はじめに
Google Earth Engine (GEE) は、人工衛星などで取得した情報を地図上に描画することが可能です。それだけではなく、その情報を使ってチャートを作成することができます。
今回は、富士山の登山ルートの一つである吉田ルートの各チェックポイントの標高を使ったチャートを作成しました!
Google Earth Engine でチャートを扱ってみる
吉田ルートについて
日本一標高が高く、世界文化遺産にも登録されている富士山は、7月になると登山シーズンをむかえます。登山ルートは、吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルートとあり、その中で最もメジャーなルートが吉田ルートです。
今回は、この吉田ルートの合目の標高をプロットしたチャートを作成します。
チャートの作成工程
今回使った合目の位置については、コース案内をもとに Google Map から位置座標を取得しました。一部 Google Map でわからず取得できていないものもあります。また、富士山の登山は、五合目からスタートするので、五合目からの位置情報を取得しています。
以下のコードは、GEEにある Example をもとに作成しています(Example > Charts > Elevation Plofile で確認可能)。
// 標高データを取得
var elevation = ee.Image('CGIAR/SRTM90_V4');
// 各合目の位置座標
var waypoints = [
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.7326023464491, 35.394567945420114]), {'name': '五合目'}),
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.74769414680398, 35.385406032847484]), {'name': '六合目'}),
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.74448247745116, 35.37915928448756]), {'name': '七合目'}),
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.74160647471373, 35.37427454495214]), {'name': '八合目'}),
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.73895904407863, 35.369255412513894]), {'name': '本八合目'}),
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.7374261003066, 35.36818286027351]), {'name': '八合五勺'}),
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.73517600457265, 35.36703037398237]), {'name': '九合目'}),
ee.Feature(ee.Geometry.Point([138.72742497837712, 35.360748404268215]), {'name': '山頂'}),
];
// 描画できる形に変換
var fcWaypoints = ee.FeatureCollection(waypoints);
// チャート
var chart = ui.Chart.image.byRegion({
image: elevation,
regions: fcWaypoints,
scale: 100,
xProperty: 'name'
});
chart.setOptions({
title: '吉田ルートの各ポイントの標高',
vAxis: {
title: '標高(メートル)'
},
legend: 'none',
lineWidth: 1,
pointSize: 4
});
print(chart);
実際に描画したチャートがこちらです。結構綺麗なチャートが描画できます。
このように、チャートの各点上でホバーしてみると、詳細の標高が表示されます。
各合目の標高を以下の表にまとめてみました。
合目 | 標高(メートル) |
---|---|
五合目 | 2,316 |
六合目 | 2,404 |
七合目 | 2,701 |
八合目 | 3,079 |
本八合目 | 3,372 |
八合五勺 | 3,491 |
九合目 | 3,583 |
山頂 | 3,709 |
「あれ...?」と思われる方もいるかもしれませんが、山頂の標高がおかしいですね。
今回使用したデータは、SRTM Digital Elevation Data Version 4 というものを使っています。こちらのデータは、スペースシャトルで観測されたものであり、少し誤差があると思われます。スペースシャトルから観測して、誤差が 70 m ぐらいなのすごい気もします。
さいごに
今回は、GEEを使ってチャートを作成してみました。テーマとしては、標高を扱うこと、7月であることから、富士山の登山コースの一つである、吉田ルートの合目を扱ってみましたが、他のことにも応用ができそうな感じでよかったです。