概要
プロダクトマネージャー(PdM)がPRD(製品要求仕様書)を書く際の「言語化の壁」を突破するため、自社サイトにClaude 3.5 Sonnetを活用した壁打ち専用ツール「AIコーチ」を実装しました。
本記事では、エンジニアに伝わるPRDを爆速で作るための設計思想と、個人開発でAPIコストを抑えるための具体的なバリデーション仕様について解説します。
解決したかった課題:PRDの「Why」がスカスカ問題
PdMが書くPRDが「機能の羅列」になってしまい、エンジニアから「なぜこれを作るのか?」と突き返される……。このコミュニケーションコストは、プロダクト開発における大きなボトルネックです。
この課題を解決するため、ユーザーのアイデアに対し「エンジニア視点でのツッコミ」を入れ、仕様の解像度を強制的に引き上げる「コーチング型AI」を開発しました。
技術スタックとアーキテクチャ
Frontend/CMS: WordPress
Backend: PHP (WordPress functions.php)
LLM: Claude 3.5 Sonnet (Anthropic API)
API予算「月5ドル」を守るためのガードレール設計
個人ブログにAPIを公開する際、最も怖いのが「悪意ある連投によるコスト爆発」です。以下の3つのバリデーションを組み込み、予算管理を行っています。
- 文字数による「質の担保」と「コスト抑制」
冷やかし入力を防ぎ、AIが適切なコンテキストを把握できるよう、入力文字数に制約を設けました。
初回入力: 50文字以上、999文字未満(50文字未満は送信不可)
継続チャット: 10文字以上、999文字未満
- IPベースのレートリミット(24時間リセット)
特定のIPからの大量リクエストを遮断するため、PHP側で以下の制限を実装しています。
回数制限: 同一IPアドレスにつき1日3回まで
有効期限: 最後の利用から24時間が経過した時点で再利用可能
意図: 「5分間待機」という時間制限よりも、「1日の総量制限」を優先することで、APIコストの予測可能性を高めています。
- エラーハンドリングの共通化
API側でエラー(混雑や制限)が発生した際、ユーザーを混乱させないためのエラーメッセージを定義しました。
「申し訳ございませんが、ただいまエラーが発生しております。しばらく時間を置いてご利用ください。」
成果:PRD作成の工数を劇的に削減
このAIコーチを活用し、出力結果をNotionの「PRDミニテンプレート」に流し込むフローを構築した結果、これまで数時間かかっていたPRD作成が約15分で完了するようになりました。
リンク
実際のツール挙動や、今回配布しているNotionテンプレートの詳細は以下のブログ記事にまとめています。
https://e-pdm.net/?p=1475
また、PdMの実務スキルを7日間で磨くための集中プログラムもnoteで公開しています。
https://note.com/quick_fox2970/n/n2bb8f93bae82?sub_rt=share_sb