概要
さくらのクラウドの Ubuntu Server 24.04 LTS Noble Numbat で、 Winodowsの「リモートデスクトップ接続」機能を使い接続するための手順です。主に、Xrdp 接続や、Gnome デスクトップ環境や日本語対応の設定手順です。パッケージのインストールと諸設定の手順を書いています。
手順
1. Ubuntu Server の作成
まず Ubuntu Server がセットアップされた仮想サーバを用意します。サーバ作成時、パブリックアーカイブで Ubuntu Server 24.04
と付くものを探し、それを使ってセットアップを進めます。
注意点としては、メモリを 2GB
以上にする必要があります。これはデスクトップ環境である Ubuntu GNOME の動作要件1にメモリ 1.5GB とあるからです。また動作するアプリケーションやシステムによっては、さらにメモリが必要になる場合があります。同時に実行するアプリケーションのメモリ使用量や、CPUの処理状況によっては、より多くのメモリや CPU コア数が必要です。
サーバを作成後、サーバに SSH でログインします。さくらのクラウドでは ubuntu
ユーザでログインします。
コマンドラインやターミナルで ssh
コマンドを使い、接続します。以降の $
記号も同様です。 $
が複数行にわたっている場合、全てをコピーして貼り付けて実行するのではなく、1行1行コピーして貼り付けます。
$ ssh ubuntu@<IPアドレス>
※ $
記号はコマンドを入力する場所(プロンプト)を指すもので、実際に画面上では入力しません。ssh
から入力します。
2. パッケージの更新作業
パッケージを更新する前に、パッケージをダウンロードするために、国内のミラーサイトを参照する設定に変えます。
※ sudo
コマンドを実行すると、パスワード入力を求められます。これは、ログイン時(デフォルトでは ubuntu
) に使用したパスワードを入力します。つまり、サーバのログイン時に使用したパスワードと同じで、さくらのクラウドでサーバ作成時に「管理者パスワード」として入力した文字列です。入力時、画面に文字は表示されません(文字数からパスワードを推測されるのを防ぐため)。入力後は「エンターキー」を押します。
$ sudo cp -p /etc/apt/sources.list.d/ubuntu.sources{,.orig}
sudo sed -i 's#://.*archive\.ubuntu\.com#://jp.archive.ubuntu.com#' /etc/apt/sources.list.d/ubuntu.sources
それから、サーバ内で次のコマンドを実行し、システムを最新に更新します。
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
最終的に、次のような表示が出てプロンプトに戻り、続いてコマンドが入力できます。
Service restarts being deferred:
/etc/needrestart/restart.d/dbus.service
systemctl restart unattended-upgrades.service
No containers need to be restarted.
User sessions running outdated binaries:
ubuntu @ user manager service: systemd[1001]
No VM guests are running outdated hypervisor (qemu) binaries on this host.
ubuntu@demo:~$
3. 日本語の環境設定とデスクトップ関連パッケージのセットアップ
日本語の言語パックと mozc をセットアップします。
$ sudo apt install language-pack-ja ibus-mozc -y
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE=ja_JP.UTF-8:ja LC_ALL=ja_JP.UTF-8
続いて、デスクトップ関連のパッケージとフォントをセットアップします。
$ sudo apt install ubuntu-desktop language-pack-gnome-ja ibus-mozc xrdp -y
$ sudo apt install fonts-noto-cjk-extra gnome-user-docs-ja libreoffice-help-ja libreoffice-l10n-ja mozc-utils-gui -y
4. 不要なパッケージ情報やフォントキャッシュの削除
ディスク容量を確保するため、不要なファイルを消します。
$ sudo apt autoremove -y
$ sudo apt clean
$ sudo fc-cache -fv
5. 再起動
以上の手順を終えたら、最後にサーバーを再起動します。
$ sudo reboot
6. リモートデスクトップ接続の準備
Windows 上で「リモートデスクトップ接続」という名前のアプリを起動します( Windows
キーを押した後、remote
と入力すると出てきますので、「開く」をクリックします)。起動したら「コンピュータ(C):」の入力欄に接続対象サーバーのIPアドレスを入力します。
続いて、画面サイズと効果の調整をします。
デフォルトでは全画面表示となり、また、画面効果も有効な場合はネットワーク帯域を使い、操作が重たく感じる場合があります。そのような場合は、以下の手順であらかじめ接続前に設定変更をします。
「オプションの表示(O)」をクリックします。
次に「画面」のタブをクリックし、「画面の設定」から画面のサイズを変更したり(1280x1024など)、「画面の色」をフルカラーから「High Color(15)ビット」などに変更します。
また「エクスペリエンス」タブでは「モデム(56 kbps)」を選びます。
以上の入力と、変更を行った後、「接続(N)」をクリックします。
7. デスクトップの初期設定
正常にリモート接続できると、次のような画面が表示されます。
ここでは、ログイン用のユーザ(初期状態では ubuntu
)と、そのパスワードを入力し、「OK」をクリックします。
ログインに成功すると、次のような画面が表示されます。画面をクリックし、「次へ(N)」をクリックします。
次の画面でも、「次へ(N)」をクリックします。
次の画面では、「Ubuntu を使い始める(S)」をクリックします。
以降は、Gnome デスクトップ上で操作が可能です。
日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)の入力に切り替えるには、画面右上の「Ja」をクリックし、「日本語(Mozc)」をクリックすると入力できるようになります。「アルファベット」と「日本語」の入力モードを切り替えるには、キーボードの「半角/全角」を押します。
手順は以上です。
参考文章
-
さくらのクラウド Ubuntu Server 22.04 にリモートデスクトップ接続する手順 #Ubuntu22.04 - Qiita
-- Ubuntu 22.04 LTS 向けに作成していた文章を、Ubuntu 24.04 lTS 向けに再検証・追記しました。
-
https://ubuntugnome.org/ "1.5 GB RAM (system memory). " ↩