はじめに
私は開発する際のメモや設計内容をMarkdown形式でまとめています。
しかし、Godotで開発中に設計書を確認しようとすると、
ブラウザや別エディタ(VS Codeなど)を頻繁に行き来する必要があり、
集中力が削がれるのが悩みでした。
「Godotエディタ内で完結させたい!」と思い調べてみたところ、
「Markdown Book」 という最高のアドオンを見つけたのでご紹介します。
このアドオンを導入すれば、
プロジェクト構造と密接に連携した仕様書やメモを、
Godotエディタ内の専用ビューアでいつでも確認できるようになります。
1. 必要なアドオンの準備
Markdown Book は、描画エンジンとして別のアドオンに依存しています。
以下の2つをインストールしてください。
-
MarkdownLabel (by Daenvil)
MarkdownをRichTextLabelとして描画する核となるライブラリ。 -
Markdown Book (by phnix-dev)
mdBook形式のディレクトリ構造をエディタ内に表示するUI。
インストール手順
- Godot上部の 「AssetLib」 タブをクリック。
-
MarkdownLabelを検索し、ダウンロード&インストール。 - 同様に
Markdown Bookを検索し、インストール。
注意:有効化の順番
MarkdownLabelを先に有効化しないと、Markdown Bookの有効化時にエラーが出る場合があります。必ず MarkdownLabel → Markdown Book の順で有効化してください。
2. プロジェクト設定
インストール後、以下の設定を行うことで利用可能になります。
1) プラグインの有効化
-
プロジェクト->プロジェクト設定->プラグインタブで両方を「有効」にチェック。
2) ドキュメントフォルダの指定
-
一般タブに切り替え、右上の 「高度な設定 (Advanced Settings)」 をONにします。 - 左リストの下方にある
Addons->Markdown Bookを選択。 -
Docs Folderに、ドキュメントを保存するディレクトリを入力します。
例: res://docs
Tips: ここにフルパス(C:\... など)を指定すると、プロジェクト外で共通管理しているドキュメントも参照可能です。これは複数プロジェクトを並行開発する際に非常に便利です。
3)エディタの再読み込み
- 設定反映のため、プロジェクトを保存して開き直す(Reload)と確実です。上部メニューに「Markdown」というボタンが出現します。
3. ディレクトリ構造の作成(mdBook準拠)
Markdown Book は、Rust製のドキュメントツール mdBook のルールに従うと本領を発揮します。
指定した docs/ フォルダの中に、以下のような構成を作ってみましょう。
res://docs/
├── SUMMARY.md # ここが「目次」になります
├── intro.md # 個別の記事
└── design/
└── system.md
SUMMARY.md の書き方
このファイルがサイドバーのメニュー(目次)として機能します。
# Summary
- [イントロダクション](intro.md)
- [システム設計](design/system.md)
- [AI壁打ちログ](brain_storming/log_01.md)
4. 実際の活用例:開発効率を上げる運用術
① 「思考ログ」と「決定事項」を分ける
開発中、AIとチャットで壁打ちした内容などは、そのまま brain_storming/ フォルダに放り込みます。
その中から「よし、この数値で行こう」と決まった仕様だけを specifications/ に清書して整理します。
これらを分けることで、実装中に「結局どれが最新の決定事項だっけ?」と迷うことがなくなります。
② 図解(Mermaid)の扱い方
現時点で、本アドオンはMermaid記法の直接レンダリング(図形化)には対応していません。
しかし、以下のように運用することで設計効率を維持できます。
-
VS Code等で表示してスクショを貼る: Markdown内に
で画像を埋め込めば、エディタ上でも視覚的に確認できます。 - テキストとして管理する: レンダリングはできずとも、Mermaidのコード(テキスト)自体は表示されます。設計の「構造」をロジックとして確認する分にはこれだけでも十分役立ちます。
まとめ
Markdown Book を導入することで、「コードを書く場所」と「考える場所」が統合されます。
特に大規模なロジックや、複雑なアルゴリズムを扱うゲーム開発において、この「1秒で仕様を確認できる環境」は強力な武器になります。
ぜひ皆さんも、Godotエディタ内での快適なドキュメントライフを送ってみてください!