この記事の対象読者
AI音声入力を試したいけれど、どれを選べばいいか決めきれていない人に向けた記事です。
- 名前は聞くが、料金体系が頭に入っていない
- 無料で試せる範囲がどれくらいなのか知りたい
- オフラインで動くものがあるのか知りたい
比較したのは Typeless、Aqua Voice、Superwhisper、Wispr Flow の4つです。
料金と機能は 2026年8月時点の各公式サイトの記載にもとづいています。この分野は改定が早いので、契約前に公式で確認してください。この記事は認識精度には触れません。
選択肢が増えている
AI を使った音声入力ツールを、最近よく見かけるようになりました。キーボードを打つより速い、という話も聞きます。
ただ、いざ選ぼうとすると料金の書き方がツールによってばらばらで、横に並べるところで手が止まります。無料枠が週で書いてあるものと月で書いてあるものが混ざっていたり、月額の表記が年払い前提だったりします。
同じ項目で並べ直したものが下の表です。
一覧
| Typeless | Aqua Voice | Superwhisper | Wispr Flow | |
|---|---|---|---|---|
| macOS | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Windows | ○ | ○ | ○ | ○ |
| iOS | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Android | ○ | — | — | ○ |
| 無料枠 | 週8,000語 | 月1,000語 | 3,000語の試用 | 週2,000語 |
| 有料(月払い) | $30/月 | $8/月 | $8.49/月 | $15/月 |
| 有料(年払い) | $12/月 | — | あり | $12/月 |
| 買い切り | — | — | あり | — |
| 対応言語 | 100以上 | 49 | 100以上 | 100以上 |
| オフライン | 一部 | 記載なし | 明記あり | 記載なし |
以下、差が出ているところを順に見ます。
無料枠は単位が違うので揃える
まずここで引っかかります。週で書いてあるものと月で書いてあるものが混在しています。
週に揃えるとこうなります。
| 公式の表記 | 週あたり | |
|---|---|---|
| Typeless | 週8,000語 | 8,000語 |
| Wispr Flow | 週2,000語 | 2,000語 |
| Aqua Voice | 月1,000語 | 約230語 |
桁が違います。Typeless の無料枠は Aqua Voice の30倍以上あることになります。
Superwhisper だけ考え方が別で、3,000語ぶんは上位機能を試せて、そのあとも基本機能は無料のまま使えるという形です。累積の試用枠なので、上の表には並べていません。
なお Wispr Flow は端末で枠が違い、デスクトップが週2,000語、iPhone が週1,000語、Android は無制限と書かれています。Android を主に使うなら実質無料で回せることになります。
月払いと年払いで倍以上変わるものがある
有料プランの月額は、支払い方で差が出ます。
| 月払い | 年払い | 差 | |
|---|---|---|---|
| Typeless | $30/月 | $12/月 | 2.5倍 |
| Wispr Flow | $15/月 | $12/月 | 1.25倍 |
| Aqua Voice | $8/月 | 記載なし | — |
| Superwhisper | $8.49/月 | 2か月分の割引 | — |
Typeless の差が突出しています。 年払い前提の金額だけを見て月払いで契約すると、想定の2.5倍を払うことになります。
年払いにすると1年ぶんの支払いが先に発生するので、まず試したい段階では月払いか無料枠で様子を見るほうが無難だと思います。
オフラインで動くか
ここは4つの中でいちばんはっきり差が出ました。
Superwhisper は「オフラインで動く」と明記しています。 Wi-Fi が無くても文字起こしできるとあり、ただしオフライン用のモデルは Apple Silicon の Mac で本領を発揮し、Intel Mac ではクラウド側のモデルのほうが向いている、という補足も付いています。
Typeless は、コア機能はオンデバイス処理で、端末間の同期にクラウドを使うという書き方をしています。あわせて、クラウドにデータを残さない方針と、学習には使わない旨が書かれています。
Aqua Voice と Wispr Flow は、公式のトップページに処理場所の明記がありませんでした。Aqua Voice にはサーバに保存しないモードの記載があります。
社内規定でデータを外に出せない場合や、機内や電波の悪い場所で使いたい場合は、明記されている Superwhisper が候補になります。 買い切りがあるのもここだけです。
対応言語と対応OS
言語数は Typeless、Superwhisper、Wispr Flow が100以上と書いているのに対し、Aqua Voice は49です。 日本語はどれも含まれています。
OS では Android の有無が分かれます。Android に対応しているのは Typeless と Wispr Flow の2つです。 Aqua Voice と Superwhisper はデスクトップと iOS までになります。スマホでも同じ環境を使いたいなら、ここで候補が絞れます。
Aqua Voice には開発者向けのAPIが用意されていて、自分のアプリに組み込む使い方も想定されているようです。
リアルタイム表示は上位プラン
Aqua Voice には、喋りながら文字が出ていくリアルタイムモードと音声コマンドがありますが、これらは Max($24/月)に含まれる機能で、Pro($8/月)には付きません。
安いほうのプランを見て「リアルタイムで出る」と思って契約すると、想定と違うことになります。プラン名まで確認したほうがよさそうです。
どう選ぶか
公開情報から言える範囲で整理すると、こうなります。
- まず無料で長く試したいなら Typeless です。週8,000語は他より一桁多くなっています
- オフラインで動かしたい、あるいは買い切りにしたいなら Superwhisper になります。この2点を満たすのはここだけです
- スマホでも同じものを使いたいなら Typeless か Wispr Flow です。Android に対応しているのはこの2つです
- できるだけ安く常用したいなら Aqua Voice の Pro($8/月)か Superwhisper($8.49/月)です
- 議事録も取りたいなら Wispr Flow です。話者識別つきの機能とカレンダー連携があります
認識精度については、この記事では触れていません。各社が数字を出していますが、条件が揃っていないので並べても比較になりません。
まとめ
- 無料枠は週と月が混在しています。 揃えると Typeless 8,000語、Wispr Flow 2,000語、Aqua Voice 約230語で桁が違います
- 月払いと年払いの差はツールによって大きく違います。 Typeless は2.5倍あるので、「月額$12」という表記だけを見て契約しないほうがいいです
- オフライン動作を明記しているのは Superwhisper だけで、買い切りがあるのもここだけです
- Android に対応しているのは Typeless と Wispr Flow の2つです
- 対応言語は Aqua Voice が49、他の3つは100以上です
- Aqua Voice のリアルタイムモードは Max($24/月)の機能で、Pro には付きません
料金体系は横に並べてみると、無料枠の単位から支払い方まで各社バラバラでした。数字だけを拾うと比較にならないので、契約前に公式のプラン表を一度見ておくのが確実だと思います。