こんにちは。10分で生産的なミーティングができるWeb会議ツール「minmeeting」を開発している伊勢川です。
働き方改革が叫ばれる中で、ホワイトカラーの生産性を大きく左右しうる「会議の効率化」に着目する人は多くいるはずです。会議に関する書籍や記事は昔から世に溢れていますが、未だになくならないことからすると、まだまだ改善の余地が大いにあるのでしょう。
※写真 世にあふれる会議関連の書籍たち(minmeetingブログより)
会議のほとんどは無駄だと思われているにも関わらず、なくならずに増える一方。しかし、会議はうまくやれば、商談を成功に導いたり、一人では思いつきもしなかったような創造的なアイディアや問題解決方法を生み出すことがあります。つまり、この分野を改革することができれば、非常に効果が大きいということです。
私が所属するチームでは、会議の効率化のために、さまざまな取組をしてきました。チームで会議効率化の活動をはじめてから3ヶ月が経過し、データもそろって来たため、その実施内容と効果についてご紹介します。
実施した内容
1. minmeetingの導入
まずはきっかけづくりのためにこのツールを使いました。
ある日から突然、「今日から会議を短くしましょう」とか言い出すのはこっ恥ずかしかったり、会社の上層部が出るような会議ではなかなか言い出しづらいと思います。
私の場合は、「ちょっと面白い会議ツールを見つけたので使ってみましょう」と言って、やりやすいところから徐々に利用範囲を拡大していきました(実は自分が作ったツールなので自作自演ですが)。ツールの詳細は後ほどご紹介します。
7月中旬から使い始め、それから3ヶ月間で、100回会議を行いましたが、そのうち52回でminmeetingを利用しました。
その効果は後ほど詳しく紹介します。
2. 「無駄な会議なくし、生産性を上げるためにやるべき25のこと」を実践
タイトルに「会議時間が42.7%減、うち定例は68.8%減」と書きましたが、それはもちろんツールの導入だけで達成した訳ではありません。
ツール以外にいろいろ実践した内容は別の記事「無駄な会議なくし、生産性を上げるためにやるべき25のこと」(参考資料1)にまとめましたので、そちらをご参照ください。
効果と考察
まずは、全体の効果を数字でみてみましょう。
労働時間について
労働時間が50時間くらい減っていますが、これは会議時間とは直接関係ありません。夏休みや、出張中に通勤に時間がかかって会社に居る時間が減ったことなどが主な要因です。
会議時間と定例の時間について
4月~6月の間に74時間の会議をしていたのに対し、会議削減に取り組み始めたからの3ヶ月では、42.4時間まで減らすことができました。手を付けやすい身の回りの定例から会議削減に取り組んだため、約30時間の減少分のほとんどは定例の時間・回数削減によるものです。
会議の回数と1回あたりの平均時間について
会議の回数も3ヶ月前と比べて25.9%減らすことができました。これはツールの効果ではなく、地道な啓蒙活動の賜物です。会議が開催されるたびにどうすれば会社の生産性を上げることができるかという問いかけを続け、会議じゃなくて何をやるべきかに気づいてもらいました。
会議1回あたりの時間が40.9%短縮したことに関して、これはツールの効果が大きいです。minmeetingを導入した52%の会議では、9割程度が10分以内に終わるようになりました。時間短縮のために一番効果が高かったのがアジェンダと時計の機能で、経過時間と今何を話す時間かが表示されるだけで、ほとんどの人は時間通りに話をまとめてくれるようになりました。
労働時間に占める会議の割合
労働時間に占める会議の割合も3ヶ月前の13%から、8.7%まで減らすことができました。
なお、ご参考までに少し古いデータですが、2007年の調査(参考資料2)によると、日常業務の55%を会議関連の作業に費やしているとあります。55%は大げさだと思うかもしれませんが、管理職など職種によっては驚くにあたらない結果でしょう。それと比べると随分改善が進んで、本来業務に専念できるようになってきた実感があります。
会議時間の内訳と今後の注力ポイント
ここ3ヶ月の会議時間の内訳は下記のようになりました。
自分の身近なところの会議については、改善が進んだ結果、全社会議や全社朝礼など気軽に口が出しづらい会議の比率が相対的に高まってきました。しかし、関係者が多い分、そこを改善すれば効果も大きいため、避けては通れない道です。
また、採用関連の会議が一番時間を取っているとは、集計するまで気づかなかったので、今後は気をつけたいと思います。ふりかえると、気分転換も兼ねてまったりしてしまっていたので、ここはすぐ改めたいと思います。
そして、会議を短くするだけでは意味がありません。会議を生産的・創造的で意味があるものにするための活動と、そこで出たアイディアをきちんと実行に結びつけていく活動に、徐々にフォーカスを移していく予定です。
まとめ
ここ3ヶ月間の会議効率化の活動を実施したところ、会議時間・回数ともに大幅に削減することができました。すべてminmeetingの効果だと言いたいところですが、ツールはきっかけにすぎず、会議を改善するための地道な人間の活動が重要であることは間違いないでしょう。
地道とは言っても、具体的にやったことはツールを導入して、どのような会議のやり方がよいかを逐一問いかけて明確にしただけです。
時間とコストはほとんどかけずに、ちょっと意識を向けるだけで大きな効果が出せる分野です。ぜひ皆様のチームでもお試しください。
参考資料
- 伊勢川暁、『無駄な会議なくし、生産性を上げるためにやるべき25のこと』、2017年9月30日、qiitaの記事。
- 拙著ですが、会議を効率化するためにすぐできることをまとめた記事です。
- 佐藤正浩、『会議は変わる 成果を上げる7つの行動』、2008年8月25日、東洋経済新報社、P.19。
- 2007年1月に実施した「ビジネス・コミュニケーション調査」から引用。アンケートの設問はマイクロソフト株式会社が作成し、(株)日本能率協会総合研究所に登録しているFAX会員のうち従業員規模500名以上の企業に勤務する方に配布され1,207の有効回答数を得られている。
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