Amazon OpenSearch Serviceについて試してみた

Last updated at 2024-09-15Posted at 2024-09-15

背景・目的

最近、OpenSearch Serviceに触る機会が増えてきましたので、基本的な知識の整理と簡単に動作を確認します。

まとめ

下記に特徴をまとめます。

特徴	説明
Amazon OpenSearch Service	AWS クラウドでの OpenSearch クラスターのデプロイ、運用、スケーリングを容易にするマネージドサービス
Amazon OpenSearch Serviceによりできること	OpenSearch クラスターのすべてのリソースをプロビジョニングし、クラスターを起動する障害が発生した OpenSearch サービスノードを自動的に検出して置き換え、セルフマネージドインフラストラクチャに関連するオーバーヘッドを削減するクラスターを簡単にスケーリングできる
OpenSearch	オープンソースの検索および分析エンジン
ユースケース	・ログ分析・リアルタイムアプリケーションモニタリング・クリックストリーム分析など
Amazon OpenSearch Service の料金	下記に対して料金を支払う・EC2インスタンスの使用時間・インスタンスにアタッチされたEBSストレージボリュームの累積サイズ・標準AWS データ転送料金ただし下記は請求しない・AZ間のトラフィック・シャード割当と再調整中のドメイン内のデータ転送・UltraWarm/Coldノードと、S3間のデータ転送
OpenSearch Serverless	OpenSearch クラスターのプロビジョニング、設定、チューニングの運用上の複雑さを排除する

概要

Amazon OpenSearch Service とは

下記を基に整理します。

Amazon OpenSearch Service は、 AWS クラウドでの OpenSearch クラスターのデプロイ、運用、スケーリングを容易にするマネージドサービスです。Amazon OpenSearch Service は、 OpenSearch およびレガシー Elasticsearch OSS (ソフトウェアの最終オープンソースバージョンである 7.10 まで) をサポートしています。クラスターを作成するときに、どの検索エンジンを使用するかのオプションがあります。

AWS クラウドでの OpenSearch クラスターのデプロイ、運用、スケーリングを容易にするマネージドサービス
OepnSearch Serviceは、下記をサポートしている
- OpenSearch
- Elasticsearch OSS (ソフトウェアの最終オープンソースバージョンである 7.10 まで)

OpenSearch は、ログ分析、リアルタイムアプリケーションモニタリング、クリックストリーム分析などのユースケース向けの、完全にオープンソースの検索および分析エンジンです。詳細については、 OpenSearch ドキュメントを参照してください。

下記のユースケース向け
- ログ分析
- リアルタイムアプリケーションモニタリング
- クリックストリーム分析など
オープンソースの検索および分析エンジン

Amazon OpenSearch Service は、 OpenSearch クラスターのすべてのリソースをプロビジョニングし、クラスターを起動します。また、障害が発生した OpenSearch サービスノードを自動的に検出して置き換え、セルフマネージドインフラストラクチャに関連するオーバーヘッドを削減します。また、単一の API コールを使用するか、コンソールで数回クリックするだけで、クラスターを簡単にスケーリングできます。

OpenSearch クラスターのすべてのリソースをプロビジョニングし、クラスターを起動する
障害が発生した OpenSearch サービスノードを自動的に検出して置き換え、セルフマネージドインフラストラクチャに関連するオーバーヘッドを削減する
クラスターを簡単にスケーリングできる

OpenSearch サービスの使用を開始するには、クラスターに相当する OpenSearch サービスドメイン OpenSearch を作成します。クラスター内の各 EC2 インスタンスは、1 つの OpenSearch サービスノードとして機能します。

使用を開始するには、OpenSearch サービスドメイン OpenSearch を作成する
クラスター内の各 EC2 インスタンスは、1 つの OpenSearch サービスノードとして機能する

Amazon OpenSearch Service の機能

下記の機能が含まれている

カテゴリ	機能
スケール	費用効率の高い Graviton インスタンスを含む、インスタンスタイプと呼ばれる、CPU、メモリ、ストレージ容量の多数の設定
	最大 3 PB のアタッチ済みストレージ
	読み取り専用データ用の費用対効果UltraWarmの高いコールドストレージ
セキュリティ	AWS Identity and Access Management (IAM) アクセスコントロール
	Amazon VPC および VPC セキュリティグループと簡単に統合
	保管中のデータの暗号化と node-to-node 暗号化
	OpenSearch Dashboards の Amazon Cognito 、HTTP 基本、または SAML 認証
	インデックスレベル、ドキュメントレベル、フィールドレベルのセキュリティ
	監査ログ
	Dashboards マルチテナンシー
安定性	リージョンおよびアベイラビリティーゾーンと呼ばれる、リソース用の複数の地理的場所
	マルチ AZ と呼ばれる、同じ AWS リージョン内の 2 つまたは 3 つのアベイラビリティーゾーンにまたがるノード割り当て
	クラスター管理タスクをオフロードする専用マスターノード
	OpenSearch サービスドメインをバックアップおよび復元するための自動スナップショット
柔軟性	ビジネスインテリジェンス (BI) アプリケーションとの統合のための SQL サポート
	検索結果を改善するためのカスタムパッケージ
人気のあるサービスとの統合	OpenSearch Dashboards を使用したデータの視覚化
	OpenSearch サービスドメインメトリクスのモニタリングとアラームの設定 CloudWatch のための Amazon との統合
	OpenSearch サービスドメイン AWS CloudTrail への設定 API コールを監査するためのとの統合
	ストリーミングデータを OpenSearch サービスにロードするための Amazon S3、Amazon Kinesis 、および Amazon DynamoDB との統合
	データが特定のしきい値を超えたときの Amazon SNS からのアラート

Amazon OpenSearch サーバーレス

Amazon OpenSearch Serverless は、Amazon OpenSearch Service のオンデマンド、自動スケーリング、サーバーレス設定です。Serverless は、 OpenSearch クラスターのプロビジョニング、設定、チューニングの運用上の複雑さを排除します。詳細については、「Amazon OpenSearch Serverless」を参照してください。

OpenSearch Serverlessは、OpenSearch クラスターのプロビジョニング、設定、チューニングの運用上の複雑さを排除する

Amazon OpenSearch Service の料金

OpenSearch サービスについては、EC2 インスタンスの使用時間ごと、およびインスタンスにアタッチされた EBS ストレージボリュームの累積サイズに対して料金を支払います。標準 AWS データ転送料金も適用されます。

ただし、いくつかの注意すべきデータ転送の例外があります。ドメインが複数のアベイラビリティーゾーンを使用している場合、 OpenSearch サービスはアベイラビリティーゾーン間のトラフィックに対して課金しません。シャードの割り当てと再調整中に、ドメイン内で重大なデータ転送が発生します。 OpenSearch サービスは、このトラフィックを計測も請求もしません。同様に、 OpenSearch サービスは UltraWarm/cold ノードと Amazon S3 間のデータ転送には課金しません。

下記に対して料金を支払う
- EC2インスタンスの使用時間ごと
- インスタンスにアタッチされたEBSストレージボリュームの累積サイズ
- 標準AWS データ転送料金
ただし下記は請求しない
- AZ間のトラフィック
- シャード割当と再調整中のドメイン内のデータ転送
- UltraWarm/Coldノードと、S3間のデータ転送

実践

下記のドキュメントを基に、ドメインの作成、データアップロード、ドキュメント検索を実施します。

ステップ 1: Amazon OpenSearch Service ドメインを作成する

AWSにサインインし、OpenSearch Serviceに移動します
「マネージド型クラスター」を選択し、「ドメインの作成」をクリックします
下記を入力します
- ドメイン名：movies
- ドメインの作成方法：標準作成
- テンプレート：開発/テスト
- デプロイオプション：スタンバイが有効のドメイン
- エンジンオプション：最新
- ※下記は無視します（スキップします）
  - データノード
  - ウォームデータストレージ
  - コールドデータストレージ
  - 専用マスタノード
  - スナップショットの設定
  - カスタムエンドポイント
- ネットワーク：パブリックアクセス
  - ※簡易的なチュートリアルのため
- きめ細やかなアクセスコントロールの有効化：チェック
- マスターユーザー：マスターユーザーの作成
  - マスターユーザー名
  - マスターパスワード
- ※ SAML認証、JWT、Cognito認証は無視します
「作成」ボタンをクリックします
15分〜20分くらいで作成されました

ステップ 2: インデックス作成のために Amazon OpenSearch Service にデータをアップロードする

下記のコマンドでドキュメントをアップロードします

$ curl -XPUT -u 'XXXX:YYYY' 'https://search-movies-XXXXXXXX.aos.ap-northeast-1.on.aws/movies/_doc/1' -d '{"director": "Burton, Tim", "genre": ["Comedy","Sci-Fi"], "year": 1996, "actor": ["Jack Nicholson","Pierce Brosnan","Sarah Jessica Parker"], "title": "Mars Attacks!"}' -H 'Content-Type: application/json'
{"_index":"movies","_id":"1","_version":2,"result":"updated","_shards":{"total":3,"successful":3,"failed":0},"_seq_no":1,"_primary_term":1}
$

ステップ 3: Amazon OpenSearch Service でドキュメントを検索する

下記のコマンドを実行し、「mars」という単語を検索します

$ curl -XGET -u 'XXXX:YYYY' 'https://search-movies-XXXXXXXX.aos.ap-northeast-1.on.aws/movies/_search?q=mars&pretty=true'
{
  "took" : 925,
  "timed_out" : false,
  "_shards" : {
    "total" : 5,
    "successful" : 5,
    "skipped" : 0,
    "failed" : 0
  },
  "hits" : {
    "total" : {
      "value" : 1,
      "relation" : "eq"
    },
    "max_score" : 0.2876821,
    "hits" : [
      {
        "_index" : "movies",
        "_id" : "1",
        "_score" : 0.2876821,
        "_source" : {
          "director" : "Burton, Tim",
          "genre" : [
            "Comedy",
            "Sci-Fi"
          ],
          "year" : 1996,
          "actor" : [
            "Jack Nicholson",
            "Pierce Brosnan",
            "Sarah Jessica Parker"
          ],
          "title" : "Mars Attacks!"
        }
      }
    ]
  }
}
$

ステップ 4: Amazon OpenSearch Service ドメインを削除する

ドメイン「movies」を選択し、「削除」ボタンをクリックします

考察

今回は、OpenSearchの基本と、ドメインの作成〜データのPut、検索まで試しました。
次回以降は、機能の特徴を踏まえた動作を確認していきます。

参考

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