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DynamoDB の S3への増分エクスポートを試してみた

Last updated at Posted at 2023-09-27

背景・目的

AWSが2023年9月26日にAmazon DynamoDB(DDB)からAmazon S3(S3)へのインクリメンタルエクスポート機能を発表いたしました。この新機能により、どのようにデータ管理が変わるか、実際に手を動かしながら基本的な挙動を確認してみます。

まとめ

  • AWSの増分エクスポート機能により、挿入、更新、または削除されたデータを少量ずつエクスポートでき、数メガバイトからテラバイトのデータ範囲に対応しています。
  • ポイントインタイムリカバリが有効なDDBテーブルが対象です。
  • 指定した期間の増分データをS3バケットにエクスポートします。
  • この機能はフルマネージドであり、DDBの容量を消費せず、定期的なデータ更新が容易になります。
  • サポートされているデータ形式はDynamoDB JSONとAmazon Ionです。
  • これにより、テーブル全体を毎回エクスポートする必要がなく、変更データのみを効率的にダウンストリームデータレイクや分析ターゲットに送ることができます。

概要

Announcing incremental export to S3 for Amazon DynamoDBを元に概要を整理します。

本日、Amazon DynamoDB は、指定された時間間隔内に変更されたデータのみをエクスポートできる S3 への増分エクスポートの一般提供を発表しました。増分エクスポートを使用すると、挿入、更新、または削除されたデータを少しずつエクスポートできるようになりました。AWS マネジメントコンソール、API 呼び出し、または AWS コマンドラインインターフェイスで数回クリックするだけで、数メガバイトからテラバイトの範囲で変更されたデータをエクスポートできます。ポイントインタイムリカバリが有効になっている DynamoDB テーブルを選択し、増分データが必要なエクスポート期間を指定し、ターゲットの Amazon S3 バケットを選択して、エクスポートします。

増分エクスポートを使用すると、テーブル全体のエクスポートを毎回実行することなく、変更データ キャプチャ パイプラインをセットアップしてダウンストリーム データ レイクまたは分析ターゲットを定期的に更新できます。S3 への増分エクスポートはフルマネージド機能であり、DynamoDB テーブルの容量を消費しません。サポートされているデータ形式は、DynamoDB JSON と Amazon Ion です。増分エクスポートは、すべての AWS 商用リージョンと GovCloud で利用できます。

  • AWSの増分エクスポート機能はDDBからS3へのデータエクスポートを効率化。
  • 挿入、更新、削除されたデータを少量ずつエクスポートする。
  • データ範囲は数メガバイトからテラバイトまで対応。
  • 操作はマネコン、API、CLIから実行可能
  • ポイントインタイムリカバリ(PITR)が有効なDynamoDBテーブルで、指定期間の増分データをS3にエクスポート可能。
  • フルマネージドサービスで、DynamoDBの容量は消費されない。
  • 定期的なデータ更新が容易になる
  • サポートされるデータ形式はDynamoDB JSONとAmazon Ion。
  • テーブル全体をエクスポートする必要がなく、変更データのみをダウンストリームデータレイクや分析ターゲットに送れる。
  • すべてのAWSリージョンで利用可能

機能

Introducing incremental export from Amazon DynamoDB to Amazon S3を元に整理します。

  • Incremental Exportでは、下記が選択可能です。
    • 期間
    • 出力イメージ:「New only」または「New and Old」
    • Encryption:「S3-SSE」、「SSE-KMS」

実践

下記について試してみます。

  • Incremental Exportでタイムウインドウを変更した際の比較
  • Incremental Exportの「New only」と「New and old」の比較

なお、本検証は、こちらのドキュメントを参考に進めていきます。

事前準備

DDBの準備

テーブルの作成

  1. 下記の内容を入力し、「テーブルの作成」ボタンをクリックします。
    • テーブル名:ddb_incremental_export_table(任意)
    • パーティションキー:id(任意)
    • キャパシティ:オンデマンド
      image.png
      image.png
      image.png
      image.png

PITRの有効化

  1. 作成したテーブルで、①「バックアップ」タブ、②「編集」をクリックします。
    image.png

  2. 「ポイントタイムリカバリの有効化」をチェックし、「変更を保存」をクリックします。
    image.png

S3の作成

  1. S3バケットを作成します。

データの準備

  1. 下記のデータを新規に登録します。

    id value
    ===
    1 test1
    2 test200
    

    image.png

Incremental Export (New only)

  1. S3へのエクスポートを選択します。
    image.png

  2. S3バケットを指定して、エクスポートを設定します。

    • エクスポート期間を、最後の30min
    • JSONフォーマット
    • 新しいイメージのみ
    • 暗号化キータイプは、SSE-S3

    image.png

  3. 出力されました。下記のうち、20.0B以外の2つのファイルを確認します。
    image.png

  4. NewImagesの属性に更新後のデータのみ含まれていることがわかりました。

    $ ls -l *json
    -rw-r--r--  1 XXX  XXX  139  9 27 09:21 4kkyzi6ibqzw3loswrastf2g7u.json
    -rw-r--r--  1 XXX  XXX  137  9 27 09:21 e2uc3uj2kuygnkitwuz3iueo7e.json
    $ cat *json
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695772297480792"}},"Keys":{"id":{"N":"2"}},"NewImage":{"id":{"N":"2"},"value":{"S":"test200"}}}
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695772182799033"}},"Keys":{"id":{"N":"1"}},"NewImage":{"id":{"N":"1"},"value":{"S":"test1"}}}
    $ 
    

補足:Full Exportもあらためて確認

  1. フルエクスポートも試してみます。
    image.png

  2. 出力されました。下記のうち、20.0B以外の2つのファイルを確認します。
    image.png

  3. Full Exportの場合は、想定通り最後のデータが出力されています。

    $ ls *json
    h5vnx46qoe23xjz6227jvau6ii.json	rb3bvaj7vu2ptkbglxzmiy2lli.json
    $ cat *json
    {"Item":{"id":{"N":"2"},"value":{"S":"test200"}}}
    {"Item":{"id":{"N":"1"},"value":{"S":"test1"}}}
    $ 
    

Incremental Export (New and old)

  1. データを更新・追加・削除します。

    • id1を削除
    • id2のvalueをtest200からtest2に変更
    • id4を追加

    image.png

  2. 新旧イメージでエクスポートします。
    image.png

  3. 出力されました。下記のうち、20.0B以外の2つのファイルを確認します。
    image.png

  4. NewImageとOldImageの属性が出力されました。下記の確認ができました。

    • 削除したid1については、OldImageのみ
    • 変更したid2については、OldImageとNewImage
    • 追加したid4については、NewImageのみ
    $ cat *json
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695775410591400"}},"Keys":{"id":{"N":"1"}},"OldImage":{"id":{"N":"1"},"value":{"S":"test1"}}}
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695775397956928"}},"Keys":{"id":{"N":"2"}},"OldImage":{"id":{"N":"2"},"value":{"S":"test200"}},"NewImage":{"id":{"N":"2"},"value":{"S":"test2"}}}
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695775321187562"}},"Keys":{"id":{"N":"4"}},"NewImage":{"id":{"N":"4"},"value":{"S":"test4"}}}
    $
    

Incremental Export (New) 2回目

上記の状態でNewのみで出力した場合の挙動を確認してみます。

  1. 新しいイメージのみを選択し、「エクスポート」を選択します。
    image.png

  2. 出力されました。下記のうち、20.0B以外の2つのファイルを確認します。
    image.png

  3. id2とid4以外にも、id1の値が出力されています。

    $ ls *json
    7wm5lpcvzu3khph4usyxbnybdy.json	dvixszpzsu2tpjzoogjevvt3ii.json
    $ cat *json
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695775410591400"}},"Keys":{"id":{"N":"1"}}}
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695775397956928"}},"Keys":{"id":{"N":"2"}},"NewImage":{"id":{"N":"2"},"value":{"S":"test2"}}}
    {"Metadata":{"WriteTimestampMicros":{"N":"1695775321187562"}},"Keys":{"id":{"N":"4"}},"NewImage":{"id":{"N":"4"},"value":{"S":"test4"}}}
    $ 
    

こちらのブログの記事でいうところの、id1はKeysのみ表示されているようです。

※出典:Introducing incremental export from Amazon DynamoDB to Amazon S3

Incremental Export (New) 3回目(更新されないデータは出力されるのか確認)

上記から変更せずに、エクスポート期間を短縮しエクスポートし、どのようなデータが出力されるか確認します。

  1. 期間を15min(この期間に更新はしていない。)に変更し、新しいイメージのみを選択し、「エクスポート」を選択します。
    image.png

  2. 出力されました。20.0Bのファイルしかないようです。念のため内容を確認してみます。
    image.png

  3. やはり出力されていないようです。

    $ ls *json
    3dqevhuv2m2mpa2zm3b63izloq.json	evskgte45m6q5du3b7kbh5imci.json	sars3z627i2xdgkwj62y6rv6yq.json	ztjtq4vwwe65jnhmgh6ypyheoe.json
    $ cat *json
    $
    

考察

  • 更新・削除・追加のステータスを確認するには、「New Image Only」の場合、下記のように確認すればよさそうです。
    • New Imageがある場合、InsertかUpdateされていること
    • New Imageがない場合、Deleteされていること
  • Incremental Exportを利用すれば、DDBからS3上での差分更新などを効率よく行えそうです。

参考

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