技術についてある程度自信を持ってきたら,次に積極的に情報発信をしていくことと思います.この記事では,その1つの手段として,いわゆるTechConf(テック・カンフ),すなわち技術系の国際会議で発表・登壇する方法について紹介していこうと思います.
私は,ElixirConf(エリクサー・コンフ)という,並列プログラミング言語Elixirにおいて世界最高峰のTechConfに,日本人で初めて発表したのが2019年のことでした.またその後,何度も発表する機会をいただきました.それがとても良い体験だったので,もっと仲間を増やそうとして,2021年には何人もの友達を誘ってElixirConfで発表するための勉強会を企画し,結果,4名の発表の機会をいただけました.
TechConfで発表をすると,次のような利点があると考えています.
- その技術についての国内外での知名度が向上します.
- 海外において,その技術に関する友人ができます.
- 英語でその技術について説明するスキルが身につきます.
- 海外におけるその技術の潮流を知るきっかけになります.
この記事のシリーズではElixirConfについて説明しますが,他のTechConfにも通じる内容が多く含まれているのではないかと思います.この記事をきっかけにして,より多くの日本の方々が,もちろん,それだけに限定するつもりもないのですが.TechConfで発表することになると良いなと考えています.
追記: 本メソッドでElixirConf EU 2023で @RyoWakabayashi さんが発表することになりました!
ElixirConfに関する誤解〜すごい技術を発明しないとElixirConfで発表できないのか?
前述のように,日本人で初めてElixirConfで発表した私の発表が,ElixirからGPUを駆動するという,当時それまでに存在しなかった新たな技術領域を開拓するものでしたので,Elixirコミュニティにおいて「すごい技術を発明しないとElixirConfで発表できない」という誤解が広まったように感じています.
しかし,ElixirConfの公募要領である,いわゆるCFP(もともとCall for papers,すなわち「論文募集」と言葉が日本で広まったのでCFPと呼ぶことが多いのですが,ElixirConfの場合には,Call for Talksというように呼ばれています)をよく読んでみると,また,実際に発表された数々の過去のYouTube動画を見ると,けっしてそんなことはないと私は思っています.
それどころか,Qiitaで書かれるような技術入門記事をそのまま英語でのプレゼンテーションにしたというタイプの講演内容がけっこう多く見受けられます.むしろその方がマジョリティかなとも思えます.
入門記事的な発表と最新技術的な発表の割合を見ていくと,発表の数が少ないElixirConf EUにおいては,相対的に後者の比重が多いように見えます.一方,発表の数が多いElixirConf USにおいては,かなりの数が前者,すなわち入門記事的な発表が多いように見受けられます.
そのことから,普段から勉強会やQiita/Zenn,雑誌等で,入門記事的なことを書いている人は,その内容やスタイルをElixirConfで発表しても,受け入れられる可能性が高いのではないか?という仮説を持っていました.
その仮説に基づいて,実際,前述のように2021年に大挙して応募し,ElixirConf USで発表実績を生み出すことができました.そのことについて,ElixirConf USの主催者であるJim Freeze氏からも好評価の言葉をいただけました.
ElixirConfに応募することによる特典
ElixirConfでは,もし発表が採択される(acceptされる)と,そのElixirConfの本会議の参加費が無料になるという特典があります.virtualでの参加でしたら旅費も不要なので,完全無料でElixirConfを堪能できますね!
もし不採択になる(rejectされる)場合でも,一番安いチケットでの購入ができるという特典があります.通常だと発表内容が公開されるより前にしか購入できない超早売りのチケット(Super early bird)と同等の価格で購入できるという特典です.
次の機会は ElixirConf US 2023
ElixirConf US 2023については,2023年9月5日〜8日に開催となりました.会場については追ってアナウンス出されるそうです.Call for Talksについても近々公募するのでしょうね.今から準備を始めて損はないと思います.
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