はじめに
Windowsでは、公式インストーラを使ってPythonを導入しても、「python3」 コマンドが標準で設定されていない場合が多いです。
そのため、ネット上の何らかの手順で見かける python3 -m pip install <パッケージ>
が通らずに戸惑うこともあるでしょう。
本記事では、
- 「python3」コマンドが使えない理由
- 代わりに推奨される呼び出し方 (
py -3
/python
) - どうしても「python3」で呼び出したい場合のバッチファイル活用術
について紹介します。
Windowsで「python3」がデフォルトでは存在しない理由
Windowsでは、Python公式インストーラを使用してPython 3をインストールしても、パスに登録されるのは多くの場合
python.exe
-
py.exe
(Pythonランチャー)
だけです。
python3.exe
が用意されることはあまりありません(Microsoft Store版をインストールした場合は設定次第で存在するケースもあります)。そのため、コマンドプロンプトやPowerShellで python3
と入力しても「Python」としか言われず、「なんだこれは?」となってしまうわけです。
公式に推奨される呼び出し方
1. py -3
Pythonランチャー (py.exe
) にバージョン指定を渡すことで、Python 3.x を確実に呼び出す方法です。
たとえば次のようにコマンドを実行できます。
py -3 --version
Python 2系が入っている環境でも、py -3
ならPython 3系を明示的に起動できます。
2. python
もしPython 2系をインストールしていないのであれば、python
と打つだけでもPython 3が呼び出される環境が大半です。
python --version
python3
ではなく python
ですが、特に問題がなければそのまま使ってもOKです。
どうしても「python3」というコマンド名を使いたい場合
とはいえ、他のOS(LinuxやmacOS)に合わせて「python3」コマンドを使いたい場面もあります。そんなときは、バッチファイルを使ってエイリアスを作る方法が簡単でおすすめです。
バッチファイルで「python3」エイリアスを作成する手順
-
バッチファイルの作成
-
任意のテキストエディタで「
python3.bat
」という名前のファイルを作成します。 -
ファイルの中身を以下のように記述しましょう。
@echo off py -3 %*
-
-
環境変数が通ったフォルダに配置
- 作成した
python3.bat
を、環境変数の通ったフォルダへ移動します。
例:C:\Windows
(管理者権限が必要な場合あり)
- 作成した
-
動作確認
- コマンドプロンプトやPowerShellで
python3 --version
を実行して、Pythonのバージョンが表示されれば成功です。
- コマンドプロンプトやPowerShellで
これでWindows環境でも気軽に python3
コマンドを使えるようになります。
ぜひ試してみてくださいね。