こんにちは!先日、先輩エンジニアに「もうすぐ新卒じゃなくなるね」と言われ、思わずゾッとした長江です。
今回は、新卒研修を経て案件配属後に感じた課題を振り返り、特にテストについて学習したことが私の考え方に与えた影響や、AI時代を生きるエンジニアとしての考え方の変化について詳しくお伝えします。
エンジニアを目指している方やこれからエンジニアになる方に、リアルな1年目を知ってもらい、何かしら気づきを得てもらえれば幸いです。
入社前の考え方:直感的で行動重視
入社前の私は、「論理的に深く考えること」が苦手で、直感的に行動するタイプでした。
例えば、なぜその方法を選んだか問われても「なんとなく、直感っす!」という回答が多く、深く考えるのをめんどくさがり避けていました。そのため卒論や修論には苦労しましたが、行動力だけはそこそこあったので、UberEatsの配達員をしていた頃には、自分で荷物管理アプリを作ることを思いつき、アプリ開発経験もないのに即座に開発を始めていました。
当時の考え方は
• 興味のあることにだけ積極的
• 論理的思考よりも直感的行動
• 自分が面白いと思うものを作りたい
という感じでした。
こうした性格から、大学院を卒業しさえすればエンジニアになって「深く考えずにコードを書くだけでいい」という甘い考えを持っていました。
研修で変わった考え方:ユーザー目線へのシフト
入社後の研修で特に影響を受けたのは、スクラムを用いたアプリ開発研修でした。
チーム内でバックログの優先順位づけで意見が対立し、ユーザーが本当に求める価値を深く議論したことで、今までの「自分が面白ければいい」という考えが変わりました。
ユーザー目線で価値を考えることの重要性を知り、「ユーザーに本当に価値のあるものを提供したい」という強い意識を持つようになりました。
また、アプリの機能が少しずつ増えたり画面が増える過程を見守る中で、自分たちが頑張った分だけアプリが成長する様子が視覚的にわかり、すごくワクワクしました。この経験がきっかけでバックエンドよりもフロントエンドに特化していきたいと考えるようになりました。
研修終了後の考え方の変化は
• ユーザーが求める価値を追求する意欲が高まる
• 視覚的に成果が見えるフロントエンド技術に特化したい
• 個人で深く考えるのはまだ苦手だけど、チームで協力して考えるのは好き
というように変化していきました。
配属後に変化した考え方:考えることの重要性とテストへの深い気づき
実際に案件に配属されて、私は大きな壁に直面しました。それは、フロントエンドだけではなくバックエンドやインフラ、テスト、仕様書作成まで、多岐にわたるタスクを担当する必要性です。
はじめは領域の広さに絶望を感じましたが、先輩から「江戸時代しか知らない歴史の先生はいないでしょ?」とアドバイスをいただいて「幅広く知識を持つことがプロのエンジニアとして必要だ」と納得し、広く学ぶことを受け入れるようになりました。
また、業務を進める中で「コードを書く時間」よりも「考える時間」が圧倒的に長いことに気づきました。曖昧な仕様を明確にするプロセスや、仕様書をテストベースとして考える作業が多く、エンジニアとは技術力だけではなく思考力が不可欠だと実感しました。
テストが私にもたらした変化
特に私に大きな影響を与えたのが「テスト」です。正直なところ、最初はテストの価値をあまり理解しておらず、「なぜテストをするのか?」という問いにも答えられませんでした。
しかし、ある日先輩から「テストは大きな費用対効果が期待できるし、開発者のレベルを高めるためにも行うんだよ」と教えていただいたことをきっかけに、初めてテストの重要性に気づきました。
テストを強く意識して業務を行うようになってから、曖昧だった仕様を明確にしようとする姿勢が自然と身につきました。以前は主語や目的語を省いたり、なんとなく仕様を書いてしまう癖がありましたが、「これは誰のための機能か?」「何を目的にしているのか?」を常に意識するようになり、結果として要求仕様書を書く力や、きれいなコードを書く力が向上したと実感しています。
また、以前は「AIがコードを書けてしまうから、自分の仕事が奪われるのでは?」という漠然とした恐怖感がありました。しかし、テストを通じて『価値や目的、振る舞いを考える力』の重要性に気づき、それはAIではなく人間が担うべき大切な役割だと感じるようになりました。そのため、今ではAIに対する不安が減り、AIと共存してエンジニアとして活躍していきたい!と前向きな考え方に変わりました。
現在の考え方とこれからの目標
現在の考え方
• 幅広い知識を持つ重要性を認識
• 技術力だけでなく考える力やコミュニケーション力が重要
• AI時代に必要な「価値を抽出し仕様化する力」をテストから学ぶことができる
• AIは友達怖くない
2年目の目標
今後は要求仕様を書く訓練と並行して、それを元に作成されるAIの成果物に品質的な問題がないか確認できるレベルのエンジニアを目指していきます。そうすることで、ユーザーの求める価値あるプロダクトをこれまでより迅速に提供していきたいです。
この記事を読んでいただいたエンジニアを目指す皆さんも、「コードを書く」以上にプロダクトでユーザーにどんな価値を与えたいのかや、なぜ作るのかといった目的について「考える」ことの重要性をぜひ意識してみてください。これからもお互い頑張りましょう🔥