P&Dアドベントカレンダー17日目
担当はサンタさんにお腹を壊さない美味しい生魚が食べたいと懇願している3000万です.
Tech系の記事じゃない!とP&Dの皆さんに怒られないことを期待してます.
#著者背景
2018年度大学院入学と同時に休学手続きをし,カナダはバンクーバーで前から夢だった海外生活と英語の勉強をさせてもらいました.
ELSという語学学校のアカデミックプログラムに最初数ヶ月通って,その後BCITというバンクーバーでは割と有名なTech系カレッジのESLプログラムに6ヶ月ほど通いました.
留学前はTOIECノー勉540点程度の低レベルでしたが,全プログラム終了後に素で受けたTOEIC LRでは860点(L: 455, R: 405),IELTS AcademicではOverall6.5 (L: 6.5 R: 6.0 W:7.0 S:7.0)を達成できました!(Reading が6.5あれば…と悔やんでいますが伸びしろですね笑)
リンク
ELS Language centers in Vancouver: Academic Program
British Columbia Institute of Technology
BCIT: International Student Entry Program(1)
BCIT: International Student Entry Program(2)
#英語勉強の個人的原則5箇条
##1. 英語を英語で理解する(少なくとも努力はする)
慣れるまで苦痛で苦痛でとにかく辛いですが,これが一番英語の語順や表現のセンスを感覚で掴むことのできる最適ルートな気がします.
例えば,complexとcomplicatedという単語を日本語に翻訳したら「複雑な」になりますがニュアンスが違い置き換えできない場合があります.
他にも,日本語で「足の骨が折れた.」は英語では「I broke my leg.(私が足の骨を折った)」といったように表現方法の違いが言語間にあるので翻訳を通して理解を続けていると不明瞭な部分がでてきたりします.
英英辞典で意味を調べたりする癖をつけましょう.
後、これが出来るようになると反射的な受け答え(翻訳・遅延なし)のとっかかりになると思います
##2. 伸ばしたいスキルをひたすらやる
読めるようになりたいならひたすら読む.聴き取れるようになりたいならひたすら聴く.
学習の最適ルートはあっても時短ルートはないと思っていて,手間暇かけていくしかないです.
英語学習に携わっているほとんどの方が仰っている__多読多聴の原則__に賛成します.
留意点としては,__海外の人が使っている自然な英語に触れる__というのがポイントです.
例えば,因果関係を表す副詞に「therefore」という単語がありますが,たまに等位接続詞(FAN BOYS)のように使用される例があったりもします.
他にも,Xジェンダーの方々は単数形であっても代名詞「they」を用いて参照されるなど,自然言語は時代と共に形を変えていきますので,そういった生きた情報をキャッチアップしていきましょう.
エンジニアならばTech系やビジネス系のマテリアルを使うのがモチベの維持ができて一番いい方法だと思います.
##3. 文法と語彙力が命
よくアカデミック英語コースで勉強していると言うと「私は働きたいだけだから」や「難しい英語よりコミュニケーション能力が大切」「日常会話では使わない(決めつけ)」などの発言を日本人から耳にします.
人によって勿論優先すべき学習ポイントは違いますし,いわゆる「英語ができる」の定義も違います.
A&Wでハンバーガーを注文したり,スーパーで買い物するだけなら正直どうにでもなります.
しかし,英語圏で英語を使って文化的な生活を営む(新聞を読んだり映画を観たり,学校の友達と深い議論をしたり,はたまた英語スキルを使ってビジネスがしたい)となったときにはこの2つはとても大切です.
勿論hedgingの概念はありますが,英語は__明確かつストレートに__物事を言う必要があり,遠回しなことや不明瞭なことを連発していると学校の先生は理解をしてくれても一般の人には何言ってるの?といった顔され,キャッチボールが全くできません.
##4. Writingを疎かにしない
__個人的に英語がスムーズに書けるようになるにつれて,ある程度話せるようになり,また英語で考える癖がついていく__と思っています.
この記事を読んでるような方は大学で研究していたり,企業で働いていたり等各々の生活がある方がほとんどかと思っていて,文法や語彙の知識がある程度あり,論理的に物事を捉える力がついていると思うので,それを最大限活用していきましょう.
Writingはスマホのメモ帳さえあれば__静かに気軽にどこでも一人でできるアウトプットの練習__で,いいところは書き出した後に__自分の間違いをセルフチェックできる__ところです.
ちょっと新しいフレーズや文法を使って日記をつけたり,暇な時に今の気持ちや予定など,何か頭にあることを英語で出す練習をするのは一つの方法です.
ただし,書き出す際に翻訳しない・考えすぎないことが重要で,間違っていると気づいてもとりあえず__修正せずにスムーズに最後まで出し切る__というのが大切です.
##5. 自身の表現力・文章構成力について考察する
英語を話せない書けない理由を「英語力が足りないから」と短絡的に結論づけないようにしましょう.
語彙力や文法力が適切でない場合も確かにありますが,しっかり自分の英語を見つめて分析してみましょう.
日本人に関わらずEssayや記述系の問題を落とす人の共通点は英語力よりむしろ__内容が論理破綻していたり明確ではない__という傾向があると思っています.
今やっていることを母国語を使って本当にできるのか考えてみましょう.
エンジニアの方々や大学生の方はレポートや記事を書いている人がほとんどなのであまり気にする必要はないかと思いますが,こういった側面から自分の英語を見つめてみると面白い発見があるかもしれません.
#書籍・リンク&Tipsまとめ
英語を勉強するときや使わないといけないときに便利な情報をまとめておきます.
##辞書
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Collins English Dictionary
高度な文章を書いたりする際に厳密な定義を知りたい場合にはネイティブの読むような英英辞典が必要かもしれませんが,学習したりする際にはこういった学習者用のものや,解説のわかりやすいものを使うといいかと思います.
ただし定義を覚えたところで瞬時に出てこないと意味がないので,ざっと理解したら沢山の例文や共起表現をチェックしましょう. -
Online Etymology Dictionary
PrefixやSuffixや,単語の成り立ちなど見ていると面白いのでリンクを載せました. -
Urban Dictionary
真面目な勉強に飽きた時にオススメなのがこれです.
映画やドラマで出てくる文化的影響を受けた言い回しや,汚い表現はだいたいここで調べると解決します.
僕の大好きなRick and Mortyという作品の中で「You are zuckerberging me?」というフレーズが出てきてここを見て解決しました.
##文法&単語
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English Grammar in Use
言わずと知れた名著ですね.これの緑色がAdvancedなのでそちらでもいいかもしれません.
日本語の文法書ではなくこういったものを勉強に使っていきましょう(学習者用なので難しく書かれていません). -
English Grammar Today
痒いところにめちゃくちゃ手の届く本です.英語学習者が勉強する際によくつまづく細かいポイントを的確に押さえていて読んでいてとても面白いです. -
AWL (Academic Word List)
今通っているカレッジで少しずつ勉強している単語リストです.
アカデミックな書き物やフォーマルなものに頻出する単語がまとめられているそうです. -
English Idioms
フォーマルな勉強に飽きたとき用です.
こんな風に丁寧にまとめられたイディオムリストは割と少ないかと思います. -
一億人の英文法
日本語で勉強するなって言っといてなんやねん!という感じですがこれはとても面白い本です(著者の方々も有名なので). -
Duo 3.0
大学編入のときに買って勉強していて留学先にも持ち込みましたがいい本です.
語学学校のときにはとても役に立ちました.上記の辞書たちと合わせて使うととても効果的です.
##Q&Aサイト
- Stack Exchange
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Quora
何か疑問に思うとだいたいここらへんに行き着きます(体感).
##Youtuber
観たことのあるYoutuberさんです.
どちらかと言えばカジュアルなものや日常生活に近いものがほとんどです.
これ以外にも沢山の英語関連の動画を色んな国の方々がアップロードしていますので,そちらもとても参考になります.
- Hapa英会話さん
- AK in カナダさん
- バイリンガール Chikaさん
- サマー先生
- KoreanBilly's Englishさん
- English with Lucyさん
- IU-Connect 英会話さん
- Learn English with EnglishClass101.comさん
- mmmEnglishさん
- Shaw English Onlineさん
##Reading
特にこれと語れるほどスキルが高いわけではないのですが,辞書ばっかり引きながら読むのではなく,__文脈などからある程度単語の意味を予測する力をつける__ことを意識するといいかもしれません.
じっくり読むのも英語力向上にはなりますが,そればっかりだと未知の物に対する耐性がどんどん無くなっていき,読む速さや翻訳なしに頭に入れていく力の向上には繋がらないように思います.
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TechCrunch
エンジニアの方が興味を持って読むとしたらここら辺がメジャーでしょうか...
しかし,読みたいものを読むのが一番かと思います.
論文やライブラリやツールの公式ドキュメントでもいいと思います. -
Japan Today
日本のニュースが英語になっていますので,例えばニュースを観たりしてここの記事を読むと勉強になるかもしれません. -
Read Theory
わからないところサボってすっ飛ばしてしまう癖があったり,本当に理解できているのか実感できない方はこういう感じのサイトで興味のあるトピックを見つけてやってみることをオススメします. -
ACL Anthology
NLP系のカンファレンスの論文が読み放題です. -
Signal Words
トピックの切り替えや具体例,メインアイデアなどを拾う際に役に立ついわゆるテンプレのようなものです.
読むとき以外にも,聴くときや書くときにもこういったナレッジがあると役に立つかと思います.
(勿論これだけにフォーカスしないように...)
##Listening
英語の音や速度,入ってきた音を翻訳せずに理解するといった基本概念はどれも一緒ですが,フォーマルなものに馴れ親しみたければニュースやTED,日常会話などならNetflixなどでドラマや映画を観るなど目標に応じて観るものを決めるといいと思います.
最初は難しいかもしれませんが__日本語に翻訳しない癖__をつけましょう(英語で入ってくるジョークで笑うことができるかどうかは一つのいい判断指標かもしれません).
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BBC News
バンクーバーのホストファミリーや先生方は結構な確率でここをいつもチェックしてます. -
TED
アカデミックよりのListeningのクラスではだいたいいつもここのビデオを聴いています.
TEDはプレゼンターの発言の書き起こし文が付いてますので1-2分ディクテーションをするのも効果的です. -
PechaKucha
「ぺちゃくちゃ」というオノマトペのイメージのようにひたすら喋り倒すプレゼンが沢山あります.
1スライド20秒×20枚という制約なので時間も短めで,TEDを観るだけの集中力のない人にはオススメです. -
Netflix
個人的オススメ作品を列挙しておきます.- Rick and Morty (話す速度が早めで内容も酷いです.)
- Big Mouth (内容汚めです.)
- F is for Family (内容酷めです.)
- Santa Clarita diet (斬新ゾンビ物という感じで面白いです.)
- THE 100 (Sci-Fi好きな方はぜひ.)
- Skins, Friends, Full House (王道ですが英語圏のセンスを学ぶにはもってこいだと思います.)
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Text2Speech
テキストを貼り付けて再生ボタンを押したらスムーズに読み上げてくれるサイトです.
Readingで読んだ記事をここに貼り付けて聴いたりするのもいいかもしれません.
##Speaking
ネイティブの優しい友人がいればそれに越したことはないですが,母語話者からするとやはり非母語話者との会話はとても神経を使います.
__自分よりちょっとだけレベルの上の非ネイティブの友達を作る__ことが一番キャッチボールの練習にはもってこいだと思います.
個人的には韓国か台湾,イランあたりの方は母国の英語教育がしっかりとしているのか,とても話しやすい印象です(沢山の国のアクセントになれることも勿論大切です).
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Meetup, Tinder, italki
人と出会ったりするのはやはりここら辺が定番でしょうか.
学校やLanguage Exchangeをしているカフェで友達を作っているのでここら辺はあまり詳しくありません. -
英語の発音パーフェクト学習辞典
ネイティブのような流暢な発音ができるようになる必要はありませんが,伝わる発音をすることは大切です.
渡航直前に買ったのですが発音について網羅的に解説されているのでとても重宝しています. -
シャドーイング
Vocaroo.comを起動してシャドーイングする等、録音して自分の英語と元の英語の違いがなんなのかというのを分析するといいと思います.
これのいいところは録音後はmp3をダウンロードできたり,共有リンクの作成もできるので気軽にネイティブの方にチェックしてもらえます。 -
お風呂で念仏
Speakingの練習は実は一人でもできて,これが個人的にはとても効果的です.
その日言えなかったことや,その日のまとめを誰かに伝えるつもりで体を洗いながらブツブツと口に出すだけです.
聴き手がいないのでシャイな日本人にはもってこいの練習方かなと思います.
##Writing
Readingと同様で__とにかく書きましょう.__日記をつけるもよし,IELTSの参考書などでEssayの練習をするのもいいかもしれません.
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Guide to Grammar and Writing
語学学校の先生に教えてもらったサイトです.
とても細かい解説文が載せられていて参考になります. -
Paraphraseing & Summarizing
いわゆる書いてある文や文章を__自分の言葉で書き直す__というやつです.
カレッジに入ってからこれの練習をものすごくしています(Essayより多いかもしれません).
自分の文法力や語彙力を最大限に使うのでEssayを書いたり文法の学習に飽きた際にはとてもオススメです.
(チェックしてもらえる相手が必要ですが...) -
Macmillan Dictionary
ここに置くべきか迷ったのですが,この辞書は単語のSynonym(類義語)にアクセスしやすくて特にwriting activityをするときにとても便利です. -
Plagiarism
他の人の発見や記述をパクらずに,ちゃんと引用をつけてリスペクトしましょうという当たり前のことです.英語ではPlagiarismと言います.
私自身もカレッジで勉強する前に英語で文章を書く際にどういった所に気を配る必要があるのか曖昧でしたので,英語圏の書き物でどういったところに気を配る必要があるのかを知ることも大事かと思います.
##その他リンク
これが正解!というのはないと個人的に思っていて,強い先人の方々の情報を手に入れるのもタメになります.
- エンジニア向け英語での検索テクニック・英語勉強法
- 辛くない、英語で会話できるようになるまでのお金のかからない楽しい英語勉強法、エンジニアこそ英語
- 一挙両得!技術と英語を同時に勉強する方法まとめ
- 松井博@Brighturejp さん
- Masashi Kasaki さん
- 猫じゃら美少女 さん
- やま@🇩🇪留学生 さん(1)
- やま@🇩🇪留学生 さん(2)
#最後に
ドタバタと書いたので読みにくかったかと思います.申し訳ありませんm(_ _)m
個人的に思うことはとにかく__コツコツやりましょう.楽しめる方法を探しましょう.__
加えて,チャンスがあるのであれば短期でもいいので__学生として留学してみることを強くおすすめします__.
英語目的に留学は...と反対される方もいらっしゃるかと思いますが,やはり基礎のある方であれば場数を踏むという点では最良の方法ではないかなと思います.
自分の感覚や体験をメタ認知して言語化する能力が乏しいので深いことは言えませんが,就活等関係なく留学は人生経験としてとても有意義なことは間違いないので,チャンスがあるなら是非短期でも挑戦してもらいたいです.
何かこういったトピックで情報やアドバイスをもっている方がいらっしゃいましたら是非コメントよろしくお願い致します!
#おまけ
通っていた中で語学学校でとても人気の先生がコツコツと活動しているのでここにリンクを載せておきます.
日本の大学に通われていた経験もあり,日本の高校とコラボしていたり日本にとても興味を持っていらっしゃる先生です.
とても面白いのでぜひ一度ご覧ください.