はじめに
私はClaude CodeをWSL上のHerdrで使っています。もともとはWindows TerminalからWSLに入ってHerdrを起動していましたが、次のような不便を感じていました。
- 日常使いのWindows Terminalのタブが作業環境に占有される
- Windows TerminalのタブとHerdrのタブ・ワークスペースが二重になり、操作が混乱する
- 開くたびに wsl と herdr を打つ手間がかかる
そこで、Windows Terminalとは別にAlacrittyをWSL + Herdr専用のターミナルとして使うことにしました。この構成はClaude Codeに限らず、ターミナルで作業する環境一般にそのまま使えます。本記事では、そのための必要最小限の設定を紹介します。
なぜAlacrittyなのか
専用ターミナルに求めるのは、開いたら即WSLとHerdrが立ち上がることです。この器としてAlacrittyを選んだ理由は次の3つです。
- Rust製のネイティブバイナリで軽量、起動が速い(Electron不使用)
- 設定がTOMLファイル1つに完結し、ファイルをコピーするだけで環境を再現できる
- タブやペイン分割の機能を持たないミニマルな設計なので、ペイン管理はHerdrに任せるという役割分担になり、機能が重複しない
3点目はAlacrittyの設計方針そのものです。公式READMEには「タブや分割はウィンドウマネージャやターミナルマルチプレクサに任せる」と明記されており、マルチプレクサであるHerdrと組み合わせると、それぞれの役割がきれいに分かれます。
構成
全体の構成はこのようになります。
Windows 11
└─ Alacritty(Windows側のターミナル。開いたと同時に…)
└─ wsl.exe(WSL2 Ubuntu に入り…)
└─ Herdr(ターミナルを閉じてもセッションを保持するマルチプレクサ)
└─ 任意のCLIツール(Claude Code、シェル作業など)
それぞれのツールが体験のどの部分を担っているかを整理します。
| 部品 | 役割 | 実現する体験 |
|---|---|---|
| Alacritty | 専用ターミナルの器。開いたと同時にWSL内のHerdrを起動する | 開いたら即、作業環境 |
| WSL2 (Ubuntu) | LinuxのCLI環境を動かす土台 | (全部の下支え) |
| Herdr | ターミナルセッションの保持 | 閉じても戻れる |
HerdrはRust製のターミナルマルチプレクサです。詳細は公式サイトを見ていただくとして、本記事では「作業環境を保持し続ける器」としてだけ使います。
動作確認環境
- Windows 11
- WSL2 (Ubuntu 24.04)
- Alacritty 0.17.0(Windows側)
- Herdr 0.9.1(WSL側)
- Claude Code 2.1.207
用意するもの
必要な部品は次の4つです。インストール手順は各公式サイトを参照してください。
| 部品 | 入手先 |
|---|---|
| WSL2 (Ubuntu) | Microsoft公式ドキュメント |
| Claude Code | 公式セットアップガイド |
| Herdr | 公式サイト |
| Alacritty | 公式サイト |
なお、Herdrは公式のインストールスクリプトで入れると ~/.local/bin/herdr に置かれます。次章のAlacritty設定はこのパスに対応しています。
すべてインストールしたら、次章の設定ファイルを所定の場所に置くだけで使えるようになります。
Windows側の設定 alacritty.toml:開いたら即Herdrが立ち上がる部分
配置場所は %APPDATA%\alacritty\alacritty.toml(Windows側)です。必要な設定はこれだけです。
[terminal.shell]
program = "C:\\Windows\\System32\\wsl.exe"
args = ["~", "-e", ".local/bin/herdr"]
起動と同時にWSL内のHerdrを直接起動する
[terminal.shell] のポイントです。
-
programにwsl.exeを指定し、argsの~でホームディレクトリから、-e .local/bin/herdrでHerdrを直接起動しています - これにより「Alacrittyを開く → wslと打つ → herdrと打つ」という3アクションが、アイコンを開くだけで済みます
- TOML内のWindowsパスは
\\にエスケープする必要があります
まとめ
- AlacrittyをWSL + Herdrの専用ターミナルとして使い、開いたら即作業環境が立ち上がるようにしている
- 必要な設定はWindows側の
alacritty.tomlだけ
ターミナルでの作業が多いなら、Alacrittyを専用ターミナルとして使ってみてはいかがでしょうか。