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2018 杭州・云栖大会で感じた先進国中国


2018 杭州・云栖大会(The Computing Conference 2018)

アリババが年に一度、本社のある杭州で行うコンピューティングカンファレンス(TCC)。

今回は縁あって、日本からの視察ツアーの通訳兼案内係として参加させて頂きました。

主な内容は既にメディアが報じていますから、そうではないところを。


クラウドに限らず、コンピューティング全般がテーマ

つい比較しがちな西側大手各社はクラウドを中心としたカンファレンスが多いですが、こちらはコンピューティング全般がテーマです。

中国が世界に先行しているニューリテイル、ETブレイン、量子コンピューティングなど興味深い展示が並びます。

そしてそれらを支えるアリババクラウドももちろんあります。

今回は非技術者の参加者も多かったため、事業を展開している企業のブースをメインに回りました。


満員札止め12万人

会場はアリババクラウドのキャンパス隣の云栖小镇(クラウドタウン)で、展示ホールと空き地に特設ブースを設置しての開催となります。

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写真右下、遠くに ALIBABA の看板が見えるのがアリババクラウドのキャンパス。徒歩10分ほどでした。この話は別記事にて。

入場券は事前申し込みで満員札止め。

re:Inventよりも小さな会場に4日間で12万人ですから札止めしないと入れなくなりますからね。


警備とライター持込禁止

ここは空港か?と思うようなゲートがあります。

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中国ではわりと普通の事で、地下鉄に乗る度にこのような検査があるので皆慣れています。

詰まっている感が有るのはこの安全検査のせいではなく、その先の入場券引替所でした。

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なんとライター持ち込み禁止。

これには驚きました。ジャックマーさんに火を放たれる事を警戒しているんですかね!?

さて会場へ入ります。


会場入口から顔認証

顔認証はアリババグループの今年のテーマなのでしょうか。

会場への入場も、カンファレンスの登録をAlipayのアカウントと連携しておくと顔認証で入れます。

しかしまだ荒削りなのか、初回は顔認証で入れたのに再入場で弾かれたりと戸惑う場面も。

結局は二次元バーコードの入場券を取り出す事になるのですが、取り組みとしては良いですね。

会場入口。

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なんとなく宇宙船を模してあるような?

これは宇宙への取り組みを進めているアリババという意思表示なのかもしれません。

顔認証で荷物を取り出せる宅配ポストがありました。

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これは菜鳥というアリババグループの物流企業がマンションやオフィスビルなどに設置し、既に使われています。

日本では宅配ポストというとマンション等が設置するイメージですが、中国では物流業者が自ら各地に設置します。

これは中国でも再配達をいかに減らすかという課題が大きいのは同じで、これを解決するために物流業者側が動いて再配達率の大幅削減に成功しています。

この他にも顔認証で決済する食堂など、応用展示がいくつもありました。

しかし認識率はまだまだ荒削りの印象。

それをわかっているのでしょう、顔認証に失敗した場合の方法も用意しているあたり、いかに早くビジネスにするかという点を重視している中国企業の姿勢は見習うべきところです。

顔認証分野で進んでいるのは日本電気さんで、イギリスの路上監視カメラシステムや日本の空港の顔認証ゲートなどミッションクリチカルな部分には同社が入っていますが、それらとは競合せず棲み分けているなと感じます。


AR自動車

ARで運転の手助けをしてくれるという自動車が。

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周囲の危険や道路の規制情報などが表示され運転を手助けしてくれます。

フロントガラスにヘッドアップディスプレイのように出るのではなく、速度メーターなどがある場所がモニタになっていて、そこにAR画像が映し出されます。

これを見ながら運転するのは結構慣れが必要かもしれません。

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この自動車、既に商品化されていて販売されています。

日本では道路交通法でAR画面を見ながらの運転は許可されないでしょうね。


すごいけど怖い? ETシティブレイン

日本でもInterop等の展示会でブースを出しているようなので知られてきた(?)

ET Brainとはニューラルネットワークに基づく機械学習エンジン。

これを元にアリババが杭州市と実証実験を進めているのがETシティブレインです。

市内のあちこちに設置された監視カメラの画像や火災報知器などのセンサーの情報を政府が収集・処理するもの。

人工知能を活用して交通状況を把握、そこから信号機を制御して渋滞の解消を行ったり、火災の自動通報による迅速な対応など、未来政府への取り組みが展示されていました。

今や火災の第一報はこのシステムによる自動通知が殆どだそうです。

そして。

画像解析で交通事故を自動検知できるということは、もちろん交通違反も…:-)

他にも公共Wi-Fi APが収集した周囲に存在するMACアドレスの情報(つまりはスマホ等)を蓄積し個人の行動追跡を行う取り組みがある等、出来る事は何でもやる中国。

現代っ子の国民は、どうせ全て監視されているし開き直って便利に過ごそう。と考えているようです。

すごいけど怖い。と感じる自分は古い人間なのでしょう。


既に実用化している量子通信

アリババクラウドでは北京と上海の間で実用化していてサービス提供をしていた。

量子通信技術はその構造上、絶対に盗聴不可と言われているとおりでセキュアです。

既に金融機関などが利用を開始しているとのこと、西側に盗聴されないよう必須のソリューションですね。


天貓未來店

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いわゆる Amazon Go ですね。

入店には事前登録が必要で、まだの方も入口手前にある二次元バーコードを読みその場で登録できます。

この登録にはAlipayで中国の銀行口座と実名登録が完了している必要があります。

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顔認証で店に入れます。

入れない場合は横のサービスカウンタにいるおねぇさんへ。

Amazon Go と同じく画像処理で手に取った物を認識して処理されます。

買いたい物を取り店を出ると、自動的にAlipayで決済されます。

顔認証がすばらしいなと感じる一面でした。それは

「手ぶらで店に入れる」

ということです。財布や携帯電話を忘れても店に入れるのですから!


全自動野菜

種まきから収穫まで、全自動で野菜を育てて販売までのシステムを製造販売している会社の展示。

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特徴的なのは、自社でもこのシステムを使用しており実際に野菜を販売していること。

アマゾンが自社のためにAWSを作り、それを販売するようになったのと同じモデルですね。

これに興味を持った日本からの参加者が早速商談に。良い流れが生まれました。


ドローンバスターズ

今回の展示でツアー参加者全員の満場一致で最優秀賞に選んだのがこれ。

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永田町にドローンが不時着したなんて話が出る昨今、これでしょう。

そのまんま、ドローン撃墜銃です。

しかもご丁寧に2モードあり。


  • ドローンのマイコンを暴走させ墜落させる

  • (操縦者からの電波を受信させないことで)ドローンの安全装置を働かせ近くに緊急着陸させる

と、なかなかいけてます。

既に永田町界隈は購入済みかもしれませんね。

ドローンバスターズ結成準備中!?

メンバー募集中??


溢れるランチ難民

巨大なカンファレンスで食事は大きな課題です。

re:Inventでもベネチアンの駐車場に広大な食事会場が用意されたりしますね。

会場内に食事をする場所が若干用意されますが到底足りず、

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まぁこうなりますよね。

我々も同じ運命をたどりかけたのですが、アリババさんのご厚意で会議室を用意いただき助かりました。

外人の参加者も徐々に増えてくるはずです、来年に期待しましょう。


トイレ

展示ホールはさておき、広場に広大な特設会場を作ればやはりトイレが気になります。

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隣接する道路に仮設トイレを並べるのですが、もうちょっと頑張って欲しいですね。

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さすがにこれはしんどいんじゃないかな。

ジャックマーさんは外を歩かないでしょうからこのあたりの実情を把握してなさそう。

ランチ同様、来年に期待しましょう。


当日の模様は公式サイトへ

これだけの人数が参加しますから、基調講演に参加者全員が入れる訳ではありません。

基調講演に入れるチケットとそうでないチケットが売られており、前者は早々に完売。

我々ツアー組も入れませんでした。しかし心配ご無用。

基調講演をはじめブレイクアウトセッション等、当日の模様は公式サイトで録画が公開されています。

https://www.alibabacloud.com/tc/the-computing-conference-2018

残念ながら日本語の翻訳はありません。


まとめ

現在利用可能な資源を最大限活用し、新しいサービスを少しでも早く社会に普及させている中国。

この姿勢は日本企業と政府が大いに見習うべきことだと感じました。

日本では完璧な物が出来てからサービス開始しますが、それでは時代においていかれます。。。