##nPrの意味
n枚の相違なるカードからr枚を取り出して並べる並べ方が何通りになるかは、もちろん nPr = n! / (n-r)! 通りである。ここで、なぜ分母に (n - r)! を置くのか、その意味について考えてみる。
5枚のカードから3枚を取り出して並べる並べ方は 5 x 4 x 3 = 60 通りとなるが、これをnPrの定義に当てはめると、5! / (5 - 3)!となる。なぜ分母に (5 - 3)! を置くのかというと、5! = 5 x 4 x 3 x 2 x 1 から 2 x 1 をキャンセルしたいためである。
nPrは、n x (n-1)x(n-2)x…と-1ずつかけていき、r回目でストップする、と覚える。
##nCrの意味
では、n個の相違なるボールが入った袋からr個のボールを取り出す取り出し方は何通りになるか。
5枚のカードから3枚を取り出して並べる並べ方が何通りになるかは、5x4x3と単純な計算で求められたが、順序を考慮しない場合の組み合わせの数は、こんな風に単純に求めることはできない。
n枚からr枚のカードを取り出して並べる操作においては、カードを取り出す【操作A】と、取り出したr枚のカードを並べる【操作B】を一気に行っている。n個からr個のボールを取り出す取り出し方のパターン数を求める場合においては、【操作A】で「止める」必要がある。
【操作A】をa通り、【操作B】をb通りとすると、nPrのカードの並べ方は、a x b通りである(n枚からr枚の取り出し方がa通りで、a通りのうち任意の1パターンのもとでのr枚の並べ方がb通り)。そのため、【操作A】で止める必要があるわけだが、そのためには nPr に含まれる b をキャンセルする、つまりnPrに1/bをかける必要がある。
あとはbの値を求めるだけだが、n枚からr枚のカードを取り出した時点を出発点として考える。つまり、取り出した任意の1パターンのもとでr枚のカードを並べる並べ方は何通りかを考える。これはもちろん、r!通りである。
すると、【操作A】で止めた時点での組み合わせの数nCrは、nPr/r!と表すことができる。
nPr = n!/(n-r)! という定義より、
nCr = nPr x 1/r! = (n! / (n-r)!) x 1/r! = n! / (n-r)! r!
となる。
nPr = n!/(n-r)!
nCr = nPr/r! = n!/(n-r)!r!