はじめに
UI設計では
「ユーザーに考えさせないことが大事」
と言われることが多くあります。
一方で、実務向け・現場向けのUIを作っていると、
- あえて考えさせた方がよい場面
- 考えさせてはいけない場面
が、はっきり分かれていることに気づきました。
本記事では、
UIを作る中で整理した
- 「考えさせないUI」
- 「考えさせるUI」
の役割の違いと使い分けを言語化します。
※本記事は特定の製品・画面・実装には依存しない、UI設計の思考メモです。
「考えさせないUI」とは何か
定義
考えさせないUIとは、
ユーザーが「判断」や「解釈」をせずに
そのまま行動できるUI
です。
典型例
- 押すべき操作が1つに絞られている
- 状態が「一致 / 不一致」「OK / NG」のように即時に分かる
- 次にやることを迷わせない構造になっている
メリット
- 操作ミスが起きにくい
- 初見でも迷わない
- 処理速度が上がる
向いている場面
「操作」を目的とするUI
- 定常作業
- 手順が決まっている操作
- ミスが許されない工程
「考えさせるUI」とは何か
定義
考えさせるUIとは、
情報は提示するが、
最終的な判断をユーザーに委ねるUI
です。
典型例
- 差分や傾向だけを示す
- 結論を断定しない
- 「どこが違うか」までを提示する
メリット
- ユーザーの納得感が高い
- 現場知見を活かせる
- 判断の責任がUIではなく人に残る
向いている場面
「思考」や「判断」を目的とするUI
- 改善検討
- 振り返り
- 個別事情が強い業務
よくある誤解:「考えさせないUIが常に正解」
UI設計では、
「考えさせない=良いUI」
と語られることがよくあります。
しかし、これは半分だけ正しいと感じています。
問題が起きるケース
- 判断理由が分からない
- 結果だけ出てプロセスが見えない
- 「なぜそうなったか」を説明できない
この状態では、
- 現場での合意形成が難しい
- 改善につながらない
- UIがブラックボックスになる
といった問題が起きやすくなります。
重要なのは「どこまで考えさせるか」
設計で本当に大事なのは、
考えさせる/考えさせないの線引き
です。
1つの整理軸
| UIの役割 | 設計方針 |
|---|---|
| 操作・実行 | 考えさせない |
| 確認・比較 | 最小限だけ考えさせる |
| 改善・検討 | しっかり考えさせる |
現場向けUIで意識したこと
実務向けUIを設計する中で、特に意識したのは次の点です。
- 結論をUIが出しすぎない
- 差分・傾向・事実だけを提示する
- 「異常」「良し悪し」を断定しない
UIはあくまで、
「考える材料を、迷わず受け取れる形で出す」
役割に留める。
これにより、
- 現場の判断が尊重される
- UIへの不信感が生まれにくい
- 改善の議論が前に進む
と感じています。
「UIで考えさせる」と「UIが難しい」は別物
注意したいのは、
- 考えさせるUI
- 分かりにくいUI
は全く別だということです。
考えさせるUIでも、
- 情報の構造は単純
- 表示は整理されている
- 何が違うかは一目で分かる
必要があります。
思考はユーザーに委ねるが、理解はUIが支援する
おわりに
UI設計では、
- 考えさせないこと
- 考えさせること
のどちらかを選ぶのではなく、
UIの役割ごとに使い分ける
ことが重要だと感じています。
「操作のためのUI」と
「判断のためのUI」は、
同じ画面に混ぜない。
この視点は、
実務向けUI・現場向けUIを考える上で
とても有効でした。
補足
本記事は、UI設計の振り返りを目的としたメモです。
内容の整理にあたっては、思考の言語化補助として生成AIも活用しています。