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さくらのクラウド Ubuntu Server 22.04 にリモートデスクトップ接続する手順

Last updated at Posted at 2024-05-15

概要

さくらのクラウドの Ubuntu Server で、 Gnome デスクトップをリモートデスクトップ接続機能を使い接続するための手順です。パッケージのインストールと諸設定の変更が中心です。

手順

1. Ubuntu Server の作成

まず Ubuntu Server がセットアップされた仮想サーバを用意します。サーバ作成時、パブリックアーカイブで Ubuntu Server 22.04 を探し、それを使ってセットアップを進めます。

注意点としては、メモリを 2GB 以上にする必要があります。これはデスクトップ環境である Ubuntu GNOME の動作要件1にメモリ 1.5GB とあるからです。また動作するアプリケーションやシステムによっては、さらにメモリが必要になる場合があります。

サーバを作成後、サーバに SSH でログインします。さくらのクラウドでは ubuntu ユーザでログインします。
コマンドラインやターミナルで ssh コマンドを使い、接続します。

$ ssh ubuntu@<IPアドレス>

2. パッケージの更新作業

パッケージを更新する前に、国内ミラーサイトを参照する設定に変えます。

$ sudo mv /etc/apt/sources.list{,.orig}
$ sudo bash -c 'cat << EOF > /etc/apt/sources.list
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy main restricted
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy-updates main restricted
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy universe
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy-updates universe
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy multiverse
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy-updates multiverse
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy-backports main restricted universe multiverse
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy-security main restricted
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy-security universe
deb http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu/ jammy-security multiverse
EOF'

それから、サーバ内で次のコマンドを実行し、システムを最新に更新します。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade -y

apt upgrade でパッケージ更新中、画面が紫色に変わると対応が必要です。

「Newer Kernel available」 が出る場合

カーネルの更新が必要という警告です。終わったあとに再起動が必要です。
image.png
「OK」が選ばれている状態で「Enter」キーを押します。

「Daemons using outdated libraries」が出る場合

デーモンが使うライブラリが古いため、デーモンの再起動が必要です。
image.png
通常は、「Tab」キーを押して、"OK"にカーソルを移動した後、「Enter」キーを押します。

最終的に、次のような表示が出て、プロンプトに戻ります。

(省略)
No containers need to be restarted.

No user sessions are running outdated binaries.

No VM guests are running outdated hypervisor (qemu) binaries on this host.
ubuntu@ubuntu:~$

4. Gnome 関連パッケージのセットアップ

次のコマンドを実行し、関連パッケージのセットアップを進めます。

$ sudo apt install ubuntu-desktop language-pack-ja language-pack-gnome-ja xrdp -y

5. 日本語の環境変数を指定

/etc/default/locale ファイルを変更し、システムを日本語に対応します。

$ sudo mv /etc/default/locale{,.orig}
$ sudo bash -c 'cat << EOF > /etc/default/locale
LANG=ja_JP.UTF-8
LANGUAGE="ja_JP.UTF-8"
#LC_ALL="en_US.UTF-8"
EOF'

さらに、次のコマンドを実行します。

$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja"

日本語のフォントパッケージをインストールします。

$ sudo apt install fonts-takao-mincho fonts-takao-gothic fonts-ipafont-mincho fonts-ipafont-gothic fonts-noto-cjk-extra -y
$ sudo fc-cache -fv

日本語を扱うモジュールをインストールします。

$ sudo apt install ibus ibus-mozc mozc-utils-gui -y
$ im-config -n ibus

6. 不要なパッケージ情報の削除

最後に、不要なパッケージやキャッシュ情報を削除します。

$ sudo apt autoremove -y
$ sudo apt clean

7. その他のセットアップ

7.1. システムプログラムの問題を報告しない設定

この設定を行わないと、ログイン後に毎回「システムプログラムの問題が見つかりました」と通知が出る場合があります。

image.png

これを出なくするためには、次のコマンドを実行します。

$ sudo systemctl stop apport
$ sudo systemctl mask apport

7.2. 画面情報(カラープロファイル)の通知を止める設定

この設定を行わないと、リモートデスクトップ接続の画面設定を変更する度に「カラープロファイルを作成するには認証が必要です。」と通知が出ます。

これを出なくするためには、次のコマンドを実行します。

$ sudo systemctl stop colord
$ sudo systemctl mask colord

8. 再起動

以上の手順を終えたら、最後に再起動します。

$ sudo reboot

9. リモートデスクトップ接続の準備

Windows 上で「リモートデスクトップ接続」を起動します。起動したら「コンピュータ」に対象サーバのIPアドレスを入力します。

image.png

続いて、画面サイズと効果の調整をします。

デフォルトでは全画面表示となり、また、画面効果も有効な場合はネットワーク帯域を使い、操作が重たく感じる場合があります。そのような場合は、以下の手順であらかじめ接続前に設定変更をします。

「オプションの表示(O)」をクリックします。

次に「画面」のタブをクリックし、「画面の設定」から画面のサイズを変更したり(1280x1024など)、「画面の色」をフルカラーから「High Color(15)ビット」などに変更します。
image.png

また「エクスペリエンス」タブでは「モデム(56 kbps)」を選びます。

image.png

以上の入力と、変更を行った後、「接続(N)」をクリックします。

次のような警告では「はい(Y)」をクリックします。
image.png

10. 初期設定

正常にリモート接続できると、次のような画面が表示されます。

image.png

ここでは、ログイン用のユーザ(初期状態では ubuntu)と、そのパスワードを入力し、「OK」をクリックします。

ログインに成功すると、次のような画面が表示されます。画面をクリックし、「セットアップ開始」をクリックします。

image.png

次は、キーボードの配置を確認し、「次へ(N)」をクリックします。

image.png

次も、画面内容を確認し、「次へ(N)」をクリックします。

image.png

最後に「Ubuntu を使い始める(S)」をクリックします。

image.png

10. 日本語入力の設定

画面右上に「ja」と出ていますので、これをクリックして「Japanese(Mozc)」に切り替えます。

手順は以上です。

11. トラブルシューティング(うまく動作しない場合は)

11.1. 日本語変換ができない、言語設定に関するメニューが出ない

GUIにログイン後、画面右上に「あ」や「Ja」や「A」などの表示が出ない場合:

image.png

このような場合は、サーバに SSH でログインするか、ターミナル上で次のコマンドを実行します。

$ gsettings get org.gnome.desktop.input-sources sources

実行結果が

[('ibus', 'mozc-jp'), ('xkb', 'jp')]

このような結果でなければ、次のコマンドを実行します。

$ gsettings set org.gnome.desktop.input-sources sources "[('ibus', 'mozc-jp'), ('xkb', 'jp')]"

その後、GUI画面をログアウトし、再度ログインします。それから、「アクティビティ」から「端末」などのアプリケーションを実行すると画面上に「A」のマークがでます。クリックすると、次のように切り替えメニューが出ます。
image.png

「アルファベット」と「日本語」モードを切り替えるには、「半角/全角」キーボードをクリックします。

  1. https://ubuntugnome.org/ "1.5 GB RAM (system memory). "

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