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生成AIを活用して身近な業務課題を解決する

Last updated at Posted at 2025-07-17

まずは現状の課題を確認

50代でデジタルに向かい始めた「あすとやす」と申します。
会社の経営企画部門での業務に従事しており、業務の多くはヒト同士のコミュニケーションなので、デジタルを活用した業務改善の余地はなさそうなのですが、実務上での手作業の負荷が大きな「社内会議体の運営」を対象に改善に取り組むことにしました。
会議準備~終了後の事務手続まで連綿と業務が続くのですが、特に時間がかかっているのが会議関係者への連絡と事前資料確認で、影響範囲の広い資料確認に着目することに。会議資料は「Wordフォーマットの表紙」+「補足説明用」の構成で、表紙を一通り説明した後で必要に応じて補足説明する流れとなっています。
同じ様な案件でも、簡潔な説明と十分な討議を経てスムーズに承認される一方で、資料不備がきっかけとなる質疑や議論の迷走などで無用な時間を費やす案件もあります。事前に事務局でチェックを行い、提案者と確認・修正依頼を行うものの、限られた時間の中では十分な確認ができず、ある程度まで生成AIに任せされないかと考え、今回の取組みにいたりました。

どの生成AIを使うか比較

実際の討議資料でないと正しく効果が測定できないので、機密情報を扱える社内環境下のCopilotを利用することにしました。
マイクロソフト社の説明資料でも、Copilotの安全性を説明してくれています。

Qiita②-0_Coの安全性.png

 
せっかくなので、生成AIに指示を与えるプロンプトを生成AI自身に考えさせたいと思います。
さらに、複数の生成AIに作業をさせて結果を比較することでより効果を高めることに。
まずはchatGPTで以下の問いかけを実施。

Qiita②-1_ChatGPTへの問いかけ.png

 
早速、以下のプロンプト例が帰ってきました。

Qiita②-2_ChatGPT結果.png

 
さらに進化させたいとファイルの共有を提案されましたが、外部環境の生成AIなので共有はしません。

Qiita②-3_ChatGPTファイル要求.png

プロンプトを進化させてよりアウトプットの質を高める

今度はCopilotに聞いてみました。
同じプロンプトが帰ってきたことで両ツールに優劣はないと考えられるので、以後はCopilot環境下でプロンプトの質を高めることにします。

会議中に表紙だけで説明を完結させるのは現実的でないので条件を緩めることにします。

Qiita②-4_Co更とい.png

 
修正版が提示されました。
「すぐに確認に入ります」となった一方で、会議の種類や出席者属性を共有すると より的確なFBが可能と提案してきています。
より良いアウトプットのために、自分が気付いていなかった要素を補完してくるのは流石。

Qiita②-5_Co結果②.png

 
条件を入力したことで最終版が提示されました。このプロンプトで進められそうな気がします。結果が不十分ならこれまでの手順を繰り返せばよいだけです。

Qiita②-6_Co最終.png

 
ファイルを共有する前に、Copilotが参照・処理する情報の範囲を「職場」に切り替えておくことを忘れずに。

Qiita②-7_Co切替.png

実データで検証してみた

まずは討議・決議ともに円滑に進んだ議案で生成AIの効果を確認することにしました。
結果は以下の通りです(個別内容は非表示にしています)

Qiita②-8_議案1回答.png

 
ざっと見ただけでも
 ・表紙だけで議案概要・背景・目的・実施内容などが完結しており、
  投資判断に必要な情報は把握可能
 ・両資料を通じて経営層が迅速に判断できる構成になっている
 ・表現も一貫しており、曖昧な記述は見受けられない
と項目毎の評価も高く、「総合評価=非常に良好」となりました。
会議当日の議論が円滑に進んだのも当然の結果かと改めて思います。
 
次は、説明の途中で質問が入ったり、討議が本筋から外れるなど迷走した議案で実施。
結果は以下の通りです(個別結果は非表示にしています)

Qiita②-9_議案2回答.png

先ほどの議案とは一変して
・表紙と補足資料で表記に差異があり、曖昧な箇所が見受けられる
・開発背景は表紙に記載されているが、■社ではなく▲社を選定した
  理由が省略され、補足資料の中にしか記載がない
・契約締結なのか開発着手なのかが曖昧
など、「単体では実施判断な情報が不足している」との結論になりました。

この成果をメンバーで共有してみよう

初見の資料であるにも関わらず、生成AIはあっというまに資料の過不足や留意点を指摘してくれでおり、非常に有効であることがわかったのでこの経過・結果をメンバー内で共有したいと考えました。
複数のメンバーが参加できる上に履歴も確認できる LINE がお手軽なのでLINE Botに Azure AI FoundryというMicrosoftのサービスを経由してChatGPTの機能を利用した事例をみつけたので、早速試してみようかと思います。

簡単にプログラムを作成できるツールとして、いつも Make のお世話になっています。
まずは基本のやり取りとなるLINEBotを設定。LINEモジュールも仮で設定しておく事に。

Qiita②-10_LINEBOT.png

記事で紹介された手順に従って間に、Azure AI Foundry を差し込むにあたり、
機能の確認が最初目的なので、一番軽量の gpt-4-1-mini を採用します。

Qiita②-11_LINEBOTの中身.png

LINEモジュールが追加した OpenAI のメッセージを返せるように設定完了。

Qiita②-11_LINEBOTの中身②.png

早速LINEで試してみる事に。似たような返答が帰ってきました。

Qiita②-12_LINE問いかけ.png

前回と同様に条件の追加を実施してみることに。

Qiita②-13_更といの結果.png

??? これまでの Copilot や ChatGPT とレベルが異なる回答に混乱。
OpenAI がうまく機能しない理由を OpenAI に質問してみるという、
自分でもよくわからないことをやってみると
「LINE Bot や Azure AI Foundry 経由で呼び出される GPT は、一問一答型で動作している場合が多く、会話のコンテキストを保持せず 常に新しい会話として処理されてしまいます。 履歴を保持する仕組みを開発側で追加する必要があります。」
との回答。
活用するには、自分自身のレベルアップだけで何ともなりそうもなく、この試みは一旦塩漬けにすることにしました。

感想や今後の可能性など

LINEを使っての共有化は実現できなかったものの、生成AIが指摘した事項は会議当日に参加者が質問・討議した箇所と同じだったので、事前にチェックして修正しておくことで無駄な議論をせずにすむことが可能でした。
討議が逸れて本筋に戻るまでかかった時間が約10分なので20人で200分のロス。
時間換算での金銭面の損失以上に、時間が限られている重要会議体の中で有意義な議論が尽くせなかったことが非常に残念。
作業面でも、事務局との共有前に提案者がチェック・修正することで、双方の確認作業とやり取りがなくなります。
1議案あたり30分・月あたりの議案数で換算すると約10時間の削減に相当し、担当者の残業も抑制できます。

2議案の結果を事務局担当に見せたところ、
「生成AIでここまでできるようになったのですか」
とひとしきり感心し、
「運用に乗ればお互い楽になるし、更にAIが資料を直してくれないかなあ」
との事で、Copilotのドラフト作成提案に乗ってみましたが期待外れの出来栄え。
Copilotのバージョンアップやプロンプトの工夫など課題はまだまだありそうです。

今回は生成AIの効果と可能性を確かめることができました。
他の議案をどんんどん試してプロンプトを進化させ、運用に乗せることができるレベルにしたいと考えています。

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