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termux×AWS IoT でスマホ位置情報をAWSに送信

Last updated at Posted at 2020-10-16

#はじめに
妻に、「職場を出たらラインしろ」と言われているのですが、正直面倒です。
自分が職場を出たことを自動で通知できないかなと思い、とりあえず位置情報をAWSに送ってみました。

図1.png

#環境
スマホ:京セラ(KTV44)
OS:Android 9

##スマホ(termux)側
AndroidにGoogle Playを利用して、termuxをインストールします。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.termux&hl=ja

スマホだとキーボード入力しづらいため、
インストール後に下記コマンドを入力し、ssh用の環境を構築します。

$ apt upgrade #とりあえず最新にする。
$ termux-setup-storage #termuxにandroidストレージの使用を許可する。
$ pkg install openssh #ssh(サ-バ、クライアント両方)をインストール
$ sshd #sshサーバを起動
$ passwd #パスワードの設定
$ whoami #ユーザ名の確認(メモしてください。)
$ ifconfig #スマホのIPアドレスの確認(メモしてください。)

ちなみに、termuxで表示されるIPアドレスはスマホ自体のIPアドレスと一緒なので、あらかじめ分かっていればifconfigしなくても大丈夫です。

次に作業しやすいようにPCからsshでスマホに接続します。
ここで注意です.
sshのデフォルトのTCPポート番号は22ですが、termuxの場合は8022が指定されています。
そこで-pオプションでポート番号を指定します。
PC(Ubuntu)側

$ ssh -p 8022  (ユーザ名)@(スマホのIPアドレス)

最初にsshをした場合、
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
と出るので、yesと回答。
その後、スマホで設定したパスワードを入力します。

初期状態ではバックグラウンド処理が禁止されているため、スマホがスリープ状態になるとsshの接続がその都度中断されててしまいます。
スマホで「RELEASE WAKELOCK」を選択することで、バックグラウンド処理が行われるようになる。

Screenshot_20201015-214307.png

sshで入れるようになったら、引き続き環境を構築していきます。

$ pkg install git #後に使用するAWS IoT Core用にgitをインストールしておく。
$ pkg install python #Pythonもインストールしておく。
$ pkg install vim-python #ファイル編集用にvimもインストールしておく。
$ pkg install termux-api #termux-apiもインストールしておく。GPS情報を取得するために必要。

インストール系が終了したら、次はAWS Iot Coreを設定します。
この↓記事を参考に「android01」なるモノを登録し、スマホからAWSへの接続テストまで行います。
https://qiita.com/zakuzakuzaki/items/e30d63598ca1d6c0f2a9

意外とそのままできたのでびっくりです。
termuxすごい。

「termux-api」の中の、termux-locationコマンドで、位置情報を取得します。
https://wiki.termux.com/wiki/Termux-location

$ termux-location -p network #スマホが観測している現在位置を出力
{
  "latitude": 	35.6359322,
  "longitude": 139.8786311,
  "altitude": 43.5,
  "accuracy": 23.26799964904785,
  "vertical_accuracy": 3.299999237060547,
  "bearing": 0.0,
  "speed": 0.0,
  "elapsedMs": 97,
  "provider": "network"
}

-pは、位置情報の取得手段を選択するオプションで[gps/network/passive]の中から選択します。
デフォルトだとgpsですが、なぜか自分のスマホではできませんでしたので、networkを選択しました。
(エラーも出ず、ずっと待ち状態になる。)
ちなみにスマホをWi-Fi接続から3G接続に変えても、networkを選択しないと位置情報を取得できません。

おそらくtermuxアプリの権限の問題だと思いますが、解決できなかったので放置しました。
通常、androidはアプリの設定画面でアプリ毎にフォルダ、カメラ、GPSなどの利用権限が付与できるのですが、
termuxはそもそも権限の選択肢が出てこないので、付与のしようがありません。

位置情報が取得できることが確認できたら、処理しやすいようにしてjson形式で保存します。

$ termux-location -p network |sed -e "4,10d"|tr -d '\n'|tr -d ' '| sed -s s/,}/}/g > location.json
$ cat location.json 
{"latitude":35.6359322,"longitude":139.8786311}#いい感じに整形されたことを確認

やっていることは、
・位置情報を取得
・4~10行目(緯度経度以外)を削除
・改行を削除
・スペースを削除
・最後の” , ”(カンマ)を削除
・カレントディレクトリにlocation.jsonを保存
です。
全部の情報をそのまま送ってもいいと思うのですが、少しでも通信量を下げるために、余計なデータをカットしました。

次に、位置情報をパブリッシュするためのプログラムを作成します。
aws-iot-device-sdk-python内のサンプルファイル、「basicPubSub.py」の最後の部分を改造した、「jsonPub.py」を作成します。
位置情報が入っている、location.jsonを読み込みパブリッシュするようにします。

編集前

basicPubSub.py(112行目以降)
# Publish to the same topic in a loop forever
loopCount = 0
while True:
    if args.mode == 'both' or args.mode == 'publish':
        message = {}
        message['message'] = args.message
        message['sequence'] = loopCount
        messageJson = json.dumps(message)
        myAWSIoTMQTTClient.publish(topic, messageJson, 1)
        if args.mode == 'publish':
            print('Published topic %s: %s\n' % (topic, messageJson))
        loopCount += 1
    time.sleep(1)

編集後

jsonPub.py(112行目以降)
# Publish to the same topic in a loop forever
with open("location.json", "rb") as load_file:#位置情報ファイルの読み込み
    location = bytearray(load_file.read())#MQTT送信用にbytearray型に変換
loopCount = 0
while True:
    if args.mode == 'both' or args.mode == 'publish':
        myAWSIoTMQTTClient.publish(topic, location, 1)#位置情報をパブリッシュ
        if args.mode == 'publish':
            print('Published topic %s: %s\n' % (topic, location))#確認用
        loopCount += 1
    time.sleep(1)

これでスマホ側の構築は終わりです。

##AWS側の設定
次にクラウド側の設定を行います。
といってもポリシーを変えるだけです。

AWS IoT>ポリシーから、パブリッシュ、サブスクライブしてもいいトピックを追加します。
今回は「location」という名前のトピックを追加しました。
編集が終わったら、「新しいバージョンとして保存」します。
これをしないと接続エラーが発生します。

0.PNG

#テスト
AWS IoT >テストにアクセスし、トピック名(location)を入力したのち、「トピックへのサブスクライブ」をクリックします。

1.PNG

ターミナルでjsonPub.pyを実行します。
コマンドの最後に-tオプションでトピック名を指定します。

python jsonPub.py  -e (自分のARNに合わせてください)-ats.iot.ap-northeast-1.amazonaws.com -r root-CA.crt -c android01.cert.pem -k android01.private.key -t location

ターミナルに下記メッセージが出力されることを確認します。
スマホがAWSにパブリッシュした位置情報をAWSからサブスクライブできました。


Received a new message: 
b'{"latitude":35.6359322,"longitude":139.8786311}'
from topic: 
location
--------------

さらにAWS側で、locationトピックをサブスクライブしていることを確認します。
2.PNG

おつかれさまでした。

#おわりに
スマホの位置情報をAWSに送信する環境を構築しました。
次は、lambda等を利用して退社自動通知や、帰りの電車の発車時刻を調べてくれたらいいですね。
ちなみに、本ページで表示している位置情報は私の家ではありませんので、ご安心ください。

今回作成したファイルは、githubにあげました。
https://github.com/zakuzakuzaki/zaki-aws/tree/main/iot

#参考URL
ご協力ありがとうございました。
  
Android 端末上で開発環境を整えてみた
https://qiita.com/leosuke/items/b83425d5a6730aa4cf94

Termux で持ち運べるモバイルリポジトリを作る
https://wlog.flatlib.jp/item/1859

PythonでJSON 読み込み
https://qiita.com/kikuchiTakuya/items/53990fca06fb9ba1d8a7

#追 記
AWSとは無関係ですが、IFTTT(イフト)の位置情報を用いたトリガーを使って、ほんの数分で実現したいことができました。
image.png

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