オリジナルの公開場所: https://www.nocobase.com/ja/blog/ed.
イントロ
私たちの旅の中の面白いエピソードをひとつ。プリセールスのプロセスでは、NocoBase と AI を組み合わせて、驚異的なスピードで PoC（概念実証）を提供することがよくあります。月曜日に初めて会ったお客様が、水曜日に戻ってきたときには、すでに完全に動作するプロトタイプを目にするのです。よくある反応は「これは魔法か？」というもの。そして NocoBase を明かすと、必ず驚きと好奇心が生まれます。
—— Fabio Farzat，ED CEO
ED について
ED はブラジルに拠点を置くテクノロジー企業で、16州にわたる130人以上の専門家を擁しています。長年にわたり、保険、資本市場、公益事業、公共部門などの大企業向けに、ミッションクリティカルなシステムを提供・サポートしてきました。
ED は ISO 9001（ソフトウェア、プロジェクト、インフラ管理プロセスを網羅）を取得し、さらに CMMI-DEV レベル3 を達成。国際的に認められた基準と持続可能なエンジニアリング成熟度を有しています。
組織面では、ブラジルの「Great Place to Work」ランキングで 4 年連続トップ 10 入り。過去には 1 位を獲得し、現在も 6 位に位置しています。この評価は、優秀な人材を惹きつけ定着させる力を示しており、すべてのプロジェクトにおけるプロフェッショナリズムと安定性を保証しています。
その規模、厳格な品質システム、幅広い顧客基盤により、ED はブラジルにおけるリーディング・エンタープライズ・テクノロジーサービスプロバイダーとして認められています。現在は モダンプラットフォームと AI ドリブンのソリューション に注力し、未来に備える顧客を支援しています。
課題と決断
日々のプロジェクト納品において、ED のエンジニアリングチームは常に同じ課題に直面していました。つまり、無限に繰り返される CRUD と統合開発です。社内システムでも顧客向けプロジェクトでも、データ管理レイヤーの構築、API の生成、インポート/エクスポートの処理、さらにはセキュリティやスケーラビリティの確保を迅速に行う必要がありました。しかしそのたびにゼロから作る必要があり、大量の時間とリソースを消費し、イノベーションを遅らせていたのです。
このサイクルを断ち切るため、ED は エンタープライズ向け要件チェックリストを作成しました：
- セキュリティ — アクセス制御、データ分離、コンプライアンス確保
- パフォーマンス — 大規模データセット下でも高速応答
- スケーラビリティ — 多様なプロジェクトや顧客環境への柔軟な適応
- 可観測性 — モニタリングやトラブルシュートのための透明な運用
求めていたのは、単なるテーブル操作ツールではありません。完全なデータモデルをサポートし、強力な型とリレーション構造を持ち、自動的に API を生成できるプラットフォームでした。
複数の市場ソリューションを評価した結果、ED は最終的に NocoBase を選択。社内 PoC では、NocoBase が要件をすべて満たすだけでなく、現実の運用でより高い柔軟性と効率を発揮することが証明されました。
導入シナリオ
PoC 完了後、ED はすぐに NocoBase を中核業務システムに導入し、徐々に複数のシナリオへ拡大していきました。
シナリオ1：商用プロダクト –AssistFlow
多くの企業が NocoBase を社内システムにのみ使うのとは異なり、ED は外部向け商用プラットフォームを直接構築しました。それが AssistFlow です。AssistFlow は、企業が複数のソーシャルメディアチャネル上でシームレスに稼働するインテリジェントエージェントを迅速に構築できるようにし、テキスト、音声、画像、ファイルなどのマルチモーダルなやり取りをサポートします。顧客対応にとどまらず、営業、人事、技術サポートなどにも拡張可能です。
この商用プロダクトでは、設定モジュールと管理インターフェース全体が NocoBase によって駆動されています。つまり、フロントエンドのロジックを再開発する必要はなく、NocoBase 上で直接モデリングや設定を行うだけで、顧客に柔軟で拡張可能な管理機能を提供できます。
AssistFlow の特長：
- 迅速な導入 — コード不要、わずか 5 分でエージェント作成・稼働
- マルチチャネル統合 — WhatsApp、Teams、Slack、Telegram、Facebook、Instagram、LinkedIn などに対応
- マルチモーダル対応 — テキスト、音声、画像、ファイルで多様なニーズに対応
- 幅広い適用性 — 顧客対応、営業、マーケティング、人事、技術サポートを網羅
- 自動化と統合 — 組み込み API で既存システムとシームレス連携し、ワークフローを効率化
- セキュアで制御可能 — プライベートクラウド導入をサポートし、企業レベルのセキュリティとコンプライアンスを確保
シナリオ2：プロジェクト管理プラットフォーム
ED の顧客プロジェクト全ライフサイクルをサポート。従来は複数回の開発を要した CRUD 操作や権限ロジックが、シンプルなデータモデリング、フロントエンド設定、自動生成 API によって 1 ステップで完結します。
シナリオ3：チケッティングシステム
外部顧客向けのサポート・リクエストシステム。顧客はチケットを直接提出・追跡でき、バックエンドではリクエスト処理のためのワークフローが自動的にトリガーされます。
シナリオ4：ベンダー管理システム
このシステムでは、ベンダーが請求書をアップロードすると、自動的に支払い承認ワークフローが開始されます。NocoBase のデータモデリングとワークフロー機能により、プロセス全体が自動化・可視化されます。
成果
NocoBase により、ED は納品スピードと品質の両面で大幅な改善を達成しました：
- 納期短縮 — 従来 15 日×2〜3 回のイテレーションが必要だったモジュールを、1 回のイテレーションで完了
- 迅速なテストとリリース — 複雑な多層開発を伴わず、大半の機能は直接機能テストのみで対応可能
- 本番安定性向上 — スムーズなリリースと強いチームの自信
ED のエンジニアは、NocoBase が開発のあり方を変革したと考えています。ビジュアルモデリング、自動 CRUD、柔軟なワークフロー、自動生成 API によって開発者は反復作業から解放され、ビジネス成果に集中できるようになりました。QA やユーザーフィードバックのサイクルも短縮され、プロジェクトはより迅速に本番稼働へ到達しています。
現在、NocoBase は ED の技術基盤となり、社内システムを支え、外部商用プロダクトの基盤を形成し、日々の納品のほぼすべてを支援しています。そして何よりも、「月曜に会って、水曜にプロトタイプ」という“魔法”は、顧客の驚きと信頼の出発点であるだけでなく、新しい納品のパラダイムを象徴しています。
展望
世界中のテクノロジーチームにとって、ED の経験は NocoBase が単にエンタープライズ要件（セキュリティ、パフォーマンス、スケーラビリティ、可観測性）を満たすだけでなく、反復を加速させ、反復作業から解放し、イノベーションと価値創造に集中できることを示しています。
ブラジルにおいて、ED はすでに NocoBase によって納品モデルを刷新しました。次のステップは、このアプローチをさらに多くの産業・組織へ広げることです。
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