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1人COBOL再研修〜データ項目のあれこれ編〜

Last updated at Posted at 2019-06-29

これの続き。更新頻度が遅すぎてCOBOL研修が終わってしまったが、変わらずマイペースで進めていこう。

今回はデータ項目周りをやるとのことで、COBOL構文というより、データの型とかそっちの話になる。

おさらい「データ項目の定義方法」

ここでやった。

構文
レベル番号  項目名            PIC 型(文字数).

WORKING-STORAGE SECTION.に書くのだった。例えば、5文字入る文字列をレベル1で定義するときは

01  DT-NAME            PIC X(05).

で良い。今回はこの構文周りについて細かく見ていく。

レベル番号

レベル番号を指定することで、複数のデータ項目を1つのグループにして扱えるようになったりする。例えば、

サンプル
      *---1---------2---------3---------4---------5-----
       IDENTIFICATION         DIVISION.
       PROGRAM-ID.            SAMPLE.
      *
       ENVIRONMENT            DIVISION.
      *
       DATA                   DIVISION.
       WORKING-STORAGE        SECTION.
       01  DT-PARENT.
         03  DT-CHILD1        PIC X(05).
         03  DT-CHILD2        PIC X(05).
      *
       PROCEDURE              DIVISION.
       MAIN                   SECTION.
           MOVE               'HELLO'  TO  DT-CHILD1.
           MOVE               'WORLD'  TO  DT-CHILD2.
           DISPLAY            DT-PARENT.
           STOP RUN.

とすると

実行結果
HELLOWORLD

となる。つまり、DT-PARENTは、実質X(10)であって、中身がDT-CHILD1DT-CHILD2を合わせたものになる。もちろんDISPLAYDT-CHILD1とすれば、いつもどおりDT-CHILD1のデータだけ出てくる。

逆にACCEPTとかでDT-PARENTHELLOWORLDと入れると、DT-CHILD1HELLODT-CHILD2WORLDと、分けられて入る。

FIG1.png

また、上の例から、更に05、07と続けさせることもできる。

注意点として、グループの親にPICTURE句をつけてはならないこと。グループのレベル番号が一番高い要素にだけつける。

無名項目:FILLER

FILLER句は固定の値や文字を持ちたいときに使う。なので定義時に初期値を入れると、後から変更ができなくなる。また、FILLER句は予約語なのだが、データ項目名として使う。で、定義方法と初期値の入れ方なのだが、

レベル番号  FILLER  PIC 型(文字数) VALUE '初期値'.

とする。

ここで気づいた方がいると思うが、「データ項目名に予約語のFILLERを入れるということは、複数個FILLER作ったら、同じデータ項目名がいくつもできて、DISPLAYとかするときに指定できないじゃん」ってなるが、そもそもFILLER句を使って定義したものは他の構文で直接使えない。

じゃあどうするんだってなるが、FILLERは前項のレベル番号の子の一部として使う。そうすることで、データのフォーマットを自分で作ることができるようになる。例えば、帳票出力するとき、定形文字があったりすると、使えたりする。

サンプル
      *---1---------2---------3---------4---------5-----
       IDENTIFICATION         DIVISION.
       PROGRAM-ID.            SAMPLE.
      *
       ENVIRONMENT            DIVISION.
      *
       DATA                   DIVISION.
       WORKING-STORAGE        SECTION.
       01  PRINT-NAME.
         03  FILLER           PIC X(06) VALUE 'NAME: '.
         03  IN-NAME          PIC X(10).
      *
       PROCEDURE              DIVISION.
       MAIN                   SECTION.
           ACCEPT             IN-NAME FROM CONSOLE.
           DISPLAY            PRINT-NAME.
           STOP RUN.
実行結果
TAROH <-自分で入れたもの
NAME: TAROH

こうしておけば、間違って書き換えられることもないし安心。

数値型の種類

今まで、PICTURE句の後ろにXとか9とか使ってきた。文字型はXでこれといってそれ以上の特徴はないけど、数値型の定義方法が色々あってちょっと複雑。ここではその中の一例を挙げる。

ゾーン10進数の整数桁数指定:9

一番良く使う整数の型。入れることのできる桁数を任意で決める。もし数値5桁のデータ項目に9999を代入すると、09999というように0埋めされる。また、計算したデータを入れるとき、小数点以下は切り捨て。

ゼロサプレス(Z編集):Z

ゼロサプレスについて書いておくと

ゼロサプレスとは、数値を文字として表現・表示する際に、先頭あるいは末尾の余分な「0」を削除したり空白で置き換えたりする処理のこと。

ゼロサプレスとは - IT用語辞典

つまり、5桁データ項目に9999と入れても9999と0埋めされない。

が、ここには罠がある。例えばこのプログラム。

サンプル
      *---1---------2---------3---------4---------5-----
       IDENTIFICATION         DIVISION.
       PROGRAM-ID.            SAMPLE.
      *
       ENVIRONMENT            DIVISION.
      *
       DATA                   DIVISION.
       WORKING-STORAGE        SECTION.
       01  Z-EDIT             PIC Z(02).
       PROCEDURE              DIVISION.
       MAIN                   SECTION.
           MOVE               0 TO Z-EDIT.
           DISPLAY            Z-EDIT.
           STOP RUN.

出力は0だと思うかもしれないが、実は何も出ない。Zは1の位が0のときもお構いなしに消してくるので、対策としては、Z(02)Z9としてやる必要がある。

小数点以下の桁数指定: V

そう、整数を入れるデータの桁数の指定と、小数点以下の桁数の指定は違う。例えば、999.99という数字を入れたいときは、

構文
01  DT-NAME  PIC 9(03)V9(02).

としてやらねばならない。

符号付きの値: S

Sをつけると、符号付きの値として扱われる。例えば、符号付き整数ならS9とする。今までのようにSがついていないものは、正の値として扱われる。

パック10進数: COMP-3

まぁ上でゾーン10進数と書いたから勘付いていたとは思うが…。

一応簡単に説明しておくと、8ビット(1バイト)を使って、どう数値を表現するかの違い。ゾーン10進数は1バイトで1桁(前4バイトをゾーン部、後ろ4バイトにその桁の数字)、パック10進数は4ビットで1桁なので、1バイトで2桁の数値を表現できるということになる。

FIG2.png

さて話を戻し、パック10進数の定義方法を見ていく。

構文
01  DT-NAME  PIC S9(03) COMP-3.

いつもの構文にプラスCOMP-3を付ける必要がある。

形象定数

要はCOBOL側で予め決められている文字リテラル。研修教材には以下のものがあった。

形象定数 中身 有効型
SPACE 文字のスペース。必要数は自動で判断 Xのみ
ZERO 文字または数値の0 すべて
HIGH-VALUE コンピュータが表現できる文字の最大値 Xのみ
LOW-VALUE コンピュータが表現できる文字の最小値 Xのみ

調べながらやってると他にも出てきたりしたが、とりあえず今回はこれだけ。

HIGH-VALUELOW-VALUEって何が入っているんだろう

研修で教えてくれなくて、興味があってググってみた

HIGH-VALUEは、16進数FFがセットされる。印字や画面出力はできないが、比較には使えて、Xのときは最大を保証する。

逆にLOW-VALUEは、全体に16進数の0埋めされる。

今回はここまで

本当はS9からXのデータ移行で直接MOVEできないぞってことも書きたかったのだけれど、なんかできてしまってよく分からないので、今回の投稿は保留。これは勉強し直してから。

今回は画像も付けたので、すごい長かった。でも研修で教わらないことも知ることができたので楽しかった。

続き(2019/07/14作成)

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