オリジナルの公開場所: https://www.nocobase.com/ja/blog/okechamp。
Okechamp と Lukardi が NocoBase を活用してサプライチェーン業務を変革した方法。
Okechamp と Lukardi について
ヨーロッパのマッシュルーム産業において、Okechamp は「農場から食卓まで」あらゆる場面に登場します。
本社をポーランドに構える同社は、欧州有数のマッシュルーム生産・加工企業です。毎年数万トン規模のマッシュルームを世界中の市場に届けており、栽培から加工、最終的な流通まで、持続可能性と食品品質に関する厳格な基準のもとで事業を展開しています。
欧州全域にわたって事業を展開する同社にとって、物流のわずかな遅延でもサプライチェーン全体に影響が及びます。事業拡大が進む中、Okechamp はよりスマートで効率的なソリューションを模索し始めました。
そこで白羽の矢が立ったのが、ポーランドのテクノロジー企業 Lukardi です。Lukardi は、SAP 導入、ドキュメント管理、サイバーセキュリティ、そしてノーコード／ローコードプラットフォームによる業務システム構築など、企業のデジタルトランスフォーメーションを幅広く支援しています。
物流スケジューリングの最適化
Okechamp がポーランドとオランダに拠点を広げる中で、物流の調整はますます複雑化していきました。
ポーランド拠点では泥炭採取、生鮮マッシュルームの栽培、一次加工を行い、オランダ拠点では高度な加工とマッシュルーム濃縮物の製造を担います。両者を合わせると、栽培から配送までの完全なサプライチェーンが形成されます。
日々、大量の貨物が両国間を移動するため、効率的なスケジュール調整能力には大きな負荷がかかります。
システム刷新前、Okechamp では次の4つの課題がありました：
- 倉庫間が分断されており、中央集約された可視化がなく、スケジュールが非効率
- 荷降ろしドックの時間を手作業で調整しており、予約が衝突しやすい
- ドックの空き状況がリアルタイムで分からず、直前の変更がほぼ不可能
- ドライバー、調整担当者、チーム間の連絡が遅れ、作業全体が遅延
この課題解決のため、Okechamp は Lukardi に依頼し、スケジュールの一元化、業務可視化、そしてディスパッチワークフローの自動化を実現するカスタム物流スケジューリングシステムを構築しました。
6週間で稼働開始
要件確認後、Lukardi はシステム全体を NocoBase で構築する方針を採用しました。スキーマファーストのアーキテクチャとプラグインベースの設計により、従来手法と比べて開発効率と柔軟性が大幅に向上しました。
わずか6週間で、Okechamp 専用の荷積み・荷降ろしドック予約・スケジューリングシステムが完成・稼働しました。このシステムは主に2つの中核機能を持ちます：
1. 荷積みドック予約アプリケーション
貨物の種類、倉庫の場所、時間帯を選択してドックの予約が可能。システムは衝突を自動で検知し、空きスロットを割り当てます。操作が簡単で、調整作業を大幅に削減し、積み込み効率を飛躍的に向上させます。
2. プラットフォーム管理とバックエンドのアクセス制御
複数の役割別ログインと細かな権限管理により、スケジューラー、倉庫管理者、ドライバー調整担当者など、それぞれが必要な情報だけを閲覧可能。業務の安全性と秩序を保ちつつ、チーム連携を円滑にします。
Lukardi が短期間で成果を上げられた背景には、以下の設計判断がありました：
-
初日からのスケーラビリティ
NocoBase の柔軟なアーキテクチャにより、複数倉庫間の協業ニーズに対応しつつ、将来の機能拡張にも十分な余地を確保。 -
カスタムレポートと日次ビュー
現場チームが日々の作業とドック空き状況を一目で把握でき、意思決定と行動を迅速化。
プロジェクト成果：物流スケジューリングの高速化
新システム導入後、Okechamp の物流チームは大きく負担を軽減できました。
煩雑なスケジュールや無限のやり取りは過去のものとなり、すべてが可視化されたスムーズなシステム上で処理されるように。ディスパッチャーは全ドックの状況を即座に把握でき、変更・リマインド・確認もワンクリックで可能。現場チームは初めて「デジタルカレンダー」を持ち、口頭連絡に頼らず業務を遂行できるようになりました。
Lukardi が NocoBase で構築したこのシステムは、次のような効果をもたらしました：
- スケジュール調整時間を70%以上削減
- 予約衝突ゼロ
- 50名以上のユーザーが全工程を可視化
- サプライヤー対応の迅速化と協力体制の向上
Lukardi が NocoBase の長期的価値を確信したのは、以下の技術基盤があったからです：
- スキーマファースト設計による明確かつ構造的なモデリング
- 大規模チーム協業時の秩序を保つマルチロール権限管理
- 迅速な統合とオンデマンドカスタマイズを可能にするプラグインアーキテクチャ
- 多言語対応による国際市場への展開容易化
現在、このシステムは Okechamp の日々の運用を安定的に支えており、Lukardi はこれを始まりに過ぎないと考えています。今回の成功を踏まえ、今後の企業向けプロジェクトにおいて NocoBase を中核プラットフォームとして位置付ける計画です。
まとめ
以前であれば、このようなシステムを構築するには数か月と社内開発チームの総力が必要でした。
しかし、オープンソースプラットフォームと専門サービスプロバイダーの登場により、企業はより迅速かつ軽量にデジタル化を進められるようになっています。
Lukardi のように、NocoBase をデリバリースタックの中核に据え、社内ツールから顧客向けプラットフォームまで、あらゆる業界でカスタムソリューションを構築する企業が増えています。
これこそ、NocoBase が目指してきたこと—限られたリソースで、熟練チームが現実的で複雑な課題解決を実現することです。
そして今後も、実社会の難題を解決する NocoBase 搭載システムの誕生を心待ちにしています。
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