pmemd24とambertools25のインストール方法の記事の2026年度版です。
環境
以下の環境で確認しました。
- macOS 26.5.1 (tahoe), Apple Silicon (M1以降)
- ターミナルからHomebrewをインストールしてある
macOSへのインストール方法
ambertools26
2026年7月、macOSではHomebrewでインストールできるようになりました。
brew install brewsci/bio/ambertools
たぶんこれがAmberToolsをインストールするのに一番楽だと思います。ただし、pmemd26はインストールに手続きが必要なためこの方法ではインストールできません。
この方法でAmberToolsをインストールできない場合は、ソースコードからのインストール方法を解説します。
公式からソースコードのpmemd26.tar.bz2とambertools26.tar.bz2を入手していることが前提です。
以下インストール手順です。
- 2026年7月26日:Homebrewのデフォルトがgcc-16に変更された影響で、gfortran-16ではambertools26のビルドが失敗することを確認。ambertools26のビルドにはgcc-13を使うことが推奨される
- 最新のcmake 4.0が入っている状態では
-DCMAKE_POLICY_VERSION_MINIMUM=3.5を追加する
# macOSのHomebrewで必要なソフトウェアをインストールしておく。
brew install cmake gcc gcc@13 wget open-mpi gnu-sed
# ダウンロードしてきたソースコードをtar jxvfで解凍する
tar jxvf ambertools26.tar.bz2
cd ambertools26_src
# updateを実行する
# gnu-sedを利用して1行目のshebangを/usr/bin/pythonから/usr/bin/python3に変更
gsed -i -e "s/env python/env python3/g" update_amber
./update_amber --update
# cmake用のbuildディレクトリに入る
cd build
# gcc-13を一時的に使うための設定
ln -sf /opt/homebrew/opt/gcc@13/bin/gfortran-13 /opt/homebrew/bin/gfortran
###############################
# ここが最重要の設定。-DCMAKE_INSTALL_PREFIXにインストール先ディレクトリを指定する
# 下の例はホームディレクトリ以下のapps/ambertools26にインストールする設定。
# gcc-13を使っている場合、MPI=TRUEではうまく動作しないことがあるためFALSEにする必要がある
# 基本的にはbuild/run_cmakeの中に書かれているとおりに実行すれば良いが、最新のcmake 4.0が入っている状態では`-DCMAKE_POLICY_VERSION_MINIMUM=3.5`を追加することだけ必要。
###############################
AMBER_PREFIX=$(dirname $(dirname `pwd`))
cmake $AMBER_PREFIX/ambertools26_src \
-DCMAKE_INSTALL_PREFIX=$AMBER_PREFIX/ambertools26 \
-DCOMPILER=CLANG -DBLA_VENDOR=Apple \
-DMPI=FALSE -DCUDA=FALSE -DINSTALL_TESTS=TRUE \
-DDOWNLOAD_MINICONDA=TRUE \
-DFORCE_DISABLE_LIBS="boost" \
-DCMAKE_POLICY_VERSION_MINIMUM=3.5 \
2>&1 | tee cmake.log
ここで設定ミスによってconfigure incompleteになってしまった場合は、buildディレクトリの中で./clean_buildを実行し、設定を初期化してから改めてやり直したほうが良いです。
コンパイラ設定も確認してみます。
-- Compilers:
-- The C compiler identification is AppleClang 21.0.0.17000013
-- The CXX compiler identification is AppleClang 21.0.0.17000013
-- The Fortran compiler identification is GNU 13.3.0
2025年5月26日現在、Fortran compilerはGNU 13.3が推奨です。15以上ではコンパイルに失敗します。
Configureが正常終了していることを確認したらmakeとインストールを実行します。
# Configureが正常終了していることを確認したらmakeとインストールを実行する
make -j8 install
インストールが終わったら、AMBERのプログラムコマンドをいつでも使えるようにするために、~/.bash_profile(echo $SHELLと打ってみて最後がbashの場合)または~/.zshrc(echo $SHELLと打ってみて最後がzshの場合。macOS Catalinaを使っているヒトはzshがデフォルトになっているはず)のどちらかのファイルに(なければ作成する)、以下のように書き込みます。
# for ambertools26
test -f ${HOME}/apps/ambertools26/amber.sh && source ${HOME}/apps/ambertools26/amber.sh
これでターミナルの起動時にambertools26のコマンドがいつでも使えるようになっているはずです。ターミナルを再起動してみたときにecho $AMBERHOMEと打ってみてAMBERをインストールしたパス(/Users/username/apps/ambertools26みたいな感じ)が表示されれば成功です。
$ echo $AMBERHOME
/Users/moriwaki/apps/ambertools26
$ which cpptraj
/Users/moriwaki/apps/ambertools26/bin/cpptraj
pmemd26
# macOSのHomebrewで必要なソフトウェアをインストールしておく。
brew install cmake gcc gcc@13 wget open-mpi gnu-sed
# ダウンロードしてきたソースコードをtar jxvfで解凍する
tar jxvf pmemd26.tar.bz2
cd pmemd26_src
# updateを実行する
# gnu-sedを利用して1行目のshebangを/usr/bin/pythonから/usr/bin/python3に変更
gsed -i -e "s/env python/env python3/g" update_amber
# cmake用のbuildディレクトリに入る
cd build
# run_cmakeファイルの中のやり方に、-DCMAKE_POLICY_VERSION_MINIMUM=3.5を追加。
AMBER_PREFIX=$(dirname $(dirname `pwd`))
cmake $AMBER_PREFIX/pmemd26_src \
-DCMAKE_INSTALL_PREFIX=$AMBER_PREFIX/pmemd26 \
-DCOMPILER=CLANG -DBLA_VENDOR=Apple \
-DMPI=TRUE -DCUDA=FALSE -DINSTALL_TESTS=TRUE \
-DDOWNLOAD_MINICONDA=FALSE -DBUILD_PYTHON=FALSE \
-DBUILD_PERL=FALSE -DBUILD_GUI=FALSE \
-DPMEMD_ONLY=TRUE -DCHECK_UPDATES=FALSE \
-DCMAKE_POLICY_VERSION_MINIMUM=3.5 \
2>&1 | tee cmake.log
# Configureが正常終了していることを確認したらmakeとインストールを実行する
make -j8 install
# for pmemd26
test -f ${HOME}/apps/pmemd26/amber.sh && source ${HOME}/apps/pmemd26/amber.sh
Ubuntu 24.04の場合
aptで依存パッケージを入れます。
sudo apt -y update
sudo apt -y install tcsh make cmake gcc gfortran flex bison patch bc xorg-dev libbz2-dev wget
使用するCUDAのバージョンは12.8にしておくことが強く推奨されます。この記事を執筆している時点では、pmemd26のCUDA対応は12.8までしか行われていません。それにもかかわらず、最新世代のBlackwell GPUを使う場合はCUDA12.8以上でなければなりません。例えば12.6ではpmemd.cudaやCUDAによる高速化が
以下、cmakeインストール時に確認することです。
- インストール先は
-DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<path>で設定する。 - GCCはUbuntu 24.04のデフォルトであるversion 13.3.0を使用し、
-DCOMPILER=GNUでGNU Compilerによるコンパイルを指定する。 - OpenMPIを利用する場合は、この記事などを参考にして
aptまたはソースコードからのインストールを行っておき、PATHが通った状態で-DMPI=TRUEを設定する。 -
CUDAを使ったMDシミュレーションは最大10倍近く高速なので、
aptなどであらかじめ入れておき、-DBUILD_CUDA=TRUEとする。
ambertools26のインストール方法
tar jxvf ambertools26.tar.bz2
cd ambertools26_src
# アップデートを実行しておく
sed -i -e "s#env python#env python3#g" update_amber
./update_amber --update
# cmake用のbuildディレクトリに入る
cd build
# すでにビルドしたことが会った場合、クリーンアップしておく
./clean_build # yを押してクリーンアップ
# ここからcmake処理
AMBER_PREFIX=$(dirname $(dirname `pwd`))
cmake $AMBER_PREFIX/ambertools26_src \
-DCMAKE_INSTALL_PREFIX=${HOME}/apps/ambertools26 \
-DCOMPILER=GNU -DMPI=TRUE -DCUDA=TRUE -DINSTALL_TESTS=TRUE \
-DDOWNLOAD_MINICONDA=TRUE -DBUILD_PYTHON=TRUE \
-DBUILD_PERL=TRUE -DBUILD_GUI=FALSE -DCHECK_UPDATES=TRUE \
2>&1 | tee cmake.log
# Configureが正常終了していることを確認したらmakeとインストールを実行する
make -j8 install
pmemd26のインストール方法
tar jxvf pmemd26.tar.bz2
cd pmemd26_src
# アップデートを実行しておく
sed -i -e "s#env python#env python3#g" update_pmemd
./update_pmemd --update
# アップデータが動作するように書き換える
sed -i -e "s#update_amber#update_pmemd#g" cmake/AmberUpdater.cmake
# cmake用のbuildディレクトリに入る
cd build
# すでにビルドしたことが会った場合、クリーンアップしておく
./clean_build # yを押してクリーンアップ
# ここからcmake処理
AMBER_PREFIX=$(dirname $(dirname `pwd`))
# もしNCCLを有効化したいときは環境変数NCCL_HOMEを設定し、-DNCCL=TRUEにする。
# export NCCL_HOME="/path/to/apps/nccl/2.7.3"
cmake $AMBER_PREFIX/pmemd26_src \
-DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/home/apps/pmemd26 \
-DCOMPILER=GNU -DMPI=TRUE -DCUDA=TRUE -DINSTALL_TESTS=TRUE \
-DDOWNLOAD_MINICONDA=TRUE -DBUILD_PYTHON=TRUE \
-DBUILD_PERL=TRUE -DBUILD_GUI=FALSE \
-DPMEMD_ONLY=TRUE -DCHECK_UPDATES=TRUE \
2>&1 | tee cmake.log
# Configureが正常終了していることを確認したらmakeとインストールを実行する
make -j8 install