Datadogのダッシュボードは自動で定期的にメール送信できます
見た目が華やかでSRE活動を楽しくするダッシュボード。デモするときは、色んなことができそうな派手な画面にすることがありますが、実際には目的別(*)のダッシュボードを複数使うことになります。そんなダッシュボードですが、自動で定期的にメールで配達してくれる[Schedule a report]という機能があるのをご存じでしょうか。どうしてダッシュボードをメール送信するのか私の経験を記載します。
*: 目的別のダッシュボード
- SREチームのために、今すぐ調査・解決すべき状態があるか可視化するもの
- SREマネージャーのために、SLOの達成率やサーバーの正常性を可視化するもの
- SREチームがトラブルシューティングするために障害切り分けやトラブルの分析をするもの
なぜ、ダッシュボードをメール送信するのか?
毎日の業務は、朝イチのスケジュール確認とメール確認から始まります。今日の予定を確認できたら、急ぎのメールから読んでいきます。ここで大量のメール処理に疲れていることをいつも思い出す。ダッシュボードをメール送信するということは、さらにメール処理が大変になる気がする。最悪の場合はフォルダ自動振り分けで読まなくなる不安もある。ダッシュボードをメール送信するメリットは何か。
Plan(理想を描く)
オブザーバビリティを導入した。毎日確認できるダッシュボードを作ってWEBアプリの強化と改善をするぞ、と意気込む。
Do(実行する)
しかし忙しいので、ポータルURLを開いてログインしてダッシュボードメニューを表示して、目視確認する余裕がない、と自分に言い訳する。
Check(起きること)
だんだん使わなくなるとダッシュボードが陳腐化する。No Dataと表示されるモニター一覧、稼働率0%のSLOという景色を見た事があるだろうか。
Action(結末)
大切な障害の前兆を見逃してしまう。その結果、障害発生。トラブルシューティングに時間がかかる。このインシデントを反省してアラート通知するmonitorを追加する。きっとアラート通知のメールがもっと増える。
re: Plan(理想を描く)
忙しくてもダッシュボードを定期的に確認できるようにする。ポータルにログインしなくてもメールでダッシュボードを確認する。毎日だと無視するので、最初は月次レポートにする。要望あれば週次にしてもいい。
設定方法
Datadogダッシュボードをメール送信する方法です。
ダッシュボードのメール送信機能に気付かない
実はダッシュボードといっても3タイプあって、よく使うScreenboardタイプにはメール送信機能がないのでこの機能に気付かないことがあります。TimeboardタイプもしくはDashboardタイプにメール送信機能があります。
ダッシュボードの種類
- ダッシュボード(Dashboard)
- タイムボード(Timeboard)
- スクリーンボード(Screenbaord)
ダッシュボードの種類 | メール送信 | 特長(レイアウト) |
---|---|---|
ダッシュボード | 〇 定期的にメール送信できる | Grid座標に画像,グラフ,ログなどのウイジェットが並ぶ |
タイムボード | 〇 定期的にメール送信できる | 順番に表のマスへ配置される |
スクリーンボード | × できない | ピクセル単位に自由に画像,グラフ,ログなどのウイジェットを配置できる |
[Schedule a report]を有効にする
左図のピクセル単位で自由にレイアウトできる Screenboard ダッシュボードには[Schedule a report]アクションが無い。そして、Gird配置するダッシュボードなら[Schedule a report]アクションがある。従って、定期レポート機能の存在は Timeboard もしくは Dashboard を使っている人だけ気付くことができるようです。
メール送信の設定
送信先のメールアドレスと送信スケジュールを設定する程度です。毎日、週次、月次で指定時刻にメール送信されます。設定したら即時メール送信テストができます。デフォルトだと英語だけなので、一目でわかるようにメール件名とメール本文に日本語テキストを含めると視認性が高まると思います。
メールと添付ファイル
実際に届くメールの内容とファイル添付されるPDFイメージはこちらです↓
スマホで見る
ちょっとしたすき間時間にはスマホで確認できるので、見てみようという気になる
注意点
PDFイメージで表示できないDashboardウイジェットが幾つかあるようです。メール送信設定をするときに使っているウイジェットが対象ならば画面に注意が表示されます。私の場合、ホストマップと画像イメージがブランクになります。
まとめ
オブザーバビリティを導入して終わりではなく、継続的にダッシュボードを分析してアプリ強化と運用改善をすることで情報システムの信頼性を高めることができます。私たちSRE以外のアプリ開発チームやビジネスチームにも継続的にダッシュボードを利用いただくためにメール送信を活用できると思います。
-
(課題)ダッシュボードを活用してもらえない
(解決策)メールで送付して定期的に見てもらう -
(課題)毎日忙しいのでダッシュボードにログインする余裕がない
(解決策)添付ファイルでメールが届くと、思い出したように確認するようになる
私の場合、毎月1日にダッシュボード画面がメールで届くので、毎月最低1回は気にするようになった。