はじめに
この記事はServiceNowアドベントカレンダー2024の12月23日分の記事として執筆しています
ServiceNow for Microsoft Teamsの連携方法について説明します。
※バージョン:Xanadu
ServiceNow for Microsoft Teamsのついて、目的や機能を確認したい方は以下の記事をご参照ください。
連携方法
プラグイン
ServiceNow for Microsoft Teamsをプラグインします。
①すべて > システム定義 > プラグイン
②アプリケーションマネージャー > ServiceNow for Microsoft Teams
ServiceNow for Microsoft Teamsプラグインに含まれるアプリケーション |
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IT Service Management for Microsoft 365 |
HR Service Delivery for Microsoft 365 |
Notify Connector for Microsoft Teams |
Meeting Extensions for Microsoft Teams |
インストールとインテグレーション
1. Azureアプリのインストール
インストールする前にロールを確認しましょう!
ServiceNow | Admin, external_app_install_admin | Azure | グローバル管理者 |
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①すべて > ServiceNow for Microsoft 365 > Azure アプリのインストール
②Azure アプリのインストール > Microsoft Teams > インストール
③ServiceNow for Microsoft 365の内部アプリを許可する
Notify コネクタ | 従業員が任意のタスクレコードから直接 Microsoft Teams 会議を管理および開始できるようにします。 | 要求ベースのチャット | 従業員が任意のタスクレコードでエージェントとやり取りできるようにします。やり取りの内容がServiceNowにインポートされます。 | SSO およびアクティビティの通知 | 従業員が Microsoft Teams の [個人] タブから ServiceNow にサイレント認証できるようにします。ServiceNowのポータルにSSOアクセスできるタブを設定することができます。 |
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2. Azureアプリのインストール:インストールされたアプリの確認
ServiceNowでインストールした3つのアプリがAzureにインストールされていることを確認します。
①Azure Portalにアクセス
https://portal.azure.com/
②サービス「エンタープライズアプリケーション」に遷移
③「Notify Connector」がインストールされていることを確認
④「Request Based Chats」がインストールされていることを確認
⑤「SSO and Activity Notification」がインストールされていることを確認
3. Virtual Agentインテグレーション
①すべて > 対話型インターフェース > チャネルと統合
②「Integrate with Now Virtual Agent」を押下
③Now Virtual Agentをアクセス許可
④Now Virtual AgentとAzureのTenantIDが連携されていることを確認
⑤Teamsに通知が届くように設定
4. Virtual Agentインテグレーション:インストールされたアプリの確認
①Azureポータルにアクセス
https://portal.azure.com/
②サービス「エンタープライズ アプリケーション」にアクセス
③Now Virtual Agentがインストールされたことを確認
ServiceNow for Microsoft Teamsアプリの作成及び設定
1. Manifestファイル作成
①すべて > ServiceNow for Microsoft Teams > アプリケーションマニフェスト > ServiceNow for Teams
②「新規」ボタンを押下
③アプリ名、バージョン、説明を設定する
④「次へ」ボタンを押下
⑤単一、複数のテナントに接続
⑥タブ表示、タブ名を設定
⑦マニフェストをダウンロードする
2. Manifestファイルのアップロード
<ServiceNow for Microsoft 365アプリが存在しない場合、新しいアプリをアップロードする>
①Teams apps > Manage apps > Actions > Upload now app
<ServiceNow for Microsoft 365アプリが存在する場合、新しいバージョンをアップロードする>
①New versionの「Upload file」からマニフェストファイルをアップロード
注意
Microsoft Teams admin centerでmanifestファイルをアップロードした場合、反映まで1日程度かかる場合があります。
筆者の場合、翌日8:59に反映されました。
連携確認
①「・・・」を押下し、「ServiceNow for Microsoft 365」を押下
チャット
コマンド | 内容 |
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hi | ボットに挨拶し、会話を開始または終了します。 |
restart | 新しい会話を開始し、現在の会話を終了します。 |
logout | ServiceNowとのアカウントのリンクを解除します。 logout後に以下の操作ができる。 ・ゲストとして利用可能。 ・ServiceNowとのアカウントのリンクが可能 |
notification | 通知登録または通知登録解除を行う。 |
上記コマンド以外 | ユーザやナレッジ、カタログアイテム等の検索ができる |
Employee Center
①タブ「Employee Center」を押下し、Employee CenterにSSOアクセス
参考資料
公式ドキュメント
ServiceNow for Microsoft Teams および Microsoft 365
→ServiceNow for Microsoft Teamsの公式ドキュメント
デモ動画
ServiceNow for Microsoft Teams and M365 Integration
→ServiceNow for Microsoft Teamsのセットアップから簡単なデモまで確認できる動画
└22:20:セットアップ手順
ServiceNow for Microsoft Teams: Simple Use Cases and How to Get Started
→ServiceNow for Microsoft Teamsの利用方法について説明する動画
API権限
API Permissions related to Microsoft Teams integration: community
API Permissions related to Microsoft Teams integration: knowledge
要求ベースのチャットとSSOのためのServiceNow for Microsoft Teams の統合のAPI権限
通知コネクタおよびMeeting拡張機能のためのServiceNow for Microsoft Teams統合のAPI権限
→以下のアプリのAPI権限について記載されている記事
・Virtual Agent for Microsoft Teams
・Notify for Microsoft Teams
・Request Based Chat
・Tab SSO
セキュリティ関連
ServiceNowとMicrosoft Teamsのインテグレーションについて、セキュリティ観点で説明する記事
→日本語要約
ServiceNowとMicrosoft Teamsのインテグレーションは、セキュリティとユーザーのプライバシーに強く焦点を当てて設計されています。
APIの権限を慎重に管理し、強固なセキュリティ対策を実施することで、ServiceNowはTeamsから受信したデータが適切に処理されることを保証し、
不正アクセスやデータ漏洩に関連するリスクを最⼩限に抑えます。この慎重な管理により、組織は機密情報の管理を維持しながら、
Teamsのコラボレーション機能を活⽤することができます。
·データ管理とAPIパーミッション
Microsoft Teamsと統合する場合、ServiceNowはデータへのアクセスと管理⽅法を規定する特定のAPIパーミッションを必要とします。
これらのパーミッションは、委任パーミッションとアプリケーションパーミッションに分類され、それぞれ異なる⽬的で使⽤されます:
1. 委任パーミッション
これらのパーミッションは、ログインしているユーザーの代わりにアプリケーションが動作することを許可します。
例えば、以下のようなものがあります:
User.Read: User.Read: アプリがユーザーのプロフィール情報を読むことを許可します。
Chat.ReadWrite: Teamsからリクエストベースのチャットをインポートし、ユーザーに代わってメッセージを送信できるようにします。
Files.Read.All:ユーザーがすでにアクセス権を持っているファイルへのアクセスを許可し、機密情報を許可されたユーザーのみが利⽤できるようにします
。
2. アプリケーション権限
これらのパーミッションは、アプリケーションがユーザーの介⼊なしにアクションを実⾏することを許可します。例として以下が挙げられます:
Users.Read.All:アプリが組織内のユーザーの詳細を取得できるようにする。
OnlineMeetings.ReadWrite.All: オンラインミーティングの作成と管理に必要です。
Calls.InitiateGroupCall.All:ボットに代わって通話に参加者を招待できます。
·セキュリティ対策
ServiceNowは、MS Teamsから受信したデータを効果的に管理するために、いくつかのセキュリティプロトコルを実装しています:
アクセスコントロール: 統合により、チャットやミーティングに参加しているユーザのみが関連データにアクセスできるようになります。
例えば、エージェントがTeamsの特定のファイルにアクセスできない場合、それらのファイルをServiceNowにインポートすることはできません。
トークン管理: ServiceNowは、各ユーザのアクセストークンを安全に保管し、何度もログインプロンプトが表⽰されることなく、
シームレスな再認証を可能にします。このメカニズムには、セッションの有効性を維持するためのトークン更新の規定も含まれています。
なりすまし防⽌: なりすましに関連するリスクを軽減するために、ServiceNowは、ユーザがシステム内で他のユーザになりすまそうとしていることを検出した場合、特定のインポート機能を無効にします。
·データの流れと使⽤:Microsoft Teamsのデータは主に以下の⽬的で使⽤されます:
リクエストベースのチャット: ServiceNowはTeamsからチャットをインポートし、ServiceNowプラットフォーム内で直接サービスリクエストを促進します。
ミーティング管理: 統合により、ServiceNowから直接ミーティングを管理できるようになり、Teamsの機能を活⽤しながら、
トラッキングとレポート作成のために関連データをServiceNowに戻すことができます。