Prism(OpenAIのアレです)で日本語文書を作成する際のポイントについて解説します。
本記事のスコープは「日本語文書作成を開始する際の設定」です。その他のPrismに関する事項については他の文献を参照してください。
前提知識
- Prismが何であるかを既に知っている。
- LaTeXの知識については初心者レベルでよい(初心者を念頭においている)。
日本語文書作成開始の手順
LaTeX文書を作成する際には「テンプレートファイル」を使う場合と使わない場合があります。それぞれの場合について解説します。
文書テンプレートを使わない場合
この場合の手順は以下の通りです。
-
エディタ領域のテキストを全部消す1(←大事
) -
AIに以下のように依頼する。
「和文文書の設定をしてください」 -
あとは自力なりAIなりでどうにかする

大事なポイントは次の2つです。
- テキストを一旦全部消す2。
- 依頼文(プロンプト)で「和文文書」という言葉を使う。
LaTeXの世界では「和文文書(日本語を基底とする文書)」と「日本語を含む欧文文書」では(要求される体裁が異なるため)設定が大きく異なります3。そのため「日本語を使えるようにして」のような曖昧なプロンプトでは「和文文書を作りたい」という意図が伝わりません。「和文文書」という単語を含めることで意図が明確になります。
特に、既にエディタ領域に書かれているコードが欧文文書である場合は、それに引きずられてしまうので和文文書の設定に失敗する危険性が高くなります。現状のPrismで新規プロジェクトを作ると「Prismの使い方を記述した文書」がサンプルコードとして書かれた状態になりますが、この文書は(本文の大部分が日本語ですが)欧文文書であるため、この設定を残さないように注意する必要があります。
補足事項
- 「和文文書の設定」においてはLaTeXエンジンはLuaLaTeXになっているはずで、先頭付近に
% !TEX program = lualatex
という行があるはずです。もしここがxelatexになっている場合は
「LuaLaTeXを使うようにしてください」
と依頼しましょう。 - もしこの手順でうまくいかない場合(文書クラスが
articleやreportになる等)は、(一旦全部消したうえで)次のように依頼しましょう。
「ltjsarticleを使った和文文書の設定をしてください」 - 使いたい文書クラス4が決まっている場合もそれを明示して依頼します。
「ltjsbookを使った和文文書の設定をしてください」 - PrismのAIは把握できているはずですが、自分で何か調べる際には「自分はLuaLaTeXを使っている」ということに留意してください。
文書テンプレートを使う場合
この場合は一般のオンラインLaTeXエディタ(Overleaf等)を使う場合と同じ手順になりますが、ここで重要な注意点があります。それは現状のPrismは(公式には)(u)pLaTeXをサポートしていないということです。もし(u)pLaTeXの使用を前提としたテンプレートを使いたいなら、Prismの利用は諦めるしかありません(ざんねん
)
補足:LaTeXエンジン選択の設定方法
Prismではコンパイルに使用するLaTeXエンジン(ワークフロー)の選択をマジックコメントで指定します。
- 既定ではpdfLaTeXが使われます。
- LuaLaTeXを使いたい場合は先頭付近に次のコメントを書きます。
% !TEX program = lualatex - XeLaTeXを使いたい場合は先頭付近に次のコメントを書きます。
% !TEX program = xelatex - pLaTeX・upLaTeXは(少なくとも公式には5)サポートされていません
-
「テキストを全部消す」ためのショートカットは、Windowsでは「Control+A→Delete」、Macでは「Command+A→Delete」です。 ↩
-
もし既に本文に文章を書き始めている状態の場合は、
\begin{document}より前を全部消すとよいでしょう。 ↩ -
たとえ本文において日本語の文書が大多数を占めていたとしても、欧文文書の設定がなされているならそれは欧文文書です。これは「K-POPの歌の歌詞を全部日本語にしてもJ-POPになるのではない」のと同様の話です。 ↩
-
jlreqクラスを使う場合は「LuaLaTeXとjlreqを使った~」のようにエンジンも明示した方がよいでしょう。 ↩
-
アッ
なんかゴニョゴニョしているアレな人たちがいるぞ! [2026-02-01追記] アアッ
奥村氏がアレ的方法の具体的手順を紹介しているぞ!(自分は一般向けに紹介することには消極的です
) ↩



