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アリババ本社と中国ニューリテイル

Last updated at Posted at 2018-11-21

アリババ本社と中国ニューリテイル

(この記事は 2018 杭州・云栖大会で感じた先進国中国 の続きです)
カンファレンスの翌日は、ツアー参加者でアリババ本社訪問と中国ニューリテイルの視察を行いました。
アリババ本社のキャンパスはクラウドタウンから車で30分ほどの場所にあります。
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正面玄関を入ると立派なビルに出迎えられます。
後にこれはほんの一角で、この地域一帯が全てアリババであることを知ることになります。

グループ会社も見学に

受付に入ると人でごった返していました。
グループ会社の人達もよく本社見学に来るようで今日は餓了麼の方々が大勢いらしていました。
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餓了麼はいわゆるUber Eatsのようなネット出前サービス。かなり有名になりました。
上海交通大学の学生が9年前に創業した学生ベンチャーで、今年4月にアリババグループが買収。
現在は中国国内の大都市ではそこかしこで見かけますね。

広大なアリババのキャンパス

AlibabaHQ 名実共に「キャンパス」といったところでしょう。 大学構内のごとく広大な敷地に大型の建物がいくつも並びます。我々は徒歩のためごく一部しか見ていません。 ここの最上階角にジャックマーさんの部屋があると噂されていますが、保安上場所は秘密で真相は誰も知らない。 AlibabaHQ こんなに広いと歩けませんよね。キャンパス内専用の自転車シェアリングがありました。 このオレンジ色の自転車は鍵がかかっていません。誰でも無料で使えます。 AlibabaHQ ただし、駐輪場が決められておりどこでも乗り捨て自由ではありません。 用途的にはビル間の移動用でしょうからこれで十分便利なのでしょう。

キャンパス内になにやら浮いた建物が。
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こんなところに戸建て?
その昔、ジャックマーさんはここで仕事をしていて現在は役員が秘密の会議をする場所として使われているそうです。
他が近代的なビルばかりなので際だって見えます。

AlibabaHQ 考えすぎて石になってしまった人の像ではありません。 AlibabaHQ スタバもあります。 価格も内容も普通で、アリババ限定のカードはありませんでした; AlibabaHQ 「人人3小時」 毎年3時間は世界を良くするために時間を使いましょう。 というジャックマーさんが推奨する活動のオブジェを見て、暑いので室内へ。 AlibabaHQ 5月10日は阿里日(Ali Day)。 これは2003年5月のSARS騒ぎの際、アリババ従業員も1名がSARSに感染しオフィスが使えなくなった。 それでもサービスに影響が出ないよう全従業員は在宅勤務でこれを乗り切った。 当時の従業員の団結を讃え、2005年から5月10日を記念日として従業員が家族を会社に招きアリババの文化に触れてもらう日としたもの。 毎年ジャックマーさんも出席する集団結婚式が開かれたり、各地で記念日を祝う活動が行われます。 AlibabaHQ いけてる会社ですから、普通に社内にジムもありますよね。 いいなぁ。 AlibabaHQ もちろん社員食堂もあります。 あちこちにあるみたいで、サイズはそれなりの大きさ(Yotsubaぐらい)でした。

キャンパス散策を楽しんだ後は、
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中の人からETブレイン・ニューリテイルとそのためのアリババクラウドの取り組みについてお話しいただきました。
個別に時間をとっていただき、質疑応答もできたので大変勉強になりました。
昼食とニューリテイル視察へ参りましょう。

キャンパスは実証実験場

キャンパス内にショッピングセンターのようなビルがあります。
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上から下までアリババ。実証実験場のごとくいろんなものがあります。
最上階は映画館、途中階は専門店が並び、地下にOMOスーパー(後述)が入っています。

天貓精靈(アリババ版アレクサ)

アマゾンがやっている事はほぼアリババもやっていて、もちろんアレクサも。
2017年8月8日に発売されました。先進のアリババにしてはちょっと後発ですね。

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アレクサは多言語対応されていますが、こちらは中国語(普通話)のみ。
中文を勉強している方、自分の発音の腕試しに1台いかが?
買物や音楽、目覚しといった基本機能はもちろん、お笑いを聞かせてくれといった機能も標準搭載。

ちなみに中国語でも方言には非対応で、閩南話で話しかけましたが無反応でした。

ニューリテイルなスーパー「盒馬鮮生」

盒馬鮮生はアリババがニューリテイルの中核と位置づける食品スーパーマーケットです。

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店内はごく普通のスーパー。だけどそのが機能がすごい。
杭州でアリババが始めたスーパーマーケットで、店舗でもネットでも買えるのが特徴。
最近はこれをOMO(オンラインとオフラインの融合)と呼ぶらしいですね。
杭州から徐々に店舗が増え、現在は深圳や上海にいくつも店舗があります。
年内100店舗が目標とかで勢いを増しています。

何がすごいのか。

  • ネット注文から最速30分で配達。送料無料。

誰でも商品1個だけでも送料無料。
有料会員とか最低購入金額なんてセコいことは言いません。誰でも1元の買い物でも送料無料。
ネット注文が入ると、店舗従業員が配達用のバッグを取り商品を入れていきます。
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従業員は店内を走り回り10分以内に商品の準備を完了します。
(調理品などを注文した場合はもちろん時間がかかります)

AlibabaHQ バッグを店内のレールへバッグを載せると天井を伝い配達員が待つ場所へ自動輸送されます。 これを配達員が電動バイクで顧客のもとへ配達。 決済はアプリが連携している支付宝(Alipay)で自動決済されるので届いたら受け取るだけ。 とてもスマートですね。
  • 店舗で確認できる安心感

こうしたネット注文の処理されている姿を、店舗へ行くと実際に見ることが出来ます。
ネットで注文しても店舗で買っても同じ物である事が確認できるので安心。
生鮮食品を(特に中国だから)いきなりネットで買うのは怖いと思う人は多いはず。
そうした消費者の不安を解消して、店舗・ネットで在庫を共有。
OMOが最大限に活用されている場なのだと感じます。

  • ネット注文が7割

最初は店舗に買いに来ていた顧客も、これならネットで注文しても安心だと思うのでしょう。
来店者は徐々にネットへシフトしていき、今やネット注文が7割ほどに達しているそうです。
実店舗を持つ食品スーパーでこの比率は驚きの数字です。

  • 新鮮な海鮮とその調理
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この店の醍醐味として新鮮な海鮮があります。店内のかなりの場所をこのような生け簀が占めています。
大きな蟹も自分で手づかみなり網ですくうなりして、レジへ持ち込みお会計するのが楽しい。

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そしてこれらの魚介類は調理カウンタへ持ち込むと好みの方法で調理してもらえます。
生け簀で生きている魚介類をその場で調理。スーパーとは思えない新鮮さがここのウリです。
こうした調理品を届けてもらうことも出来るので出前としても利用可能なのが良いですね。

  • 現金でも買えます

店内は基本セルフレジ(しかも支払はAlipayのみ)なのですが。。
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セルフレジ自体は日本でもジャスコなどそこかしこで見かけますが、ここは現金もクレジットカードも利用不可。
やっぱりそれでは困りますよね。特に外人はAlipayの利用が難しいですから。
でも大丈夫。

AlibabaHQ サービスカウンタでは現金で買えます。 写真の通りここに並んでいるのは外人ばかりです。 Alipayやアプリが使えなくて困っていても気にせず入ってみましょう。

ニューリテイルの最先端を行くスーパーだけど、そういった物に無縁の人でも従来型のスーパーと同じように買い物できるよう配慮されていることがわかりました。
そんな盒馬で昼食をとり、他を散策しました。

充電器シェアリング

AlibabaHQ 携帯電話が電池切れになると生活に影響を及ぼす中国。 モバイル充電器が欠かせませんが、街中で電池切れの時はこれ。 その場で充電出来る有料の充電場所は日本にもありますが充電中は端末が機械の中では意味がない。 ならば充電器を貸し出せば良いではないかという点が新しい。こうあるべきですよね。 Alipayにはアカウントの信用度が設定されており、これが一定以上のスコアだと保証金不要。 そうでない場合は賃借時に保証金が差し引かれ、返却時に保証金が戻る仕組みです。

傘シェアリング

AlibabaHQ コンビニでビニール傘を買うと翌日には無駄になってしまうので環境に良い取り組みですね。 実際に地下鉄の駅等に設置されていて、もちろん別の場所で返却しても構いません。 日本でも最近これを始めようとしている業者が出たことを確認していますが、これは人口が多い中国だからこそ成功するモデルだと思うんですよね。どうなるか生暖かく見守りましょう。

アリババ博物館にて

AlibabaHQ アリババ博物館でお約束の記念撮影。 ツアーの皆様はこの後、上海へ向かわれましたが自分は青島へ移動するのでここでお別れ。 楽しい視察ツアーでした。

まとめ

公式ツアーではこのようにカンファレンス以外の活動に参加することもできます。
来年も開催予定とのことです。興味を持たれた方は是非ご一緒に!
参加された皆様、お世話になりました。ありがとうございました。

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