概要
- GMOインターネットの提供する、ConoHa VPSサービスの「2GBプラン」を契約しました。
- 1日で約14GiBを転送したところ、通信速度が上下とも500kbps程度に制限されました。
- ConoHa VPSの帯域制限については2016年の古い情報 しか見当たらなかったので、参考のために記録しておきます。
何が契約前に説明されていたか
ConoHa VPSサービスのウェブサイトでは、以下の点が説明されていました。
- データ転送量による従量課金がないこと(参考)。
- VPS当たりの通信速度は100Mbpsに制限されること(参考)。
- 「他のVPS環境に影響が発生するようなトラフィックの場合には、 制限をさせていただく場合」 があること(参考)。
帯域制限がかかる場合があることは上記FAQに明記されており、事前に認識していました。
何をしようとしたか、何をしたか
- 「2GBプラン」(メモリ2GB / CPU3コア / SSD 100GB。月額1,064円)を契約しました。
- 想定していた利用目的は、CentOS Stream 9上に、Wordpressを用いてウェブサイトを構築することでした。
- VPS上のウェブサイトでは写真・動画コンテンツを扱う予定であり1、Cloudflareを通じてVPSの転送負荷を軽減することを予定していました2。
- VPS上にWordpressを設定する際には、特段の問題はなく、快適に設定できました。
- Cloudflareが動画ファイルもキャッシュしてくれるか確認するため、VPSに4GiBの動画(mov)ファイルをアップロードし、Cloudflare側の設定を変えながら何度かダウンロードを試していました。
- この際、ダウンロード速度は10-12MB/s(=80-96Mbps)程度と、契約上の上限に近い速度が出ていました。
何が起きたか
- 上記作業の途中で、ダウンロード速度が100KB/s以下に低下しました。
- VPSが攻撃を受けて処理速度なり帯域なりが奪われている可能性も確認しましたが、問題ありませんでした。
- VPSにSSHでログインし、speedtestを試したところ、以下のとおり転送速度が上下とも約0.5Mbpsに低下していました。
xxx@xxx:~$ speedtest
Speedtest by Ookla
Server: GSL Networks - Tokyo (id: 50686)
ISP: GMO Internet Group
Idle Latency: 17.76 ms (jitter: 1.93ms, low: 17.09ms, high: 20.32ms)
Download: 0.53 Mbps (data used: 898.4 kB)
1914.19 ms (jitter: 91.44ms, low: 16.84ms, high: 6077.78ms)
Upload: 0.47 Mbps (data used: 577.2 kB)
17.33 ms (jitter: 1.27ms, low: 16.85ms, high: 57.96ms)
Packet Loss: 41.3%
- ConoHa VPSサービスのコントロールパネルから「転送量」を確認したところ、以下のとおり約14.62GiBまで増加していました。4GiBをアップロード1回、全ダウンロード2回、あとはキャッシュが働いているか見ながら数回途中までダウンロードしたので、妥当な数値だと思います。
- 上記帯域制限は画像のとおり2025年6月23日に発生しましたが、この記事を執筆している同月26日時点では通信速度は回復していません。
何が説明されたか
- 上記の通信速度が約0.5Mbps(500kbps)しか出ないことにつき、
①「転送量が多い」ことを理由として
②人為的な帯域制限を行っているか、
確認いただきたい旨をサポートに連絡しました。 - 翌朝すぐにサポートから返答があり、
①私の環境にて他の利用者に影響が懸念される高いトラフィックがあったため、
②帯域を制限していること、
③一定時間で解除される見込みでありること、
④詳細についてはセキュリティ上の理由により説明できないこと、
をご説明いただきました。
返答は迅速で、内容も理解しやすかったです。
感想等
VPSなどの共用インターネットサービスは「常識の範囲で使ってね」という性質なことは重々理解していましたが、具体的なラインは難しいですね。
競合サービスのWebARENA Indigoでは1日の転送量40GBが「安定運用の目安」とされていますので(参考)、移行先として候補になりそうです。
あるいは転送料金を覚悟の上でAWS EC2等の大手に移転する手もありそうですが…。