ケムリクサを知っていますか?
みなさんは「ケムリクサ」をご存知ですか?
たつき監督がてがけた2019年のアニメです。
この作品がどのようなものかということについては、是非視聴した上で判断してもらいたいですが、この作品のテーマの1つは「好き」であると私は思っています。
当時のネットでも言われていましたが、"KEMURIKUSA"のアナグラムは"MAKE UR SUKI"、つまり「あなたの好きを為せ」です。
…5年も前のアニメを語る理由は、私の好きを語るのと同時に、これからのマーケティングについての私の妄想と、なぜ技術・組織・ビジネス・哲学に私が心血を注いでいるかの理由を述べたいからです。
そのためには、まず、お金もしくは通貨のお話をしようと思います。
お金の歴史
通貨には3つの機能が存在すると言われています。
- 交換手段: 財と交換することで取引を可能にする
- 計算単位: 財の価値を表すための尺度
- 価値貯蔵手段: 将来のために保有し続けられる(購買力を将来に移す)
これら3つの機能を果たしてきた通貨は、現在のような法定通貨が出る以前からありました。黒曜石、青銅、鉄、銀、コイン、米、さらに、金本位制だった時の貨幣もあれば、今のように租税を担保に発行されるものもあります。
そして、これらは手元に少なくなっていくものが、貨幣の機能をより多く有することになっていきました。よって、手に入りやすいものは価値が減少し、手に入りにくいものはより価値が上昇しました。今、黒曜石や青銅の通貨としての価値というのはほとんどないので、想像に難くないでしょう。
そして、貨幣は一方的に増えるもので、市場や制度が変わらない限り、価値は下がり続けることになります。そして、いずれは別のより価値のあるものに取って代わられてしまいます。
その次の通貨がなんなのか。それは「あなたの「好き」」だと私は思っております。
これからのマーケティング
22世紀にあるであろう、これからのマーケティングはマス(大衆)を対象にするところからミクロ(ニッチ)に行くというのが私の予想です。
バルミューダは天才
バルミューダフォンはエンジニアの人からすると、ひどいものだと思うかもしれません。
しかしながら、バルミューダのトースター等については、あのマーケティング手法は素晴らしいです。
「トースターなんてどこも一緒」、「使えれば十分」、というのが多くの、マスの意見でしょう。しかし、バルミューダは違って、「ダイニングテーブルの上にダサいトースターがあるのは絶対に許せない」、という少ない、ミクロの、ニッチな意見を追いかけたのです。
自分の好きなもの、そして、それに共感してくれる人、この狭いニッチな領域をターゲットにマーケティングをしたのです。そして、あの成功が成し遂げられたのです。
大事なのは、自分の「好き」を追求することです。
今後、世界がどうなっていくか、労働人口がどうなっていくか、世界の賃金格差がどうなっていくか、これらはわからないですが、人間の「好き」という感情は絶対残り続け、そして、それを追い求める人たちはずっといます。
この「好き」こそが、現在の法定通貨に取って代わる、新たな貨幣・通貨へと、本当に価値あるものへと変わっていくと私は予想しています。
そして、そのための22世紀のマーケティングは、マスではなくミクロへ、ニッチへと行くと思っています。
なんか知らんが 心が動く あなたのそれは なんですか?
この新たな時代のマーケティングのためにやるべきことは、繰り返し述べるようですが、あなたの「好き」を追求することです。そして、それに共感してくれる、同じ思いを持ってくれる人、彼らに価値を提供することです。
その上で、聞きます。
「なんか知らんが 心が動く あなたのそれは なんですか?」(金野火織の金色提言 / DJ TECHNORCH feat. 宇宙★海月)
そう、あなたが「好き」なもの、あなたの心をグイグイ惹きつけて離さないものはなんですか?
技術ですか? ビジネスですか? マネジメントですか? それともそれ以外のなにかですか? もっと細かいニッチなものかもしれません。
それを忘れてはいけませんし、それを追いかけるのを諦めてもいけません。
22世紀の市場においては、それを追求できる人しか生き残れない可能性を、私は大いに見出しています。
だからこそ、私は、自分の好きな、自分の心を離さない、技術・組織・ビジネス・哲学に心血を注いでいるのです。たとえ、その中の領域において、私の興味範囲がニッチであったとしても、ホットでなかったりトレンディなかったりしても、追求し続けるのです。
Tease
前回の記事では、「自分が学習することにおいて、一番マーケティングすべき対象は自分である」、と私は述べました。
この主張も、今回の記事の内容にある「好き」というところを大事にするところから始まります。
そして、次回や最終回では、私の好きな、"Philosophy of Computer Science"と「データモデリングでドメインを駆動する」について話そうと思います。
それでは
Appendix
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