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OCI Load Balancer と Oracle Linux 9 でロードバランシングを体験 その2 ネットワーク(VCN)とVM作成・設定

Last updated at Posted at 2024-03-21

【お知らせ】この記事はこちらの記事と連動しております。

OCI Full Stack Disaster Recovery (FSDR) が Load Balancer 対応になったので試してみた

こちらの記事を試すための 事前準備 の方法をステップバイステップで記述したものであり、こちらで利用しているLoad Balancerと、Oracle Linux 9の構成を最速で構成する手順 です。

この一連の記事に沿ってリソースを作成するだけでも、OCIで Load BalancerOracle Linux 9Webサーバを構築して、ロードバランシングを体験することができます。

この記事は、その2 ネットワーク(VCN)とVM作成・設定 です。

この手順を完了すれば、OCI上に簡単なネットワークをつくり、コンピュートのVMインスタンスを作成し、そのインスタンスに外部(インターネット)からSSHでアクセスできるようになります。

目次

その1 はじめに
その2 ネットワーク(VCN)とVM 作成
その3 VM上の Oracle Linux 9 に apache、PHPインストール、設定
その4 Load Blancer 作成・設定
その5 オブジェクト・ストレージ、ブロック・ボリューム 作成・設定

の構成でお届けしています。

参考ドキュメントへのリンク

各リソースを作成するにあたって、より詳細なドキュメント、チュートリアルへのリンクを記しておきますのでわからないことがあればこちらを参考にしてください。

VCN、サブネット、セキュリティー・リスト等のネットワークリソースの作成

Oracle チュートリアル
その2 - クラウドに仮想ネットワーク(VCN)を作る
https://oracle-japan.github.io/ocitutorials/beginners/creating-vcn/

コンピュートVMの作成方法

Oracle チュートリアル
その3 - インスタンスを作成する
https://oracle-japan.github.io/ocitutorials/beginners/creating-compute-instance/

インスタンスへの接続

Oracle マニュアル
インスタンスへの接続
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/GSG/Tasks/testingconnection.htm

設定情報

Tokyo Region に以下のような ネットワーク(VCN) や、VMLoad Balancerの配置を行います。

image.png

VCN
名前: vcn01
 IPv4 CIDRブロック: 10.0.0.0/16
public_subnet
 IPv4 CIDRブロック: 10.0.0.0/24
private_subnet
 IPv4 CIDRブロック: 10.0.1.0/24
セキュリティーリスト
 イングレスルール 追加
  ソースCIDR: 0.0.0.0/0
  宛先ポート範囲: Port 80,433
インターネット・ゲートウェイ
 internet_gw01
デフォルトルート
 internet_gw01
VM
 instance-01
  Private IP: 10.0.0.101  
 instance-02
  Private IP: 10.0.0.102

リソース作成

仮想クラウドネットワーク = Virual Cloud Network (VCN)
コンピュート VM = Compute VM

の順序でリソースを作っていきましょう。

VCN 作成

VNC 作成開始

左上メニューアイコン(ハンバーガーアイコン)をクリック
ネットワーキング を選択
仮想クラウド・ネットワーク をクリック

image.png

VCNウィザードの起動

VCNウィザードの起動 ボタンをクリック
インターネット接続性を持つVCNの作成 を選択
VCNウィザードの起動 ボタンを押してVCN作成

image.png

image.png

VCN 作成画面

インターネット接続性を持つVCNの作成 画面に遷移します。

基本情報
 VCN名: VCN01
VCNの構成
 IPv4 CIDER ブロック: 10.0.0.0/16

パブリック・サブネットの構成:
 IPv4 CIDER ブロック: 10.0.0.0/24
プライベート・サブネットの構成:
 IPv4 CIDER ブロック: 10.0.1.0/24

を入力(もしくはデフォルトで入力されていることを確認)します。

(パブリック・サブネット、プライベート・サブネットの入力は、画面をスクロールダウンしないと見えない、入力できない場合があります)

上記の設定が問題なければ、[次] ボタンを押します。

image.png

image.png

image.png

VCN 作成確認画面

「リソースの可用性は正常にチェックされました」 のメッセージの後の
[閉じる] ボタンをクリック

VCNの名前や、VCN全体のCIDERブロックの値、パブリック・ネットワークのCIDERの値、プライベート・ネットワークのCIDERの値などの設定に問題ないことを確認し

[作成] ボタンを押してVCNを作成します。

問題なくVCNが作成されると「VCNが作成されました」や 「VCNの作成が完了しました」のメッセージをコンソール画面上で確認できます。

[VCNの表示] を押します。

image.png

image.png
image.png

VCN セキュリティー・リストの設定

VCNの詳細表示画面では

  • VCN全体のIPv4 CIDERブロックの値
  • パブリック・ネットワークのIPv4 CIDERの値
  • プライベート・ネットワークのIPv4 CIDERの値
  • デフォルトルート表

などの存在を確認できます。

左側 Resoueces のところに

  • ルート表(2)
  • インターネット・ゲートウェイ(1)

などが作られているのがわかります。

  • セキュリティー・リスト(2)

クリック して、セキュリティー・リストの設定を行います。

image.png

VCN セキュリティーリストにイングレス・ルール追加

Default Security List for VCN01 をクリック。

image.png

Default Security List for VCN01 のセキュリティ・リストの詳細が表示されたら
[イングレス・ルールの追加] ボタンを押します。

image.png

イングレス・ルールの入力

ソースCIDR: 0.0.0.0/0
宛先ポート範囲: 80,443
説明: http, https

と入力します。

これにより、インターネット上のどこからでも、ポート80、443を使いパブリックネットワーク上のリソース(コンピュートVM等)にアクセスできるようになります。

注意:セキュリティー設定を実施することは、設定に責任を持つ各個人や組織が事前に評価や検討を行い、実施の可否を決定する必要があります。当方は一切責を負いません。

最後に [イングレス・ルールの追加] ボタンを押してルールを追加します。

設定が完了すると追加されたルールをコンソール上で確認することができます。

image.png

image.png

VCN の設定は以上。

VM 作成

VM 作成開始

左上メニューアイコン(ハンバーガーアイコン)をクリック
コンピュート を選択
インスタンス をクリック

image.png

VM 情報入力

インスタンス名

インスタンス名: instance-01
を入力。

image.png

イメージとシェイプ

イメージ

  [イメージの変更] をクリック
イメージ名: ☑ Oracle Linux 9
  [イメージの選択] をクリック

image.png

image.png

シェイプ

[Change Shape] をクリック
  インスタンス・タイプ: 仮想マシン
 シェイプ・シリーズ: Ampere
  Shape Name: ☑ VM.Standard.A1.Flex
を選択。

image.png

image.png

Oralce Linux 9
VM.Standard.A1.Flex

が選択されていることを確認

image.png

プライマリVNIC情報

プライマリ・ネットワーク
 VCN: VCN01
 サブネット: public_subnet(リージョナル)
プライマリVNIC IPアドレス
 IPv4アドレス: 10.0.0.101

を選択または入力します。

image.png

SSHキーの追加

あらかじめSSHキーを作ってある場合は、SSH公開キーをアップロード、もしくはコピー・ペーストでOCIコンソール上に貼り付けることにより、VM作成時にSSH公開鍵を登録することができます。

(SSHキーの準備がない場合は秘密鍵、公開鍵両方をこのOCIコンソール上で生成、PCやMACなどの端末側にダウンロード、保存することができますが、秘密鍵はインターネット上を経由させないのが良いはずなので、このステップの前に、あらかじめPCやMACなどのローカルのマシンでSSHの秘密鍵、公開鍵ペアを作成し、公開鍵をOCIのこのVM作成画面でアップロードもしくは貼り付けるのが基本ではあります)

SSHキーの作成

ということで、SSH キーがない場合は以下のドキュメントを参考に、SSHキーを作ります。

SSHキーの作成
https://docs.oracle.com/ja/learn/generate_ssh_keys/index.html#introduction

PCにやMacなど端末側にある秘密キーで、Unix、Linuxのターミナルのシェルや、WindowsであればPuttyやTeratermなどのSSHターミナルソフトやWSLのLinux環境、Powershell上からsshコマンドで接続します。

Windows に WSL2Oracle Linux をインストールすると、ここでダウンロードしたキーをそのまま利用してクラウド上のVMにSSHできて便利ですしOracle Linuxがそのまま手元のPCで動くのでお勧めです。

  • Windows 10 や 11 の場合は WSL2 とその上で動くOracle Linux をインストール、ssh-keygen コマンドで SSHキーペアを作成するのがお勧めです。

  • Macであればターミナルからssh-keygen コマンドでSSHキーペアを作成可能です。

インスタンス作成ボタンを押してVM作成

SSHの秘密鍵をダウンロードできたら
[作成] ボタンをクリックしVM作成を行います。

image.png

インスタンスの作成が完了すると左上のインスタンスのアイコンがグリーンになり「実行中」と表示されます。

image.png

2つ目のVM

下記の情報に従って2つ目のインスタンスを作成します。
1つ目のインスタンスと同じ VM 作成手順 です。
1つ目のインスタンスと重複する手順の説明は省略します。

インスタンス名: instance-02
シェイプ: VM.Standard.E4.Flex
Private IP: 10.0.0.102

VMが正常に動作していることの確認

VM起動確認

OCI のコンソールから VMが2台とも正常に起動していることを確認します。
左上のナビゲーションメニューから、[コンピュート] > [インスタンス] を選び、クリックするとインスタンス一覧を確認することができます。
状態が実行中でグリーンになっている事や、パブリックIPが割り当てられていることを確認しましょう。

image.png

image.png

image.png

SSHでVM接続確認

SSHでVMインスタンスへの接続

OCI上に作成したVMインスタンスへSSH接続を行うにはこちらのドキュメントを参考にしてください。

インスタンスへの接続
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/GSG/Tasks/testingconnection.htm

Windows 10または11 での Oracle Linux 9 とMacOSからのSSH
  • Windows 10 や 11 の場合は WSL2 上で動くOracle Linux をインストールして使うのがお勧めです。

  • MacであればターミナルからSSH接続が可能です。

image.png

WSL を使用して Windows に Linux をインストールする方法
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/install

Oracle Linux 9 アプリダウンロード
https://apps.microsoft.com/detail/9mxq65hlmc27?hl=en-us&gl=US
https://apps.microsoft.com/detail/9mxq65hlmc27?hl=ja-jp&gl=JP

Macの「ターミナル」とは?
https://support.apple.com/ja-jp/guide/terminal/trmld4c92d55/mac

WSL で Oracle Linux 9 起動

WSL2と Oracle Linux 9 をWindows マシンにインストールしたら、Windows のスタートメニューから Oracle Linux 9 を起動します。

image.png

PC 上の Oracle Linux 9 や Mac の ターミナル上から ssh コマンドで コンピュート VM instance-01 や instance-02 のパブリックIPアドレスに接続します。

例えば、

ssh の秘密鍵: ssh-key-20yy-mm-dd.key
接続先 パブリック IP: xxx.xxx.xxx.xxx
ログインアカウント: opc

の場合は以下のようになります。

$ ssh -i ssh-key-20yy-mm-dd.key xxx.xxx.xxx.xxx -l opc
Last login: Thu Mar zz zz:zz:zz 2024 from yyy.yyy.yyy.yyy
[opc@instance-01 ~]$

今回2つのコンピュートVMはどちらもパブリックサブネットに配置し、パブリックIPを持たせてあるので、インターネット側から容易にアクセス可能となっています。

もちろん、VMなどのリソースをプライベートネットワーク上に配置し、踏み台サーバーやVPN、専用線経由でシステムをクラウド上に構成することも可能です。

インスタンスの起動確認と接続確認は以上です。

次の記事

その3 VM上の Oracle Linux 9 に apache、PHPインストール、設定  になります。

前の記事

その1 はじめに に戻る。

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