この記事は、Microsoft Power BI Advent Calendar 2024 12月17日担当分の記事です。
1. はじめに
1-1. カード vs KPI
以下のビジュアルでメトリックを作成しました。
- カード
- KPI
ご覧のように見た目は同じです。
どちらがよいか比較してみます。
1-2. やりたいこと
Introducing the 3-30-300 rule for better reportsを参考にして、3秒で把握できる メトリック を作りたい。
前年度に比べて今年度は
- 良くなったのか?
- 悪くなったのか?
- 変わらないのか?
ひと目でわかるようにしたい。
色分けは、テーマのセンチメントカラー
- 肯定的
- 否定的
- ニュートラル
を使いたい。
最後は、ダッシュボードにピン留めしたい。
2. ビジュアルの作成
2-1. サンプルデータ準備
- サンプルデータ
financials
をダウンロード - ファクトテーブル'FactFinancials'を作成
- 各ディメンションテーブル、日付テーブル'DimCalendar'を作成
- スタースキーマにする
- 以下のDAXメジャーを作成
Total Sales =
SUM( FactFinancials{ Sales} )
Sales LY =
CALCULATE (
[Total Sales],
SAMEPERIODLASTYEAR ( 'DimCalendar'[Date] )
)
Sales YoY =
DIVIDE (
[Total Sales] - [Sales LY],
[Sales LY]
)
VAR _UpArrow = UNICHAR ( 8599 )
VAR _DownArrow = UNICHAR ( 8600 )
VAR _RightArrow = UNICHAR ( 8594 )
RETURN
_UpArrow & " #,##0.0%" & ";" & // Positive numbers
_DownArrow & " #,##0.0%" & ";" & // Negative numbers
_RightArrow & " #,##0.0%" // Zero
2-2. カードビジュアルの作成
テーマの センチメントカラーを指定したい場合、以下のDAXメジャーを作成します。
Sales YoY Color =
SWITCH (
TRUE (),
[Sales YoY] > 0, "good",
[Sales YoY] < 0, "bad",
[Sales YoY] = 0, "neutral"
)
ビルドペイン>フィールドにSales YoY
を設定します。
書式ペイン>ビジュアル>吹き出しの値>カラー>スタイルの書式設定にフィールド値
、基準にするフィールドにSales YoY Color
を設定します。
2-3. KPIビジュアルの作成
センチメントカラーの中間色のしきい値を指定するために、以下のDAXメジャーを作成します。
KPI Lower = 0
KPI Upper = 0
前年度と今年度の差が0=中間色としたい場合、2つとも0を設定したらよいことがわかりました。 概ね横ばい=ゼロとしたいのでRound()で値を丸め込んでおきましょう。
ビルドペイン>値にSales YoY
、トレンド軸に日付テーブルの年度列FiscalYear
、ターゲットにKPI Lower
とKPI Upper
を設定します。ターゲットの設定が1つだと中間色が省かれて、正しい色と正しくない色の2色になります。
書式ペイン>トレンド軸>方向 で高いと良好
と低いと良好
を簡単に切り替えることができて便利です。例えば、COGS(売上原価)の場合、低いと良好
に選択することで正しい色と正しくない色を入れ替えてくれます。
3. まとめ
3-1. どちらがよい?
どちらも理解した上で選択すればよい
- KPI:センチメントカラーがデフォルト
- KPI:
高いと良好
or低いと良好
の入れ替え機能がある - KPI:中間色を使う場合はターゲットを2つ設定する
- カード:DAXメジャーでセンチメントカラーとターゲットと
高いと良好
or低いと良好
を全て指定する - カード:ダッシュボードにピン留めをすると 色が反映されない_| ̄|○
- 新しいカード:ダッシュボードにピン留めすると、色は反映されるが矢印が反映されない_| ̄|○
今回はセンチメントカラーと矢印を使用して、ダッシュボードにピン留めするメトリックを作成するために、KPI を選択しました。
3-2. 完成イメージ
参考