかなと思いました。 特にスライスはまだまだPOCのアナウンスも多いので今年何が出てくるのかな😊
3.Open RAN
去年はNTT DocomoのOREXが発表され、Rakutenに加えてDocomoもORANの海外展開が大きく打ち出されて日本からORAN打って出るぞ!という流れが大きく出てきました。一方でOpen RANは去年もなかなか導入が進まなかったですね。。というかRAN市場全体が去年はマイナス成長だったので厳しかったです。 そんななか年末にFujitsuのAT&T、NECの1&1でORANの発表があり今年はORANがついに来るか!?でもやっぱり市場予測は今年も厳しい。。。 うーん、上の2つに比べてORANは今年も苦しいだろう以外かけることは少ない。。 逆にOpen Transportのほうは400ZRの普及でNo Transponderの動きが進むと思うので、投資規模的には控えめかもしれませんがこっちのほうが動きそうな気がします。
4.NTN/ Satellite
去年はStarlink旋風が起こり、各オペレータもNTN/HAPSに対しての動きを前に出してきてアツいトピックになってきましたね。日本だとNTT/JSAT等のSpaceCompassの2025年HAPS商用化、楽天も2025年に衛星通信の商用化?等2025年がマイルストーンなところも多いので今年はその前哨戦かなと予想です。 一方でグローバルで見ると、ImmarsatがViasatに買収され衛星界のドンたちが統合、Echostarが衛星機器の老舗Hughesを買収したり等結構業界再編が行われました。こういう動きはStarlink対抗かなと思うのだけど、じゃあStarlinkが一人勝ちなのというと収益性がまだ。。。だと思うので衛星通信ビジネスの勝ち筋ってまだ見えないなという印象です。ASTMobileとかも損益微妙でしたし。あと衛星を通信ネットワークとして使う以上のユースケース(気象データとか?)からのビジネス拡大のほうが市場規模的に期待されてるのですが、衛星回りビジネスのユースケースももっと出てくるかなぁ。。 ちなみに衛星通信はルーラルエリアのカバレッジ対策だと思うのですが、途上国の農村の人が自前で衛星回線契約するには高すぎるので価格面で課題があるのもあり、その他にもいろんな動きがあって、①ネットワークシェア②IDB等開発銀行・政府主導で農村のカバレッジを頑張る専用オペレータ(Internet Para Todos等)③コミュニティネットワーク(アフリカ・USとか町でwifiひいてる)④ひたすらファイバー投資とかもあるので衛星とあわせて複合的な施策でカバレッジが改善されていくのでしょうね。ちなみにちょっと前に途上国オペレータの友達と話していると、通信技術がどうこうより電力の安定供給が最優先と皆いっていたので途上国のネットワークはまだまだいろいろある。。。
5.デジタルデバイド・店舗のオンライン化
4.でルーラルネットワークの話をしましたが、じゃあカバレッジが良くなったら皆平等かというと去年のMWCでアフリカでネットワーク引いているFrance Telecom/Orangeが「カバレッジがよくなっても人にどう使ってもらうかが課題」と言っていたのが思い出されるのですが、デジタルをどう使いこなせるかで情報格差や機会の格差が出てきます。 スマホの使い方に関しては、日本では携帯ショップが長年無料でシニア向け携帯講座とかやってきましたが(海外帰りとしては日本のショップはすごいなーと思っている)、コロナかでエンドユーザとの接点をオンライン化に倒す動きが加速して去年はNTTドコモを中心に携帯ショップを閉鎖する動きが加速しました。ショップはデジタルデバイド解消の役割とあと地方でのDx加速に向けた農村部とかとのタッチポイントとしての位置づけも大きいのでこのショップ閉鎖の動きは結構大きいなと思います。収益性は確かに。。。なので、ショップ閉鎖するよりショップでの体験とか有料化するとかして収益改善とかできないのかなと思ったりします。。。一体どこまで閉鎖するのか、そして閉鎖するからにはオンラインのExperienceのほうをどう改善するのか。。。
このあたりが気になるところの前半です。
続きは後半戦です。ぼやきに付き合って頂いてありがとうございました!