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手を動かして学ぶ!KafkaとPythonによるAWSストリーミングデータ分析入門【30日チャレンジ】- 20日目: Kafka Connectで他サービスとの連携を自動化する

Last updated at Posted at 2025-08-14

はじめに

「手を動かして学ぶ!KafkaとPythonによるAWSストリーミングデータ分析入門【30日チャレンジ】」20日目です。昨日、AWS CloudWatchを使ってシステムをモニタリングする方法を学びました。これにより、構築したデータパイプラインを安定して運用するための準備が整いました。

今日は、Pythonで手動で書いていたデータ連携を、より効率的かつ堅牢に行うためのツール、Kafka Connectについて学びます。Kafka Connectを使うことで、Pythonコードを書くことなく、他のAWSサービスとの連携を自動化できます。


1. Kafka Connectとは?

Kafka Connectは、Kafkaと他のシステム(データベース、ストレージ、検索エンジンなど)の間でデータをストリーミングするためのフレームワークです。

これまでのチャレンジでは、Pythonのコンシューマーを自分で実装し、データをS3やDynamoDBに書き込んでいました。しかし、この方法には以下のような課題があります。

  • コードのメンテナンス: 各連携先ごとに専用のコンシューマーコードを書く必要がある。
  • 運用管理: コンシューマーアプリケーションのデプロイや監視を個別に行う必要がある。
  • エラーハンドリング: 障害発生時の再試行やデータ損失を防ぐためのロジックを自分で実装する必要がある。

Kafka Connectは、これらの課題を解決するためのツールです。あらかじめ用意されたコネクタと呼ばれるプラグインを使うことで、設定ファイルを書くだけでデータの連携を自動化できます。

Kafka Connectの主要なコンポーネント

  • Source Connector(ソースコネクタ): 外部システムからデータを読み取り、Kafkaトピックに書き込む役割を担います。
  • Sink Connector(シンクコネクタ): Kafkaトピックからデータを読み取り、外部システムに書き込む役割を担います。

2. Kafka Connectを使ったS3への連携自動化

Amazon MSKでは、AWS独自のマネージドなKafka ConnectサービスであるMSK Connectを提供しています。今回はこれを使って、KafkaのデータをS3に自動で保存する仕組みを構築します。

ステップ1: S3コネクタの準備

MSK Connectを使うには、まずS3にデータを書き込むためのコネクタプラグインが必要です。今回は、Confluent社が提供するS3シンクコネクタのJARファイルをS3バケットにアップロードしておきましょう。

  1. S3バケットの作成: msk-connectors-yournameなどの一意の名前でS3バケットを作成します。
  2. コネクタプラグインのダウンロード: Confluent社のウェブサイトから、S3シンクコネクタのJARファイルをダウンロードします。
  3. S3へのアップロード: ダウンロードしたJARファイルを、作成したS3バケットにアップロードします。

ステップ2: MSK Connectのコネクタを作成

AWSマネジメントコンソールで「MSK」サービスを開き、「MSK Connect」→「コネクタを作成」に進みます。

  1. カスタムプラグインの指定: 「新しいプラグインをアップロード」を選択し、先ほどアップロードしたS3バケットとJARファイルを指定します。

  2. コネクタの設定:

    • コネクタ名: s3-sink-connectorなど、わかりやすい名前を付けます。
    • Kafkaクラスター: 作成済みのMSKクラスターを選択します。
    • ワーカー設定: 「ワーカー数」と「キャパシティ(EC2インスタンスタイプ)」を選択します。今回はテストのため、ワーカー数1、タイプはm5.largeで十分です。
    • コネクタ設定: ここが最も重要です。以下のJSON設定を入力します。
    {
      "connector.class": "io.confluent.connect.s3.S3SinkConnector",
      "tasks.max": "1",
      "topics": "web-logs",
      "s3.bucket.name": "your-unique-s3-bucket-name",
      "flush.size": "1",
      "storage.class": "io.confluent.connect.s3.storage.S3Storage",
      "format.class": "io.confluent.connect.s3.format.json.JsonFormat",
      "partitioner.class": "io.confluent.connect.storage.partitioner.DefaultPartitioner",
      "topic.codec.selector.key": "snappy"
    }
    
    • connector.class: 使うコネクタのクラス名を指定します。
    • topics: 購読するKafkaトピック名です。
    • s3.bucket.name: データの書き込み先となるS3バケット名を指定します。
    • flush.size: どのくらいのデータが溜まったらS3に書き込むかを指定します。今回はテストのため、1メッセージごとに書き込みます。
  3. セキュリティとIAMロール:

    • コネクタがS3に書き込むためのIAMロールをアタッチします。S3への書き込み権限(s3:PutObjectなど)を持つロールが必要です。

すべての設定を確認し、「コネクタを作成」をクリックします。コネクタの起動には数分かかります。


3. Pythonアプリケーションとの違い

Pythonスクリプトで実装した機能とKafka Connectの違いは以下の通りです。

Pythonスクリプト Kafka Connect
開発 各連携先ごとにコードを記述 設定ファイルを書くだけ
運用 EC2インスタンスの管理が必要 MSK Connectがフルマネージドで管理
信頼性 自分で再試行ロジックを実装 フレームワークが自動で処理
柔軟性 高い(複雑な処理が可能) 柔軟性は低いが、シンプルな連携に強い

Pythonは複雑なデータ変換やビジネスロジックに強く、Kafka Connectはシンプルなデータ転送に強みがあります。これらを組み合わせて使うことが、現実的なストリーミングデータパイプラインの構築において重要です。


まとめと次回予告

今日は、Kafka Connectを使って、Kafkaと他のAWSサービス(S3)間のデータ連携を自動化する方法を学びました。これにより、Pythonコードの記述を減らし、より堅牢で運用が楽なシステムを構築できることを理解できたでしょう。

明日からは、このデータパイプラインをさらに発展させていきます。

21日目: データをS3からGlue Catalogに登録して分析準備

お楽しみに!

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