1. はじめに
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今回は、前回までのBitZeny編、Koto編に引き続き、Bitcoin編として自分自身への備忘録を兼ねて、Raspberry PiでCPUマイニングをはじめる方法を、お伝えしたいと思います。
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手順はおおむね前回までのBitZeny編、Koto編と同じですが、計算アルゴリズムが異なるらしくBitcoin用のcpuminerをビルドする必要があります。(他のアルトコインのcpuminerをそのまま用いると、 (yay!!!)とはならずに(booooo)となるかと思います。)
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ウォレットには「Blockchain.com」Webサイト版を利用しています。
2. この記事を読んでできること
- Raspberry PiでBitcoinをCPUマイニングできるようになる。
3. 必要なもの
- Raspberry Pi(この記事では Raspberry Pi4B 4GB版 を利用しました)
- SDカード
- インターネット環境
- パソコン(Windows10など)
- sshクライアントソフト(TeraTerm)
4. cpuminerのセットアップ
- 以下のコマンドを順次実行し、cpuminerをセットアップします。
コマンドプロンプト
// ホームディレクトリに移動
$ cd
// ソースの取得
$ git clone --depth 1 https://github.com/tpruvot/cpuminer-multi.git
// 作業ディレクトリに移動
$ cd cpuminer-multi/
// 必要ライブラリのインストール
$ sudo apt-get install automake autoconf pkg-config libcurl4-openssl-dev libjansson-dev libssl-dev libgmp-dev make g++
// ビルド
$ ./build.sh
5. CPUマイニングの実行
- 以下のコマンドを実行し、CPUマイニングを実行します。
コマンドプロンプト
// マイニング実行コマンドの例
$ ./cpuminer -a sha256d --user=1GDAXi4Z89dYfiT7rxqQYME8Btm1NPo9XS --url=stratum+tcp://sha256.jp.nicehash.com:3334
$ ./cpuminer -a sha256d --user={ここに自分のビットコインアドレスを入れる} --url=stratum+tcp://sha256.jp.nicehash.com:3334
- 今回はウォレットの「Blockchain.com」を利用しました。
- ウォレットをまだお持ちでない方は、あらかじめ自分のビットコインアドレスをご用意し、ご自身の「Bitcoin受信アドレス」をコピーしてお使いください。
- マイニングプールについては、登録不要で使えるBitcoinのマイニングプール(NOMP:Node Open Mining Portal)である「NiceHash」を利用しています。
6. CPUマイニング成功時のログ
- CPUマイニングに成功すると、「(yay!!!)」とログに出力されるかと思います。
- ただし、Raspberry PiのCUP性能では、なかなか成功しないと思われます。
- Raspberry PiのCPU処理能力は高くないため、半月から1か月程度、気長に待ってみましょう。
コマンドプロンプト
[2021-03-09 08:58:51] CPU #0: 1010 kH/s
[2021-03-09 08:58:51] CPU #1: 1014 kH/s
[2021-03-09 08:58:51] CPU #3: 1016 kH/s
[2021-03-09 08:58:51] CPU #2: 996.39 kH/s
[2021-03-09 08:58:58] CPU #3: 1035 kH/s
[2021-03-09 08:58:58] CPU #2: 1024 kH/s
[2021-03-09 08:58:58] CPU #0: 1034 kH/s
[2021-03-09 08:58:58] CPU #1: 1025 kH/s
[2021-03-09 08:59:06] CPU #1: 1017 kH/s
[2021-03-09 08:59:06] CPU #2: 1035 kH/s
7. minerdの自動起動設定ファイルの新規作成
- 手動でCPUマイニングを起動するのも面倒かと思いますので、systemdを利用した自動起動設定ファイルを新規作成します。
コマンドプロンプト
// 自動起動設定ファイルの新規作成
$ sudo vi /etc/systemd/system/minerd-bitcoin.service
/etc/systemd/system/minerd-bitcoin.serviceファイル内容
[Unit]
Description=minerd is executed and resides at OS startup.
After=network.target
[Service]
WorkingDirectory=/home/pi/cpuminer-multi
ExecStart=/home/pi/cpuminer-multi/cpuminer -a sha256d --user=1GDAXi4Z89dYfiT7rxqQYME8Btm1NPo9XS --url=stratum+tcp://sha256.jp.nicehash.com:3334
Restart=always
Type=simple
TimeoutStopSec=5
StandardOutput=append:/tmp/minerd-bitcoin.log
StandardError=append:/tmp/minerd-bitcoino.log
[Install]
WantedBy=multi-user.target
8. minerdの起動確認&自動起動有効化
- 作成した自動起動設定ファイルを所定のディレクトリに移動し、minerdの起動確認および有効化をおこないます。
コマンドプロンプト
// minerdの起動確認
$ sudo systemctl start minerd-bitcoin.service
// 起動状況確認(設定内容が正しいか動作確認します)
$ sudo systemctl status minerd-bitcoin.service
// minerdの自動起動有効化(再起動後に自動起動するようになります)
$ sudo systemctl enable minerd-bitcoin.service
// OS再起動
$ sudo shutdown -r now
// OS再起動後の実行ログ確認
$ tail -f /tmp/minerd-bitcoin.log
- 補足:minerd-bitcoin.serviceファイルの設定変更を反映する際は
sudo systemctl daemon-reload
コマンドを実行して反映する必要があります。
9. おわりに
いかがでしたでしょうか?マイニング成功はCPU性能から望みはうすいですが、意外と簡単にCPUマイニングを始めることができたのではないかなと思います。
今回の記事が、みなさまの学習の参考になれば幸いです。
2021/03/09 TAKAHIRO NISHIZONO
10. 余談その1:利用OSについて
- おすすめのOSは普通に、Raspberry Pi OS Liteがよいかとは思いますが、今回、私は「FullpageOS」を利用しました。(起動するとYouTubeページがキオスク表示されるようカスタマイズして使ってます。)
- FullpageOSについては、以下のサイトをご参考にされるとよいかと思います。
- 参考サイト:使っていないRaspberry PiをWebページやTwitterを表示して活用しよう【簡単に試せるOSイメージあり】
- 参考サイト:unofficialpi.org
- 参考サイト:Raspberry Pi ImagerからインストールできるFullPageOS
- 参考サイト:github.com/guysoft/FullPageOS
1つのURLを全画面表示する方法
複数のURLを表示する方法
その他
fullpageos.local
pi
raspberry