🟢 序章:エンドポイント管理ってなんなのだ?
ずんだもんとイタコのセキュリティ雑談
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ずんだもん「イタコ、最近ランサムウェアの被害が多いのだ。やっぱりエンドポイント管理って大事なのだ?」
東北イタコ「そうですわね。ここで言う“エンドポイント”というのは“デバイス”というニュアンスで考えるといいですわ。“侵入経路の入口”としての管理、つまりセキュリティ管理としての意味が強いですわね。」
ずんだもん「なるほどなのだ。すべての侵入はエンドポイントを経由するって基本に立ち返ると、その管理の重要性がよくわかるのだ!」
東北イタコ「その通りですわ。ここではWindows自体をエンドポイントとせず、AVDなどのWindows仮想マシンにつなげるための代替端末のアイデアを考えてみましょう」
🍎 セキュリティでまず考えたいのがApple製品
ずんだもん「Apple製品って、最初からセキュリティが高い印象があるのだ!」
東北イタコ「ええ。ひとつはMacやiPadをエンドポイントにするという選択肢ですわ。Appleのデバイスは権限管理がWindowsよりも厳格なんです。その分自由度は下がりますけれど、セキュリティ面では堅牢ですの。」
iPadの強み
東北イタコ「iPadはIntuneやJamfを使えば、強力なロックダウンと遠隔管理、そしてゼロタッチ展開が可能ですの。ほとんど手間がかからず、リモート接続用のシンクライアントとして必要十分ですわ。」
ずんだもん「管理の手間も減って、セキュリティも上がるのはみんなにとって助かるのだ!」
東北イタコ「ただし外付けモニタにミラーリングするときは16:10のものにしないと左右に帯が大きくなるので注意ですわよ。」
Macの特徴と限界
東北イタコ「Macに関しては、Windowsのキオスクのように完全ロックダウンはできませんの。プリインストールアプリは削除できないし、UIレベルでの侵入経路を減らすのが限界ですわね。」
ずんだもん「でもMacは“PC”だから、iPadよりも外部モニタやウインドウ操作が快適なのだ!」
東北イタコ「そうですわね。それにMacをシンクライアントとして使うのはちょっともったいないかしら...。EdgeやSafariといったMDM経由のマネージドブラウザを使ってSSOアプリへのローカルブレイクアウトを許容すれば、VDIのトラフィックも緩和できて現実的ですわね。」
Apple製品の総評
東北イタコ「まとめると、Apple製品は最初からセキュリティが高いのですわ。アプリがサンドボックスで動くので、Windowsのようにカーネルごと落ちることが少ないですし、権限昇格もアプリ単位で細かく制御できますの。」
ずんだもん「権限やカスタマイズが厳格でちょっと不自由さはあるけど、そのぶん安心なのだ!」
🐧 Linuxをエンドポイントにできる?
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ずんだもん「Appleもいいけど、Linuxをエンドポイントにするのはありなのだ?」
東北イタコ「もちろん可能ですわ。Linuxベースのシンクライアントはすでに各ベンダーが提供していますけれど、自社で作りこむことも不可能ではありませんの。」
ずんだもん「おお、カスタマイズ性が高そうなのだ!」
東北イタコ「セキュリティを最重視するなら堅牢なDebianがいいですわね。最新のデバイス互換性やドライバ重視ならUbuntuが良い選択ですわ。どちらも"Server"や“Core"モードで最小構成のCLIオンリーから必要な機能だけを足していくのが良いですわ。」
ずんだもん「WindowsやMacが“最初から全部入り”でロックダウンによる“引き算”の管理をするのに対して、Linuxは最初から最小原則に基づいて安全に“足し算”していけるのが強みなのだ!」
東北イタコ「はい、最小構成から積み上げていけるのはLinuxの強みですわね。」
⚙️ 展開・アップデートなどの運用面
東北イタコ「実際の運用も重要ですわね。WindowsやMacでは一度ユーザー展開してしまうと、気軽に初期化や再配置が難しいですわ。」
ずんだもん「WindowsではAutopilotが実用化しているけど、完全なゼロタッチじゃなくて、結局手動の調整が必要なケースが多いのだ。」
東北イタコ「そのうえWindowsUpdateやGPO、レジストリなど調整要素が多く、運用工数が多いですわね。PCが100台あれば数台の個別トラブルは覚悟しないといけませんわ。」
ずんだもん「Macは同一ハードウェアだから、その点は少し安心なのだ。」
東北イタコ「ええ。Linuxはそもそもサーバー用途を前提に設計されているから、アップデートも安定していて、再起動も少なく済むのが特徴ですわ。」
ずんだもん「じゃあLinuxをエンドポイントにするために使えそうなアプリを探してみようなのだ!」
🤖 使えそうなツールいろいろ
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🔒 Tailscale / Zerotier
東北イタコ「LinuxではSSHが便利な反面、セキュリティリスクにもなりますの。ポートを変えたり、TailscaleやZerotierのようなZTNAを使って仮想ネットワーク上だけで受信を許可するのがいいですわ。」
ずんだもん「なるほどなのだ。ここが突破されたら社内ネットワークに侵入されたのと同じだから、Entra IDによるSSOを必須にすべきなのだ。」
🚝 Intuneポータルアプリ(Linux版)
東北イタコ「Ubuntuなら、Intune連携でEntraIDユーザーをローカルに作りつつ、authdを有効化してOSログイン時にMFAを強制できますの。これはWindowsやMacではまだできない仕組みですわ。」
ずんだもん「そうなのだ。たとえばMacの指紋認証はローカルパスワードの代行でしかないのだよね。」
東北イタコ「その通りですわ。Windows Hello for BusinessもローカルTPMに保存されるので、複数デバイスでのMFAとはちょっと方向性が違いますの。その点、LinuxならOSレベルでMFAログインが可能ですわね。」
⚙️ Ansible
東北イタコ「Ansibleはサーバー管理ツールとして知られていますが、クライアントLinuxにももちろん有効ですわ。Intuneの『スクリプト修復(Remediation)』みたいな冪等性のある構成修復を、追加ライセンスなし・任意のタイミングで実行できますの。」
ずんだもん「それはすごいのだ!Remediation機能がAnsibleサーバーだけで完結できるのはコスパも良いのだ!」
🌐 MeshCentral
ずんだもん「MeshCentralってQiitaの記事にもあったけどけっこう高機能みたいなのだな。」
東北イタコ「そうみたいですわね。MeshCentralのエージェントを入れれば、リモート操作や再展開、ファイル配布まで幅広くできますの。Linuxホストだけでなく、KVM上で動かすWindows仮想機にも適用可能ですわ。」
ずんだもん「Intune、Ansibleと組み合わせることでクラウドネイティブなエンドポイント管理に近づけそうなのだ!」
🧭 まとめ:エンドポイントの柔軟性が求められる時代
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ずんだもん「イタコ、ここまで勉強になってありがとうなのだ!でも結局、どれを選べばいいのだ?」
東北イタコ「それは目的によりますわね。用途に応じて選べばいいですわ。」
| 種別 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| iPad | セキュリティは最高レベル。シンクラとして優秀だが外部モニタ連携時は黒帯発生による表示の妥協が必要。iPad mini + 16:10モニタなら快適。寿命も長くリセールも高い。 | シンクライアント・現場端末 |
| Mac | iPad同様に高セキュリティ。ただし完全ロックダウン不可。ローカルブレイクアウト前提となり設計は多重化しやすい。 | リモート + ローカル作業併用端末 |
| Linux | 堅牢・安定志向ならDebianで最小インストール、またはIntune連携のUbuntu (Server)も現実的。コードベースによる効率運用。 | 柔軟にカスタマイズが可能なゼロクライアント端末 |
ずんだもん「つまり、エンドポイントを見直すことで侵入経路を未然に防ぎ、ランサムウェア対策にもなるのだ!」
東北イタコ「その通りですわね。守りを固めるなら、まず“触るデバイス”から考えるのが王道ですわ。」
📝 まとめ
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すべての侵入はエンドポイントを経由する。
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Apple製品はサンドボックス構造で高セキュリティ。
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Linuxは自社好みにカスタマイズしやすい。最小構成“足し算設計”で堅牢にできる。
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UbuntuやRedHatならIntune+ZTNA+Ansibleでクラウドネイティブな管理が可能。
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エンドポイント端末のグランドデザインを見直すことが、ランサムウェア防止の第一歩。
🎭 会議室にて
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ずんだもん「イタコ、パスワードを忘れたのだ!」
東北イタコ「はいはい。リセットメールを送りましたよ。」
ずんだもん「でもそのメールにログインできないのだ!」
東北イタコ「……多層防御、完璧ですわね。」
ずんだもん「セキュリティが強すぎて、何もできないのだぁ!😭」
東北イタコ「最終手段です。紙にパスワードを書いて机に貼りましょう。」
ずんだもん「ゼロトラストから一気に“全幅の信頼”になってしまったのだ😇」
利用キャラクター
- ずんだもん:VOICEVOX:ずんだもん
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リンク集
MeshCentral - 2023 Update - A powerful, Professional Level, Remote Machine Management Tool!
How to Setup Multi-Factor Authentication (MFA) in Ubuntu

