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「機密情報を送信しないでください」とGoogle自身が書いている — Gemini APIの無料枠と有料枠を規約の原文で比べた

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Gemini API の追加利用規約に、Google自身が日本語でこう書いています。

本無料サービスには、プライベート情報、機密情報、または個人情報を送信しないでください。

Google AI Studio をブラウザで開いて会議の文字起こしを貼っている人は、規約上これに該当します。

出典:Gemini API 追加利用規約(2026年8月10日取得。日本語版の原文)

無料枠は「人間のレビュアーが確認、注記、処理を行う場合があります」

同じページの「無料サービス」の節です。無料サービス=Google AI Studio の直接操作と、Gemini API の無料枠と定義されています。

Google は使用者が本サービスに送信したコンテンツと生成された回答を使用し、Google のプライバシー ポリシーに従って、Google のプロダクト、サービス、機械学習技術(Google の企業向けの機能、プロダクト、サービスを含む)の提供、改良、開発を行います。

品質の向上とサービスの改善を目的として、使用者が行った API 入出力に対して、人間のレビュアーが確認、注記、処理を行う場合があります。

機械学習に使われるだけでなく、人が読む場合があると書いてあります。
ただし同じ段落に、切り離しの措置も明記されています。

このプロセスの一環として、Google はプライバシーを保護するための措置を講じます。措置には、Google アカウント、API キー、およびクラウド プロジェクトからのデータの切り離しが含まれます。これらは人間のレビュアーによる読み取りや注記の前に行われます。

アカウントとの紐付けは切られる。ただし本文は人が読みうる。 ここを分けて理解する必要があります。

有料枠には日数が書かれていない

では有料にすればいいのか。有料サービスの節はこうです。

本有料サービスの場合、Google は、本サービスの安全性とセキュリティを維持するための使用禁止に関するポリシーに対する違反を検出および防止する目的、ならびに法律または規制によって必要とされる開示を行う目的でのみプロンプトと回答を一定期間記録します。

学習利用については明確に線が引かれています。目的が「違反の検出・防止」と「法令上の開示」に限定されている。

ただ、「一定期間」としか書かれていません。

私が確認した範囲では、このページに具体的な日数はありませんでした。

3社を並べる

保持期間の明示 学習利用 人間のレビュー
OpenAI(API) あり。エンドポイント別に None / 30日 / 消すまで 表の全行で No 明示を見つけられず
Anthropic(API) あり。30日+4つの例外。違反フラグ時は2年/7年 Covered Models で「review」の記載
Google(Gemini API 有料) なし(「一定期間」) 目的を限定(違反検出・法令開示) 有料側には記載を見つけられず
Google(無料枠 / AI Studio) 明示を見つけられず 提供・改良・開発に使用 人間のレビュアーが確認する場合がある

同じ質問をして、答え方が3社で違います。
OpenAI は表で日数を出す。Anthropic は文章で日数と例外を書く。Google は目的を書いて、日数を書かない。

どれが良い悪いではなく、社内資料に「◯日で消えます」と書けるのは、日数が書いてある会社だけということです。

議事録の文脈で何が問題になるか

いちばん危ないのは、無料枠と有料枠の見た目が同じことです。

Google AI Studio の画面は、無料で触っても有料キーで触っても、ほとんど同じに見えます。
それでも規約上の扱いは上の表のとおり違います。画面では判別できません。

議事録の音声や文字起こしには、たいてい以下が混ざります。

  • 出席者の氏名と所属(個人情報)
  • 未公表の売上・原価・取引先名(機密情報)
  • 人事や評価に関する発言(要配慮の可能性)

Google自身が「送信しないでください」と書いている対象そのものです。

情シスに出す1枚に書くなら

  1. 無料枠か有料枠かを名指しする(画面が同じなので、キーの種別で書く)
  2. 保持期間は、日数が書かれているかどうかから書く(書かれていなければ「明示なし」と書く)
  3. 学習利用の目的の限定が書かれているかを引用する
  4. 人間のレビューの有無を別項目で書く(機械学習とは別の論点)

なお、その手前の「そもそも社外秘を外部AIに出してよいか」は法令側の話になるので、
個人情報保護委員会の注意喚起(令和5年6月2日)とクラウド例外のFAQを原文で引いて、
情シスに出す1枚に何を書くか(5項目)として別に書いています。

この記事で確認できなかったこと

  • Google 有料枠の具体的な日数。 「一定期間」以外の記載を、この規約ページ内では見つけられませんでした。Cloud 側のドキュメントに別途ある可能性があります
  • Vertex AI(Google Cloud 側)の扱い。 本記事は ai.google.dev の Gemini API 追加利用規約のみを対象にしています。Vertex AI は別規約です
  • Microsoft(Azure OpenAI)。 今回は3社まで。次に確認します
  • 規約ページの発効日。 ページ内に発効日の表示を見つけられませんでした。2026年8月10日時点の取得内容です
  • 「人間のレビュアー」の保持期間。 レビュー後にデータがどれだけ残るかは書かれていません
  • 切り離しの実装。 「アカウント・APIキー・クラウドプロジェクトからの切り離し」が技術的にどう行われるかは不明です

数字と条文を社内資料に転記する場合は、必ずリンク先の原文をご自身で確認してください。規約は更新されます。

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