テーマについて
本チームが今回の活動で掲げているテーマは、
「生成AIでRPGLE初級者のコーディングをサポートできるか検証!!」です。
このようなテーマにした背景についてお話しします。
チームのメンバーで業務内容や興味のあることを出し合ったところ、RPG開発の経験有無に差はありましたが、共通して以下の点がありました。
- RPGLEを業務でほとんど使用したことが無い
- 生成AIには興味があるが、結局どれが良いのかが分からない
2点を踏まえ、生成AIをいくつかピックアップしてそれぞれの使用感を確かめつつ、RPGLE
初心者でもサクッとコーディングできるようにサポートしてくれるのでは?と考えたため、このようなテーマにしました。
生成AIのピックアップ
生成AIをピックアップするために、興味があるもしくは知っているAIをメンバーで出し合い、ChatGPT/Copilot/Perplexity/GenSparkの4つで進めることになりました。
(すべて無料プランで進めます)
それぞれの特徴について調べた結果を以下にまとめました。
興味のある方は「▶」から展開してご確認ください。
ChatGPT
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | OpenAI |
| 特化領域 | 汎用的な対話・創作、プログラミング支援 |
| 主要機能 |
● 文書作成・リクエストによる編集 ● コード生成 ● 画像生成(DALL-E) ● 音声対話 ● データ分析 |
| プラン |
free:無料(いくつかの機能制限あり)※2025.10.06 最新モデルGPT-5使用可 Plus:$20/月(動画生成AIが使用可能) Pro :$200/月(ほぼ無制限) |
Copilot
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Microsoft |
| 特化領域 | ビジネス・Office作業、企業業務効率化 |
| 主要機能 |
● Office統合 ● Word/Excel/PowerPoint/Teams連携 ● 音声入力 ● 画像認識・生成 |
| プラン |
無料(いくつかの機能制限あり) Pro:$20/月(最新のLLMを優先的に利用可)※個人向け Microsoft 365 Copilot:月相当¥4,497(年払い) |
Perplexity
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Perplexity AI Inc. |
| 特化領域 | 情報検索・調査、リサーチ業務 |
| 主要機能 |
● リアルタイム検索 ● 情報源 表示 ● PDF解析 ● 学術/論文検索 ● YouTube要約 |
| プラン |
無料(1日3回 ProSearch利用可) Pro:$20/月(最新のAIモデル利用可、引用数が10倍) Max:$200/月(動画生成へのアクセスが強化) |
GenSpark
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | MainFunc Inc. |
| 特化領域 | 情報収集・分析、タスク自動化 |
| 主要機能 |
● 複数AIエージェント ● Sparkページ作成 ● 自動化ワークフロー ● 視覚的情報整理 ● SuperAgent |
| プラン |
free:無料(1日100クレジット ※複雑な検索ほど消費する) Plus:$19.99/月(10,000クレジット/月、AIドライブで50GBのストレージ) Pro :$199.99/月(125,000クレジット/月、AIドライブで1TBのストレージ) |
今回の成果について
本活動の最終目標として「取引先マスタの保守アプリの作成」を目標に進めました。
全員がRPGLE初級者であったため、1人ひとりが同じアプリを作成するよりも、各処理ごとに役割を分担したほうが、負荷が軽減されると判断しました。
そこで、取引先マスタ保守に必要な処理を洗い出し、最終的に以下の処理をそれぞれ分担することになりました。
- 画面 + データベース(物理ファイル)
- 登録/更新/削除処理(トランザクション)
- 参照処理
- 印刷処理
- サブプログラム(4本:日付取得、時間取得、エラーチェック、ハイフン付与)
事前に使用項目・エラー標識・レコード名などの設計を共有し、全員が共通認識を持って作業を進められるようにしました。
実践してみた結果...
各メンバーで分担したからには、最終的に結合テストまで実施したいと考えていました。
しかし、実際に作業を進めてみると、想定以上に悪戦苦闘する場面が多くありました。
(各メンバーの悪戦苦闘は、是非担当記事をお読みください)
当初は「生成AIから出力された結果だけでプログラムを完成させる」ことを目標にしていましたが、それだけで動作するレベルのコードを生成するのは非常に困難で、途中から以下のルールを設けて進めることにしました。
- 桁ずれなど、ロジックに関係しない部分の修正はOK
- 同じ処理に対して、修正依頼のプロンプトを3回投げても改善しない場合、直接修正OK
このルールの下で作業を進めた結果、各処理の実装まではほとんど完了したものの、
結合テストまでは到達できませんでした。
もし同様の取り組みを考えている方がいれば、チーム全員でサンプルプログラムをコンパイルするなど、実践的な学習を取り入れるとさらに理解が深まると思います。
■ 当記事の著作権はIBMに帰属します。詳細はこちらを参照ください。