はじめに
Adobe Campaign Classicを長年利用していると、オペレーター(利用ユーザ)の棚卸しが必要になる機会があります。
オペレーターを削除しても問題ない?というお問い合わせをいただくことがありますが、Adobe Campaign Classicの仕組み上、ワークフローを実行する際に、ワークフロー実行者が適切な権限を持っているかチェックが走るので、オペレーターの無効化/削除をする際は注意が必要です。
(特にスケジューラーアクティビティで定期実行しているワークフローは、スケジュールされた実行タイミングの度に権限チェックが走るので、昨日まで動いていたのに、今日特定のオペレーターを削除したらワークフローがエラーになっていた・・・ということが起こります)
今回は、オペレーターを無効化/削除する際に気をつけておきたいポイントとして、ワークフロー実行ユーザの移行方法を紹介します。
うっかりオペレーターを削除して、必要なワークフローが失敗していた!、メールが送れなかった!!という事態を未然に防ぐためにも、本手順を参考の上、オペレーターの棚卸しを行ってください。
本手順は以下の環境を前提としたものになっております。
・Adobe Campaignバージョン情報:9352(日本語環境)
・対象環境:Managed/Hybrid/On-Premise
オペレーターを無効化/削除した場合の影響
冒頭でも触れた通り、Adobe Campaignの製品仕様として、ワークフロー実行時に実行オペレーターの有効性(オペレーターの存在有無、権限の有無)をチェックします。
そのため、繰り返し実行されているワークフローを「実行した」オペレーターを無効化/削除すると、ワークフローがエラーになります。
エラーメッセージ:
ログイン「xxxxx」を使用して接続できません。適切なログインであること、およびアカウントが有効であることを確認してください。ワークフローを停止する場合は、条件なしの停止を使用してください。
予期せぬワークフローの停止を防ぐためにも、オペレーターを無効化/削除する前に、ワークフロー実行ユーザを移行してからオペレーターの無効化/削除を行ってください。
ワークフロー実行オペレーターの変更方法
ワークフローイメージ
無効化/削除対象者が実行したワークフローを抽出し、有効なオペレーターに更新するためにはクエリアクティビティとデータを更新アクティビティでデータを更新します
1. クエリアクティビティによる対象抽出
左のターゲティングパレットより、クエリアクティビティをドラッグ&ドロップします。
クエリアクティビティを開き、「クエリを編集...」をクリックします。
ターゲティングディメンションのフォルダアイコンをクリックし、ワークフローへのログイン(xtk)[xtk:workflowLogin]を検索し、選択します。
フィルター条件指定画面でフィルター条件の式にフォーカスを当てると右端に「式を編集」アイコンが表示されます。
アイコンをクリックすると「式を選択」ポップアップ画面が表示されるので、「オペレーター」を選択して「完了」ボタンを押下します。
次に値を指定します。
値には、無効化/削除予定のオペレーターの「名前(ログイン)」を手入力で指定します。
式、値 共に入力が完了したら、「完了」ボタンを押下してクエリアクティビティの条件指定を終え、設定を保存します。
オペレーターの「名前(ログイン)」は
管理 > アクセス管理 > オペレーター
から対象のオペレーターを検索し、確認してください。
2.データを更新アクティビティによるワークフロー実行者の更新
左のターゲティングパレットより、クエリアクティビティをドラッグ&ドロップします。
データを更新アクティビティを開き、操作タイプは「更新」を選択します。
更新するディメンションは「ワークフローへのログイン(xtk)[xtk:workflowLogin]を検索し、指定します。
続いて、更新するフィールドを指定します。
「宛先」の入力ボックス右の「式を編集」アイコンをクリックし、開いたポップアップ画面内のオペレーター(login)をクリックします。
「ソース式」には、今後ワークフローを実行するオペレータの「名前(ログイン)」を手入力で指定します。
設定が全て完了したら「OK」を押下し、ワークフローの設定を保存します。
3.ワークフローの実行
設定が完了したら、ワークフローを実行します。
無効化/削除予定のオペレーターが実行したワークフローの実行者が、新しいオペレーターに切り替わります。
ワークフローのログも確認し、データが更新されていることも確認することをお勧めします。
また、作成したワークフローのクエリアクティビティのみ実行し、無効化/削除対象のオペレーターが実行したワークフローがないことも確認すると更に良いです。
利用ユーザの棚卸しも定期的に必要ですが、棚卸しの前には上記手順で事前にワークフロー実行者の移行を行ってください。
なお、ワークフロースーパーバイザーの設定など、オペレーターが直接指定されている場合もありますが、本記事の内容では対象外になりますので、個別に確認・設定変更をお願いします。
おわりに
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