座禅いぬです。おはようございます。
マナビDX Questの企業協働プログラムに参加したのですが、自分は会社勤めをしたことがない世間知らずなものでたくさんの人に迷惑をかけ、多くの反省点が生じました。そこで、今後悲しい思いをする人が出ないように、企業協働プログラムでの反省および工夫するべき点をまとめたので共有します。
今回の記事はあくまで自分が行うべきだったと後悔したことをまとめたものです。非はすべて自分にあるという考えの元書いているという意図をご理解ください。誰かを非難するような意図はありません。
皆様のマナビが最大化されますように祈りを込めて。
プログラム開始前の注意点
チーミングは必須
チーミングは「仲いいやつと一緒に取り組めたら楽しいね」ではありません。相手企業がお忙しい中時間を作ってくれるという状況において、受講生側の生活パターンがあまりに違いすぎると、スケジュール調整の初期段階で破綻します。
その後の、以下にたくさん書いている問題をかなり省略できるという利点もあります。問題意識の共有ができる人物と作業できる前提があるのはストレスを相当軽減できます。僕はたまたま良いメンバーに恵まれてラッキーでした。
また、価値観の差が大きい人物の混在を抑制できます。どういう人物があなたにとって該当する人物なのかは人それぞれだと思いますが、あとで後悔しないようにエネルギーを使うべきなのはここです。
スキルの棚卸しは必須
誰が何をできるのか?に関して正確に把握するのは非常に難しいです。事前に雑談などしながらコミュニケーションを取り、その間に相手の技術や関心領域、得意なこと・できることを把握しておくべきですが、これは非常に難しい事です。明確にスキルの棚卸しとして保有する資格や検定実績、過去に行った仕事実績などをお互い公開しておいた上で会話する方がいいです。
ここは遠慮するところでも恥ずかしがるところでもないので、PBLでの受賞やランキング、不得手や経験不足などもはっきり言っておいた方がいいです。ここでの反省があり、自分は検定などを受ける決意をしました。(期間中にG検定とITパスポートとりました)
参加目的の公開は必須
マナビDX Questは非常に多様な業種や立場の人間が参加しています。考え方も非常に多様と言えます。これは僕が世間知らずだったという話で、参加者は皆「良い経験・勉強のため」と思い込んでいました。実際には「継続してとれる案件が欲しいから」「優秀な人の仕事を横で見てたいから」「バッジだけ欲しい」「自分の仕事に巻きこめる人材を探している」など、いろんな人がいる可能性はあります。
やはりある程度本音を聞いたうえで割り切っておかないと共同作業はできない…ただし、ちゃんと本音を言ってくれるとは思わない方がいいです。予防線です。今回はこの点で心配する必要はなかったですが、いろんな人がいることを想定するべきだなと。
役割設定は必須
最初の顔合わせまでに、誰がどの役割を分担するかを明確にしておかなければ必ず問題が発生します。これはかなり重要で、具体的な目的は「お地蔵さんの発生を抑制する」、「不平等感を無くす」、「発言をしやすくする」、「仕事の抜けを減らす」など多岐にわたります。
誰かに仕事を頼むのはやりづらいと思いますが、自主的に「これやります!」と言わない人には仕事を割り振る、ないしはローテーションを組むべきです。役割が明確でないと人間は動かないです。あくまでも一般論ですが、最初から最後までほぼ課題解決に参加しない人間は普通に発生します。そして一人でも積極性のない人間を発生させると意思決定が遅延しはじめます。
プログラムが始まってから
スケジュールは最初に全部決めておく
スケジュールは必ず伸び、時間は必ず不足し、都合は必ず合わなくなります。誰が何といっても必ず初回にすべて仮決めでも不正確でもいいから決めてしまいましょう。誰が何といっても絶対に、です。そのうえでずれが生じるのはしょうがないし、想定の範囲内です。
2か月ぐらいのプログラムで8回以上のMTGと考えると週サイクルでやるのがいいなと思います。
ミーティングは開始時間と終了時間、議題を先に決める
企業で働いている方にとっては常識だと思いますのでこのような話をするのはお恥ずかしいのですが、これをちゃんとしなかったがためにかなり痛い思いをしました。
企業側、他の受講生ともにお忙しい中時間を作って取り組んでいます。ミーティングの後にも次の会議があったり、翌日朝から手術をする受講生もいるかもしれません。子育てと仕事、プログラムを両立させている方もいらっしゃいます。
そのような状況のなかで聞きたいこともしゃべりたいこともそれぞれたくさんありますから、時間と議題を決めておかなければ、みんなが「ここまで今日は決まるかな」と思っていることが全然決まらずに終わるということは十分にあり得ます。すると、次のサイクルでやろうと思っていたことが全部遅延します。ですから、優先順位がはっきりするように終了時間と議題も先に共通意識として持っておくべきです。
企業側はDXのことは何も知らないが経営の猛者である、と思うべき
企業側のレベル感は様々だと思われます。DXに関する様々な用語をまるで知らないこともあり得ます。したがって、DXの定義や今回何に取り組むべきかまでこちらが主導的に確認していくべきです。ただし、これは相手が賢くないという意味では全くありません。
相手はドメイン知識を持っており、様々な試行をしたうえでの事業課題を解決したいと考えているプロです。「こちらの数歩先を行っている相手に対し、こちらは新しい視点と解決策を提案できるかもしれない」という気持ちで取り組むべきかと思います。
自分のために
横のつながりは必ず確保しておく
PBLなどで仲良くなった受講生仲間は貴重な存在です。本業のことに関してもそうですが、プログラムの内容ではなくチーム作業に関してうまくいかないこと等ですが、相談に乗ってくれる仲間がいるのといないのとでは何もかもが違います。僕はこれに関しては大成功でした。いくら感謝してもしきれない。
ハブ団体は味方
我々はあくまで受講生ですので、ハブ団体と企業側がどのようなやり取り・取り決めをしているかわからない部分があります。自分でどうにもならない部分に関しては早めに相談するべきだったなと思います。親身にアドバイスいただいて本当に助かりました。
他の人がやらなくても自分だけはやれ
これはもちろん仲間がやってなかったという話ではなくマインドの話です。実際には僕は大した貢献もできず、取り組んだ成果は仲間が手直ししてくれてはじめて形になるものでした(毎度本当にありがとうございました)。もっと議論が活発になるアクションがとれたらという悔いが非常に強いです。
勝手に他人に期待して、その人が実際にとった行動とのギャップを不満に思ってはいけないと考えています。今回のように、自分が予め取り組めることはたくさんあったのにしていなくてうまくいかないのは当たり前。コントロールできるのは自分だけです。であるならば、この貴重なチャンスを活かすために行動する責任は自分にあります。
まだ悩んでいること
企業見学にいく流れにならなかった
最初から「見学にいこう!」という話をしていたのですが、なぜか流れてしまいました。なぜ流れたのかよくわからないんですが、そういう空気にならなかったです。どうするべきだったのだろう・・?
どこまでのレイヤー、解像度で取り組むべきか
これは非常に難しい問題だと思いました。
課題自体がそもそもイシューなのか?という点や、企業理念などへの理解がなければ課題を解決するつもりがゴールが一致しない、という問題が発生するわけですが、それを追求し始めるときりがない部分もあります。かといって、企業の設定したゴールがそもそも「答えが出ない問題」であることもあり得ることです。
最初の要求定義で、企業側とこちらの能力や期間を踏まえて適切なスコープ設定が必要になるわけですが、企業側がうまく言語化できていないパターンは大いにあり得えます。コンサルだったらまずそこをしっかり言語化して本質的な課題を見つけていくのだと思います。このプログラムでは時間が本当に限られているので、最低限の企業が自認するミッションやパーパス、経営的な背景を聞いたらまずは企業側の提示する課題を最短で一度解決するべきだったのかな、という反省がありました。
継続案件化について
技術の安売りは絶対に回避するべきなので安易に無料案件は避けるべき、という考えはよく理解できます(素晴らしい先輩の記事)。先方の業務に関わるわけですから、逆にお金を発生させることで責任を付与するべきですよね。一方でお金が発生するプログラム外の話であれば、一緒に取り組む人間には同等の成果を出すことを求めるのも当たり前のことです。これはおそらく非常に難しい話だとおもうので、安易に提案するべきでないなという学びを得ました。
終わりに
「プログラムをうけることでいい学びを得られたかい…?」
と聞かれれば、答えは「イエス」です。
企業協働プログラムのなかで「DXスキルのロバスト性」、すなわち堅牢さについてたくさん考える機会がありました。マナビDX QuestのPBLで学んだDXスキルは非常に有用だと思うのですが、スキルを学ぶだけでは実行できない。
なぜうまく実行できないのか?コミュニケーションの問題など、たくさんの課題がありました。その学びが濃密であったと思います。残念ながら僕は初歩の段階までしか学べなかったですが、来年も機会があればまたチャレンジしたいなと思っています。
以上、本当に自分の至らなさで多くの人を落胆させてしまったなという反省なので非常にお恥ずかしい話ばかりなのですが、これも学んだことであり、みんなに共有することで誰かが同じ思いをしないようになれば幸いです。